Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

独逸女、誠実、ワイン、歌

2006-07-03 | ワールドカップ06・10・14
フランスがブラジルを叩いた試合はサッカーの歴史に残るのだろう。恐らくジダンと言うアルジェリア人選手の偉大な伝説としても。この期間独第二放送のゲストととしてベルリンに駐在しているペレ氏の顔色がなかった。我々でもショックだったが、ブラジル関係者にとってはどれほどだったのか、これで推測できる。独カイザーの勝ち誇ったような顔が通常よりも遥かに大きく見えた。

奇しくも欧州対決になってEU内代替戦争の様相を呈してきた。ドイツから見れば、ザクセン家末梢の君主国も、同じくオランジ伯の君主国チーズ頭のオランダも消えて、先ずはイタリアと生き残りをかける。

仮にドイツとフランスが其々勝ち進む事になれば、永遠のライヴァル同士が戦う事になる。隣国との戦争ほど燃えるものはない。少なくとも政治的には蜜月の時代にある両国であるが、EADS社における紛争や日常における国民感情として最も腹の虫の治まらない相手に違いない。それは両国における双方の言語への学習意欲にも表れているようで、その関係に反してそれぞれの言語の学習者は極端に少ないと言えるだろう。

こうした関係にあるからこそ期待したい気持ちもあるが、フィーゴやジダンのベテラン同士の対決や南国同士のエキサイトなぶつかり合いも見たい気がする。同時に超一流のスターたちは同じ釜の飯を食べていることが多く、同僚が違う旗のもとで真剣勝負で戦う風景がここにきて多く見られるようになった。

ともかく、これで一挙にクライマックスへと気候ともども登りつめそうで凄いことになってきた。フランス人は、かの血生臭いラマルセイェーズを歌うと文字通り俄然血が騒ぐようだ。

Allons enfants de la Patrie,
Le jour de gloire est arrivé !
Contre nous de la tyrannie,
L'étendard sanglant est levé, (bis)
Entendez-vous dans les campagnes
Mugir ces féroces soldats ?
Ils viennent jusque dans vos bras
Égorger vos fils, vos compagnes !

Aux armes, citoyens,
Formez vos bataillons,
Marchons, marchons !
Qu'un sang impur
Abreuve nos sillons !

ボルドーのサンテミリオンのシャトーの奥さんが、「私はワインに関しては断然ペェイテリオトよ。」と言っていた事を思い出した。其処で再びドイツ国歌の未承認の第二節を読む。

Deutsche Frauen, deutsche Treue,
deutscher Wein und deutscher Sang
Sollen in der Welt behalten
Ihren alten schönen Klang,
Uns zu edler Tat begeistern
Unser ganzes Leben lang.
|: Deutsche Frauen, deutsche Treue,
deutscher Wein und deutscher Sang. :|


ドイツ女、ドイツの誠実、
ドイツワイン、ドイツの歌
この世に覚ゆるべきぞ
その古の妙なる響きの味を、
高貴な行いに駆り立てる
一生涯かくあるべきと。
ドイツ女、ドイツの誠実、
ドイツワイン、ドイツの歌


当時のコール首相とヴァイツゼッカー大統領は、なぜにこちらを選ばなかったのだろう?やはりこちらの方が良さそうな気がする今日この頃である。
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まだまだ序の口か

2006-07-02 | ワールドカップ06・10・14
ピンと張りつめた雰囲気で試合場に入るドイツチームと、バス中で皆が拳を上げて踊り捲くるアルゼンチンチームでは、精神的興奮度が全く違う。これだけを見ると真面目なドイツ人にはチャンスはなさそうだが、その興奮状態が試合終了までそれほど長く保つとは思わない。どのような運動能率曲線を描くのだろう。マラドーナが同伴者の関係で入場出来なかった。中国人がワールドカップ空気缶詰を6ダラーで売るとか。

幸運にもドイツはアルゼンチンに勝利して、頂上を目指すべく駒を進める。メルケル首相の言うようにまだまだ序の口か。PKの裁定はつまらないが、クリンツマンにとっては最も可能性のある勝利方であったろう。アルゼンチンは試合後に、シュヴァインシュタイガーを殴るぐらいなら、試合中にかたをつけるべきであった。ドイツチームのコンディション作りは大したものである。滞在型の宿舎は最高の環境らしく、誰もが一日でも長くいたいと言うのも秘訣だろう。

蛇足かもしれないが昨日の記事の注として、ドイツ連邦共和国の国歌の法的に認められている三節の歌詞を書留める。

"Einigkeit und Recht und Freiheit
Für das deutsche Vaterland!
Danach lasst uns alle streben,
Brüderlich mit Herz und Hand!
Einigkeit und Recht und Freiheit
Sind des Glückes Unterpfand:
Blüh im Glanze dieses Glückes,
Blühe, deutsches Vaterland!"

