Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

セシウム137の汚れ

2022-03-21 | アウトドーア・環境
サハラ砂漠からの降砂が酷い。これほどなのは初めてだ。日本の黄砂も酷い時はあったが、これはナノ以下でエアロゾールらしい。そしてなんとセシウム137が検出されている。ウラン由来らしいが、半減期30年でも検出される程度とは恐れいる。濃度としては一平米に八万ベクレルらしい。那須ぐらいの汚染度になるだろうか。そのウランは1960年2月13日のフランスのアルジェリアでの核実験のものとされている。

五月の券を発注する序に宿泊も予約した。しかし配券されるかどうか分からないのに、つい予約金迄払って仕舞った。勿論必要なければ一月前まではキャンセル無料だ。なにか出かける意志が空回りしているようでいけない。

“Close-up” | Romeo & Juliet | Berliner Philharmoniker

ベルリナーフィルハーモニカーがこの時期を選んで昨年の青少年との対話プログラムをYouTubeに上げた。チャイコフスキー作曲「ロメオとジュリエット」序曲の練習風景とそのレクチャーを青少年たちとの対話の中で指揮者のキリル・ペトレンコが行うというものだ。

その最後の部分が圧巻だった。その時も一通り観ていた筈だが、今こうして取り上げられると全くその時とは異なる強いメッセージが伝わる。シェークスピアのそれをチャイコフスキーがどのように音楽化しているかが説明されているのだが、その内容はのちにバーンスタインによって「ウエストサイドストリ―」として違う色彩が加えられている。

しかしそれ以上に、アレグロ・ドラッカでの戦争の動機などを洗いだして、血生臭い市街戦をそして二家庭間の争いの音楽を解説する。現在と全く同じように争いの場となったウクライナ東部での歴史的出来事を描いた「マゼッパ」においても当然その通りであり、昨秋に演奏されたのだが、そこには更に現在日本等でも話題となることの多い「序曲1812年」も引用されていた。

ペトレンコは、演出家が「これはユダヤ人とパレスティナ人との間の話しでもあるかも」と振ったのを受け、「まさしくその通り、双方の二人の若者たちが愛し合うという話しは沢山聞いている、だから今若い時にこそこの曲を紹介して体験して欲しいと思ったのだ。」と語った。「若い人たちが、壁を越えて政治を超え、一つになる事こそが彼らの使命だ。」と強調した。

ペトレンコがどうしてもこれを今アップしたかったのは、まさしくこのメッセージである。同時にそれは、来る復活祭のテーマであるロシア音楽への強い声明でもあり、先にプーティン政権を批判したことに対してバランスを取る配慮もあるだろう。

先日の「ボリス」再演に於いてもロシア文化への配慮などを言及する次元での程度の悪いジャーナリズムも存在する事であり、啓蒙するのも文化芸術界の社会的使命であることを忘れてはいけない。

そのようなことから、何の役にも立たないウクライナ支持の声明などよりも、やることは幾らでもあることは平時と何ら変わらないのである。こういう時に平素には分からないその安物の面の皮が剥がれる。我々が凝視すべきところである。



参照:
世界の実相が描かれる 2022-03-06 | 文化一般
外国国歌を起立して歌う馬鹿 2022-03-15 | 文化一般
コメント
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