Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

眠りの森の亜硫酸臭

2019-12-30 | ワイン
ベルリンでの「眠りの森の美女」中継録音がオンデマンド化されていない。理由は分からないが残念なことで、事情があるのだろう。モスクワでの録音はYouTubeに出ているようだが、商売でなくて今後の計画が係っている可能性がある。

ざっと録音を聴いてみて、ヴィースバーデンでの問題点は大分解決されていて、恐らく今年ベルリンのフィルハーモニーで演奏された管弦楽団演奏会の中で十指に数えられる芸術的な内容だったと思う。まだ前半を何回か聴いているが、指揮のユロスキーが語るように、この曲が19世紀の音楽史の中で変換点に位置しているというのがとても分かる演奏だ。勿論ロ短調のパッサージュの話しとなる。

この曲と第五交響曲の内的関連が、「くるみ割り人形」と第六交響曲とのようにあって、また大きな反復ブロックにおいてショスターコヴィッチとの関係にも言及している。美学的にはパセイズムと呼んでバーデンバーデンでの解説のように過去のラモーとかの後期バロックやプレクラシックへの回顧がそこにあってというのがそこに含まれるだろう。

管弦楽法を見ても、なるほどアンチヴァ―クナーのチャイコフスキ―であってもブルックナーなどに接近しているところもあって、更に細かな技巧があって正しく演奏しようと思うと合せるのが大変だ。

少なくとも三回目の本番はアーティキュレーションの統一は遥かに出来ていて、正しくこの指揮者が指すティームワークというのはこれ以外のものである筈がない。限られた練習と本番の中でここまでもってこれる腕は矢張り立派である。客演では無理だろうと思う。

後半はまたゆっくりと聴いてみたい。兎に角長いので聴き所盛り沢山である。先のお話しに戻ればやはりミュンヘンでバレーを指揮するのではないかと思う。練習が出来ればミュンヘンでも素晴らしい成果を聴かせてくれるのではなかろうか?こういう演奏を聴くと夏のゲヴァントハウスは一体何を演奏したのか、「海」や協奏曲以外にもう思い浮かばない。年齢も違うがネルソンズよりはユロスキーの方がやはり上だ。

ドヴォルジャークの家族との米国滞在中の写真を見かけた。そこではたと気が付いたのはスークの奥さんとなる長女の姿で、特定できなかった。しかし、新年第二週にアスラエル交響楽が演奏されるので ― こちらにパユが乗りそうなので、ブラームスのオープニングプロはデュフォーが乗るのか ―、これも「新世界」を聴く前に押さえておかないといけないと気が付いた。どのような関係があるのかないのかは分からないが、間違いなく何かが繋がっているだろう。

クリスマス二日目にはシャルツホーフベルク2014年産を開けた。最初から亜硫酸臭さがあって、綺麗には抜けなかった。モーゼルやザール、リュヴァ―のリースリングを馴染む向きにはあれを鉱山的なミネラル風味と評する向きもあるようだが、やはりこれは鉱物であるよりも亜硫酸としか表現のしようがない。勿論酵母臭と同じようにワインの味とは異なるものとなリ否定的になる。2014年は一般的に悪い年度ではないのだがよく分からない。どうも記録を読むと下位のアルテレーベンも同傾向なので、この年度はあまり良くないかもしれない。一通りこの醸造所で高級地所を購入しているので蔵のワインが心配になる。



参照:
歴史文化まで語る手腕 2019-12-23 | 音
年末年始調整計画 2019-12-27 | 生活
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