Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

不整脈辞退を受けて

2018-12-08 | 文化一般
スカラ座からの放送のテストを流そうかと思っていた。そこに入ってきた情報は待ちに待ちかねた朗報だった。来年のバーデンバーデンの復活祭は史上最も賑やかになる。現役指揮者の大物二人にキリル・ペトレンコが勢揃いする。ズビン・メータにリカルド・ムーティとなれば現役ではこれに匹敵するのはもう少し若いバレンボイムしかいない。MeTooでアムステルダムで解雇された指揮者はローマの音楽監督に就任したようだが、流石にベルリンは切った。先日登壇したバイエルンの放送交響楽団はそもそもスタディオに引っこんでいれば話題にならないが、やはりドイツを代表するフィルハーモニカーには具合が悪かった。

急いで席を押さえた。監視していたので出券状況は大体分かっていたが、その二月前とあまり変わっていなかった。始めから狙うようなお得な座席が買えた。先ずは一枚押さえた。そもそも復活祭の「オテロ」はムーティ指揮でという希望だったが指揮者が練習時間が取れないので難しいと固辞した。そこでその代りにバーデンバーデンだけの特選プログラムとして聖週間に「死者のためのレクイエム」を二回振る - 個人的にはジュリーニ指揮の名演をフィルハーモニーで聞いて以来だ。その代りにコンセルトヘボーの監督である筈だったガッティが「オテロ」を振ることになっていたのだが、指揮者としてよく知らないうえにそのコンサートプログラミングなどを見ていると底が浅く興味がなかったので、今回は一切オペラは購入していなかった。ミュンヘンでの後につまらないものは聞きたくなかったからだ。

そこに今最も時間が溢れている指揮者ズビン・メータが入る可能性は強かったのだが、ミュンヘンでガッティがそのまま登場していたので、更迭するにはそれなりの説明が必要だったのだろう。しかし今回はバーデンバーデンの祝祭劇場の発表によると指揮者ガッティが「健康上の理由で辞退」とある。そもそも最初から話しをつけておかなければカレンダーが真っ白のメータ氏でも直ぐには発表には至らない。つまり裏ではやり取りがあって、12月4日にも就任するローマで開幕の「リゴレット」キャンセルしたようだから何か動きがあったとするのが自然であろう。5日のバイエルン放送協会によると「不整脈」とイタリアでは報道されているそうだ ー 4日は振ったとか、どうも情報が錯綜していて、ガッティ側の混乱ぶりが伺える。

恐らく腹切りのようなところがあって、辞退を条件に少なくとも祝祭劇場から「絶縁することなく」という言質を取ったので、交渉があったのは間違いない。興味深いのはベルリナーフィルハーモニカーがもしくはツェッチマン支配人が隠れているところで、これもガッティと楽団の間で合意に至ったとする方が正しいかもしれない。つまり楽団にとっても難しい決断をすることなく、一先ず様子見を続けられ、ガッティ側にとっても一先ず凌ぐことになる。見方を変えれば、復活祭には日程的に限界なのでツェッチマン支配人が迫ったと推測する。

これで一先ず復活祭へと駒を進める。そこで個人的にはたと気が付くのは、「オテロ」の音楽がもう一つ頭に入っていないことで、これは週末塗装の修理でもしようかと思ったが順延する。なぜならば、予定していなかった復活祭に再び「オテロ」となればよほど勉強しておかないと判断が難しくなるからで、今回のミュンヘンの上演に全力を傾けなければいけないからだ。演出のロバート・ウィルソンは今まで感心したことがないが - そもそも今回のミュンヘンでの質には対抗しようがない -、 これもまた話しのタネにはなる。

朝一番で峠を攻めて帰宅した。降雨と降雨の僅か30分ほどの時間を活かしたかったからだ。これでミュンヘンから帰ってくるまでは運動しないでもなんとかなる。週末はヴィーンからの放送と「オテロ」勉強に全てを賭けたい。干し物などしている場合じゃない。



参照:
ドライさとかカンタービレが 2018-11-25 | 音
呪術から抜けられずに 2018-08-12 | 文化一般
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