Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

汚物形状の市民の銘菓

2007-01-19 | 
昨日夜遅く帰りの車へと向かっていた。すると道路に落ちているクリスマスツリーを見つけた。足元は鋸で切られて、丁度歩道の上に横たわっていた。上の窓から投げ捨てれれた風情であった。

この光景を見て思い出すのはスェーデンの家具ディスカウントチェーンメーカーが流していたTVスポットである。そこでは一斉に窓からツリーなどを投げ捨てて、セールに備えると言うものであったが、こうして実際に捨てられているのを見るのは珍しい。通りかかった誰でもが、上を見上げるのである。それは、まるで壁にサンタクロースが吊るしてあるようなものである。

同行者は、マンハイムには伝統的に窓から投げる流儀があると言うのだ。それは、現在でも町の中心に位置するパラデ広場の惨状から、「家庭で掻き集められたゴミや糞を窓から投げ捨てた者は、二帝国ターレンの罰に処する」と市長がお触れを出した史実を指す。1822年並びに1838年のことであった。

これを見て、閃いたのが地元のパン屋で、現在も名物として売られるマネマー・トレックと呼ばれる菓子となる。(因みに現在その本家権を所持しているカフェーは、研究家によると西独では新しいとされるバウムクーヘンを提供するお店として有名である。)同じようにか、想像力を刺激されたヨゼフ・ボイスがデュッセルドルフで制作した作品にも汚れ脂を集めたものがあるようだ。

現在でもこれに類する項目は賃貸契約書に含まれていたりするが、当時のように夜間のオマル等を必要とはしなくなった。中世からの町の発達は、人口の急増化により井戸を涸らし、上下水道の整備を必要としてきた。そして、近世に至って都市生活のための規制が次々と必要になって、致し方なく複雑な社会となる。
コメント (6)
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