Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

隠れ宿の谷の平和利用

2007-01-10 | アウトドーア・環境
中欧スイスからコモ湖を抜けて、ミラノへと走るにはゴッタルダの峠かトンネルを通らなければいけない。ヴィリアム・テルの湖のある北から向かうとトンネルの前が分かれ道となっていて、そこからフルカ峠を通ってヴァリスの谷へと抜けることが出来る。そのコースは、米国人やアジア人に人気のベルリナ氷河鉄道のルートに当たる。つまり、反対側のツェルマットからサンモリッツを目指す途上停車する町がアンデルマットである。

スイスのスキーヤーには大変人気がある1300人ほどの村で、フルカ峠ほどではないが雰囲気が残されているスキー場である。その町の開発が話題となっている。エジプトのサヴィリス・ファミリーホテルの兄弟の一人が、ここをダヴォースやサンモリッツに負けない国際リゾートにしようと投資の準備をしている。

貧しいウリ州の地元の直接選挙民も殆どが賛成していて、スイスとしては異例の速さで地域開発の青写真が完成している。あとは別荘地開発で連邦政府の特例を待つだけと言う。

現在までの1300ベット数に対して数個の大ホテルとモールつきの新市街が開発されて、スイス国防軍が使っていた広大な土地とシェルターの地所は、国際平和目的に変化して行くと言われる。隠れ宿のような趣があったのだが、こうして夏は18ホールのゴルフ場などが新設されて、略二千人の雇用を生み出すと言うのだ。ウリ州としても8%の実質経済成長を計算している。

スキー場としては、氷河は無いものの三千メートルに近い頂上は厳寒で、オフピステ滑降ルートは瘤になり滑り難い。現在は繋がっていない全てのピステを連結するのだろうが、四つ星がつくスキー場となるかどうかは疑問である。寧ろ温暖化に備えて、避暑地として、現在の牧草地を開発・観光資源化するのが狙いであろう。

こうした時代の変化を思うと、その将来を思うよりも、その思い出を掘り起こすような土地柄だったのである。
コメント (2)
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