Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

将来を決するヤーマイ

2022-03-22 | 文化一般
春らしく、なぜか、ふらふらしている。それでも少しだけ落ち着いた。夏への移行期である。先ずはミュンヘンへの発注が終わって気が楽になった。それ以外は新シーズンのみを考えればよい。劇場通いも、ミュンヘンよりもシュトッツガルトへと力点が移っていきそうなのだが、後者の不安点はいい劇場のリフォームプランである。恐らく仮劇場になれば音楽劇場プロジェクトが過激化してくると思う。それに引き換えて、ミュンヘンの場合は保守的でありそれだけの責任があるので容易にはならないのは分かるのだが、まだまだこれという大成功が思い描けない。

その期待の一つに5月の「ヤーマイ」新音楽祭プロジェクトがある。先ずは、モンテヴェルディやヘンデルの曲が合わされる今最も評価の高い作曲家フリードリッヒハースの三部作がメインテーマである。

ここまで書けば延期になったクレンツィス指揮カステルッチ演出の「コーマ」よりもまたは「トーマス」よりもエンゲル指揮グート演出「ブルートハウス」が如何に世界的注目を集めるかは分かる筈だ。

現在シュトッツガルトで再演中の「ボリス」、昨年飛び入りの「ジュディッタ」等でのこの手の指揮ではエンゲル以上の人はおらず、今後とも音楽劇場の如いてはオペラ劇場の将来を担っている。

本当は二日続きで二演目に出かけようと思っていたのだが、既に一つは延期された。これがどれ程全体に影響するのかは分からない。三部作を全て体験するようなセット券は一般売りされておらず、それどころか同じ夜に二演目が同時に異なる劇場で演奏される日程にもなっている。要するに内容的な関連性よりも同時性の方が劇場効果として目されているという事だろう。

正直ドロニー支配人の芸術的な手腕に関してはまだ疑心暗鬼にあり、若干不安に思っている。しかし、本来はその五月にデビューする予定であったエンゲルの腕は最早疑問の余地がない。昔から知っていると逆にどうしてもその姿と重ねてしまうところもあって、客観的評価が難しかったのだが、合わせて都合五晩大劇場公演の指揮を聴いて適当な距離を置けるようになった。

「ボリス」で合唱も指導するティテュス・エンゲル:
Beruf: Chorsänger*in | BORIS | Staatsoper Stuttgart


その演目「ブルートハウス」は、モーツァルト自らが「イドメネオ」を初演したクーヴィリエ劇場で上演される。客席数は満席で510席しかないので予約販売される席は200席ぐらいしかないかもしれない。ミュンヘンの需要からすると否応なしに抽選になるのだが、兎に角当たるかどうか?倍率的にはペトレンコとカウフマンの客席で四分の一の供給数でそれに近くなるか、それともそれでも需要が四分の一以下ならば確率は下がる。

プログラムからすれば、特別枠を作っているユースを入れて大劇場の四分の一ぐらいの聴衆層には働きかけるだろうか。初日が当たらない場合に他の日も追加で発注しておいた。それによって観客動員力も分かるかもしれない。後の一般売りと含めて二枚ぐらい入手可能となれば自由に使えるようになるが、中々入手困難となればそれはそれで力が入る。



参照:
ミュンヘン新体制の船出 2021-06-11 | 文化一般
殆ど移民の為に酸素吸入 2021-03-08 | 歴史・時事
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