アーモンドの花である。白色とピンク色の両方がある。アジア原産と言われるが、旧約聖書にも登場するように、紀元前四世紀頃には中近東地方へと植生地は拡がっていた。
そこでは、食用としてジェネシスの43章11で扱われている以外は、元々のヘブライ語の同音語「夜警」との言葉遊びが好んで使われる。エレミアの1章11,12に「エレミア、何を見ておる?私は、アーモンドの芽吹く(覚醒する)枝を見ています、と言った。すると主は言った。お前は確りと見とどけた、私の言葉が成就するものを」。
こうした引用から、またその堅いアーモンドの種から中世に於いては、処女受胎のシンボルとした様である。
アーモンドの実は、問題なく冬を越すが、一月から四月に掛けての開花期は霜に弱い。よって、ドイツでは植生が限られる。そのことから、アーモンドの開花を見るところ、ワインの好い実りがある。ワイン街道のアーモンドの花の並木は、特に有名である。食用とするアーモンドの木の種類もバート・デュルクハイムなどと名付けられているらしい。
追伸:甘い食用アーモンドと云えば、マーツィパンとしてお馴染である。反対に苦いアーモンドはその毒性故に、薬として使われてきた歴史がある。
2004 03/21 編集
アーモンドの咲くところ
「華道のお師匠さん」という英文の小説があるようだ。イギリス生まれスジャータ・マッシーというアメリカへ移住したインド・ドイツ人の混血女性が書いた「志村玲?」という推理小説シリーズらしい。自らの二重文化への興味から日米混血のヒロインを創造した。米海兵隊軍医のご主人に帯同しての90年代初頭の日本滞在がネタとなる。五年ほど前の小説乍ら、ドイツ語タイトルの「陰鬱なアーモンドの花盛り」に気が付いた。
先週の積雪から10日も経たずに、ワイン街道はアーモンドの花が満開である。アーモンドの開花は、梅と桜と桃を足して割ったようなと表現できようか。バーデンでもプァルツでも決まって使われる謳い文句が、「アーモンドが逸早く開花するところはワインが良く育つ」である。
あらすじから想像すると、「桜が咲く前の時期と桜満開下の事件発覚」と「アーモンド満開」が上手く対応しているように思う。桜開花の期待感と満開の溢れる充足感と薄命を、満開アーモンドの春告知と押し付けがましいような量感と実存に置き換えたのは面白い。日本趣味も手伝ってドイツ語訳の評判も原文同様に華々しい。このシリーズ、舞台となった日本では評判が甚だ良くないようである。
そこでは、食用としてジェネシスの43章11で扱われている以外は、元々のヘブライ語の同音語「夜警」との言葉遊びが好んで使われる。エレミアの1章11,12に「エレミア、何を見ておる?私は、アーモンドの芽吹く(覚醒する)枝を見ています、と言った。すると主は言った。お前は確りと見とどけた、私の言葉が成就するものを」。
こうした引用から、またその堅いアーモンドの種から中世に於いては、処女受胎のシンボルとした様である。
アーモンドの実は、問題なく冬を越すが、一月から四月に掛けての開花期は霜に弱い。よって、ドイツでは植生が限られる。そのことから、アーモンドの開花を見るところ、ワインの好い実りがある。ワイン街道のアーモンドの花の並木は、特に有名である。食用とするアーモンドの木の種類もバート・デュルクハイムなどと名付けられているらしい。
追伸:甘い食用アーモンドと云えば、マーツィパンとしてお馴染である。反対に苦いアーモンドはその毒性故に、薬として使われてきた歴史がある。
2004 03/21 編集
アーモンドの咲くところ
「華道のお師匠さん」という英文の小説があるようだ。イギリス生まれスジャータ・マッシーというアメリカへ移住したインド・ドイツ人の混血女性が書いた「志村玲?」という推理小説シリーズらしい。自らの二重文化への興味から日米混血のヒロインを創造した。米海兵隊軍医のご主人に帯同しての90年代初頭の日本滞在がネタとなる。五年ほど前の小説乍ら、ドイツ語タイトルの「陰鬱なアーモンドの花盛り」に気が付いた。
先週の積雪から10日も経たずに、ワイン街道はアーモンドの花が満開である。アーモンドの開花は、梅と桜と桃を足して割ったようなと表現できようか。バーデンでもプァルツでも決まって使われる謳い文句が、「アーモンドが逸早く開花するところはワインが良く育つ」である。
あらすじから想像すると、「桜が咲く前の時期と桜満開下の事件発覚」と「アーモンド満開」が上手く対応しているように思う。桜開花の期待感と満開の溢れる充足感と薄命を、満開アーモンドの春告知と押し付けがましいような量感と実存に置き換えたのは面白い。日本趣味も手伝ってドイツ語訳の評判も原文同様に華々しい。このシリーズ、舞台となった日本では評判が甚だ良くないようである。