Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

厚顔無恥に十万円呉れてやれ

2020-04-22 | 文化一般
パン屋に飛び入った。外には誰いなかったからだ。マスクをしていた。私が感染させた売り子である。一体ここまで二月か。長かった。食べ物商売をしている者がマスクをしないでどうするのだ。コロナ禍の前でも慎重な高級デリカテッセンなどはしていた。そもそも売り子がぺちゃくちゃ喋りたいならばこれは避けられない。

ヴュルツブルクのモーツァルトフェストからメールが入っていた。ホームページにあるのとは順番などが異なって趣が少し違っている。基本は、変則的なやり方でフェスティヴァルを開くという事である。その時はデジタルで中継するだけでなく演奏者と聴衆とのライヴの場を基本とするということで、この音楽祭が音楽的な組織であることが知れた。それでもメールに書かれているのは先ずは全ての入場券を返済するということで、暫くの時間をおいて処理するという事である。

そして最も重要なのは透明公正に少人数の観客に絞るという事である。この音楽祭の最大編成は以前のBR交響楽団に代わってバムベルク交響楽団が入る中編成までの演奏会である。それと絞られた聴衆を入れてどのように上演して行くか。これが今後のこの種の演奏会に一つに試金石になって行くかもしれない。

一方更に規模は大きいが時期は少し遅れるラインガウワー音楽祭の動向が注目される。こちらはヘッセン州の大規模催し物への定義が4月30日にされるとして、今しばらく様子見となる。水面下ではさらに有力な所が動いているのかもしれない。あまりアイデアのなさそうな音楽祭では何もできないだろう。しかし、ヴァイオリニストのリサ・バティアシュヴィリの「鱒」を期待していたらなんと下らない公開書面に名を出していた。

それは文化大臣に宛てた引退を宣言した歌手のゲルネが主導したもので、要するに貧しいフリーランサーだけでなく年金もあてになら無いような世界的に著名な大スターにもこの間のギャラの穴を税金で埋めてくれという恥じ晒しな公開文章であった。

腹立たしいが落ち着いてその文章を読み返して、更に恥じたらしであったことがよく分かった。要するにフリーの歌手としての高価な謝礼を取りながら若しくは公演ごとのギャラをどっさり取りながら、公的な支援を受けている劇場を通して昨年との差異を埋め合わせろという厚かましいことを堂々と公開書状にしている。なるほど引退宣言をして年中店仕舞い商法に打って出た歌手ゲルネにしてみれば、それを埋め合わせるにあと五年程店仕舞いを掲げると流石に売れないと思ったのだろう。だから老齢年金代わりももう埋め合わせられないと正直に書いている。そして屋根裏部屋の天井の低いところでピアノを弾きながら歌っている沁みったらしい姿を見せている。

本当に恥ずかしい連中だ。なるほど基礎疾患のある指揮者ティーレマンなどは予想しない引退となるかもしれないので経済的に痛いだろう。しかしそれぐらいの音楽家だったのである。しかし器楽奏者として世界最高のギャラを取るアンネゾフィームターの厚顔ぶりには呆れる。一体今迄十代から何を稼いできたかと言いたい。同様にゲオールゲン出身のバティアシュヴィリが容易に税金を取ろうとするのは余程売込みなどで天引きされているということなのか?歌手のパーペでもまだこれから歌える年齢で一体何をしようというのだ。

同じ文化大臣に電話して多大な寄付を申し入れたキリル・ペトレンコとのプラスマイナスのこの差異は一体どこから来るのか?つまりこの文章に触れられているようなギャラにぶら下がっているマネージメントなどの商業主義のパーソナルの経費の大きさが違うのだ。勿論ペトレンコにもレヴィン事務所があってツアーなどの時にはマネージャーがガードマンの様についているのだが、全く異なるのは宣伝費である。まさに文章にあるPRエージェント無しには商業的に市場が開けなかったことを告白している。その点、ペトレンコの場合は我々ヴォランティア―や公共の資金でやれるだけのことはやっている。それどころかメディア産業の後押しを頑なに断り続けた。その理由は明白で今問い直されている事でもある。

指揮者ヘンゲルブロックも書簡に名前を連ねているが、我々のバッハの会で育てて貰って、いい格好して大管弦楽など振ってバイロイトにまで登場してスター気取りに何を抜かす!どれもこれも本当に腹立たしい厚顔無恥である。先ずは支払う予定の税金を計算してその分ぐらいは寄付してから発言しろと言いたい。そもそもスター気取りで安い固定給では仕事をしないと宣言したのであるから、それを貫くのが芸能人なのだ。一言、結局そこまでの才能が無かったのなら暫しいい夢を見ただけと思って良しとしなさい、金の亡者たちよ!



参照:
イザ、バティアシュヴィリ 2020-01-27 | 女
マーラー作プフェルツァー流 2017-10-15 | 音
コメント
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