Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

今後四年間の南国休暇

2006-07-05 | ワールドカップ06・10・14
イタリア人はとても速かった。街中で訓練された追剥ぎグループにやられるような感じである。蒸し暑く午後7時過ぎには、前祝のシャンペンを開けていたから、TVの前で大分居睡りをしても、それでも試合終了までまだ堪らなく眠かった。

ドイツ人は驚くほど動いていたが、充分に機能的に動くことが出来なかったようである。クローゼが上手く使えないことを見越して、右のシュナイダーに託したのは分かったのだが、結局このフォーメーションは機能しなかった。後半からどんどんと攻撃的な陣営にして変えて行ったのもヨアヒム・レェーヴの戦略だったのだろう。

それに引き換え、イタリア人はカウンターで状況を一転させる力があるので、最後の最後での得点を十分に計算出来ていたようだ。戦前は、守備の綻びなどが示されてドイツにチャンスありとしていたが、充分な形をなかなか作らせて貰えなかった。

試合後の皇帝の落ち込んだ表情は言うまでもないが、試合前の首相のいつも繰り返されるプロレタリアート独裁政権スポークスマン風一言がやはり気になった。必要も無いのに一歩踏み込んだところで、スローガンもどきな表明をして、一党独裁政権党挙げての見解を示す趣がある。ホーネッカー書記長が健在なところで、原理原則を掲げるような言動を子供のころから叩きこまれている東独出身者は、一生そのままであり続けるのだろう。毎年のバイロイトの音楽際初日のインタヴューも全く同じで、大多数の大衆の納得と姿勢の模範を示すような発言は、逆にこのトップダウン的な思考法の女流政治家の不人気をかっている。西側には、知識人や文化人がおり、それらの言動や見解が自由な報道の中で、広く世の中に伝わっている事を繰り返し思い起こさなければいけない。実行派メディア・ポピュリストの前首相とは正反対である。

クリンツマン指導体制の継続を望む声が急に強く叫ばれているが、どうなのだろう。女流政治家の首相は、父コール首相が代表チームの監督を囲ったように、表面に出てくるとは思えないが、そこまでは踏み込む人間でない事がこの政治家をただの調整役にしている所以であろう。いづれにせよ多くのサッカーファンには、虫唾が走ったに違いない。それに引き換え、首相が引き連れられて、男たちの裸のロッカールームにお悔やみに参上した大統領には、サッカーファンはいっそうの親近感が湧いたに違いない。

さて市井のドイツ人にとってこの敗北の意味するものを綴るとすれば、今後四年間イタリア旅行の際には、「イタリィエーナは、運転も危なっかしいしなんだかんだ」と言うところが、「テデスコは、システムとか何とかいっても口だけ」と言われているような被害妄想に苛まれると言えるか。町の旗指しの数は殆ど減っていない。殆どの人が日曜日の休みまでそのままにしておくつもりらしい。

何はともあれイタリア人が密集して住んでいる地域ではかなり湧いたようだ。しかしワイン街道は全く静かで、準備していた車や人間達が音もなく静かに通り過ぎるのが良く判った。強豪フランスとポルトガルの試合がミュンヘンで催される本日も暑くなりそうだ。そろそろ夕立もやってくるだろう。


参照:王女とカエル王子 [ 文学・思想 ] / 2006-07-08
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映像のみが語る真実

2006-07-05 | ワールドカップ06・10・14
昨日のトップニュースは、トルステン・フリンクスの処分決定であった。アルゼンチン戦終了後の暴力行為で処分された。それもイタリアのTV局による証拠提示となっているので、疑心暗鬼が前哨戦から湧き起こった。ヴィデオによる処分はトッティーも昨年の欧州選手権で受けたと言うから、その重要性はイタリア人は良く知っていたようである。確かに写真を見るとクリンスマンと並んで拳を握ってかましているのが良く映っている。打たれたとされるフリオ・クルツが覚えが無いと言うのが面白い。映像が全てなのだろう。

こうして、バラックとのコンビでイタリアの攻撃を引き止めつつ反撃へと出る重要な選手は出場停止となって、その次の試合まで出れない。その位置にセバスツィアン・ケールが入るか、ティム・ボロヴスキーが代行すると言う。

なにやら、チャ-ルズ・チャップリンの「独裁者」におけるヒットラーとムッソリーニが椅子の高さで虚勢を競うような按配でおかしい。こうした狡い試合になると予想する。さらにかなり惨めな敗者が生まれそうである。

そのときのPK戦でイェンツ・レーマンの受け取ったメモが報じられているが、こうした情報戦は何も珍しい事ではなくて通常行われていると言う。ただ、使わなくてもなんでもないとする。そして名選手ボド・イルグナーが言うには、PKは習う事が出来て、ドイツチームがワールドカップで18発中一発しか外していないのも驚きながらも理解出来るとしている。それは少年の時からの十分な経験によると言うのである。そして二発ぐらいはキーパーが止める事が出来るのは普通で、三発のリカルドはそれを超えているとする。反対にイングランドがなぜそこまで外すかは興味深いとしている。

試合が終わって暫らくして、アシスタントで参謀のヨアヒム・レェーヴが、「二日前に我々は世界チャンピオンになった。今度は欧州チャンピオンにもなる事が出来る。」と語っている。クリンツマンは、全ての戦略を握っている彼を後任に推薦していほどで、強く抱き合う蜜月の様子は些か暑苦しい。それにマネージャーで嘗てのセリエAの得点王オリヴァー・ビーアホッフのアドヴァイスが有用になると言うが本当だろうか?

クリンツマンは、フリンクスの処分を受けて、「我々の熱狂を誰も止められまい。」と語る。(テデスコイタリィエーナ)
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