団結・権利・自由
祖国ドイツのために!
それを求めて願わん、
心と手を共に携えて!
団結・権利・自由
それは幸福の質種なのだ:
この幸福の輝きに栄えろ、
栄えよ、我が祖国ドイツ!
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歓喜の歌 終楽章

2006-07-01 | ワールドカップ06・10・14
いよいよである。ドイツ代表チームにとっては正念場。ここでアルゼンチンを破れば、優勝するのではないかと思う。一昨日イタリア料理のオヤジと店仕舞いまで、外に腰掛けてサッカー談義をした。ドイツ人の奥さんであるが、どうも昨今の盛り上がりには否定的であった。なるほど執拗に「どちらでも良い、関係ない」とは口では言いながら、イタリアは戦線に未だにいるのをそれとはなしに語っている。

パトリオティズムへの見解は、「父なる祖国とトトカルチョ」と「吉兆とヨハニの乱痴気」の記事へのコメントとして二度ほど疑問が示された。しかしそれもここまでかもしれない。クリンツマン監督は、戦前からベスト十六での敗退は大スキャンダルと語っていたが、少なくとも役目は果たした。これからは、加点要素である。

概ね、既に述べたように今回のドイツ連邦共和国の盛り上がりは、その天候のように尋常ではない。どう尋常ではないかと言えば、1990年の優勝当事とは明らかに違う解放的な熱狂があるからだ。少なくともドイツのシャンペンのように弾ける。更にこれを否定的に考える人は少ない。言うなれば、上手く力の抜けたパトリオティズムなのである。ここには、グスタフ・マーラーの引きつった音楽や表現主義的な痙攣も、リヒャルト・ヴァーグナーの誇大妄想やロマン主義的な陶酔も無い。言うなれば、ベートーヴェンの第九のドンちゃん騒ぎに近いかもしれない。これは、当然ながら大変興味ある事象で、今後とも分析されて語り継がれると予想する。

内政では東独合弁を課題を残しながらも何とかなし遂げ、外交ではコソヴォ紛争への決断とイラク戦争への批判を合わせた独自の見解と世界に開かれた社会を示し、この間政治不正は顕著となったもののEUの機構の中へと止揚出来る自治と体制を整えた、ドイツ連邦共和国の確信と自負に相当する自尊心が表出している。

だから深い悔恨は何処へ行ったのか、ただのサマーパーティーなのか、ナショナリズムの沸騰なのか、それとも痙攣したパトリオティズムか、解放されたパトリオティズムなのかと自問自答される。FAZ新聞が五択のパトリオティズム心理テストを提供している。

質問一、国歌が放送で流れたら何をしますか?起立して三番まで歌う、音を消す、ビールを取りに行く、卑猥なしぐさをブラウン管に向ける、「質種*」の歌詞を喜ぶ。

質問二、オランダとはあなたにとって?永遠の悪魔、交通渋滞、麻薬の薬事法、サッカーの見本、コメディアンで馴染み。

質問三、ワールドカップで優勝するべきは?ベストチーム、美しいサッカーのチーム、何でも良いからドイツ、特にアフリカの伏兵に期待、早く終われ。

質問四、国旗は?黒・赤・欲望、ファッションとして合わせにくい、最近のアウトバーンの渋滞の印、問題多く第四帝国を考えてしまう、ワッカを付けて良し。

質問五、目下、国旗をどうしてます?バルコンに下げている、白いハトのパッチワークを付けた、バルコンには乾いたジェラニアンを設置、参加もしていない国際旗を下げた、家を三色に塗った。

質問六、ドイツ的心情を示しているか?髪を三色染めに、1954年のトリコロールを皮肉に着る、1990年のトリコロールと汚いジョギングパンツ、くたばれドイツのTシャツを着る、なにもしないで試合中に芝生を歩きたいと思う。

質問七、現在の心情告白?黒・赤・欲望、まだ多産、夏のリラックス、入会前、移住したい。

質問八、最も感動する軍事的成功?1974年のドイツチームの防御、皆と同じく私は民間人、アフガニスタンの国防軍にも中継されている事、トイトブルガーでの勝利、先の大戦での連合軍の勝利。

質問九、アイルランドのパブで民謡を請われたら?1945年以後は歌わないことを説明、スェーデン人と偽りそれを披露、考えた挙句マダカスカルを歌い続かず失敗、シューベルトアーベントとする、たまたまの出身のケルンの歌を歌う。

質問十、ニューヨークで得体の知れぬネオナチ運転手に乗り合わせて?直ぐに下りる、勝手に喋らせチップを渡さない、非常に良いと思う、グリーンカードを提示させる、お説教をする。

質問十一、アルゼンチンに負けたら?タンゴCDを打ち砕く、大きなステーキを平らげる、牛をいじめる、オランダに負けたよりましと慰める、アルゼンチンとの戦後の繋がりを感謝する。

質問十二、敗退が決まったら?そんなはずが無い、英国路線へ替える、ヴァルハラで敵旗を焼く、自棄酒を飲み環境を汚さない、平面TV を早速ネットオークション。

質問十三、優勝したら(恐らく2014年)?BMW3でベルリンを箱乗り、ミュンヘンでアウディQ7から爆竹を投げまわす、チャットにいる、負けチームのファンサイトでソーセージを振舞う、自棄酒を飲んで少なくとも環境を汚さない。


診断:
10点まで、自虐的態度は大変ドイツ的。アンチファシズムやアンチミリタリズムは賞賛に値するが、大体60年遅すぎる。テロ国家に生きているのではなくて、連邦共和国の外交はほとんど僅かばかりにしか強圧的帝国主義でないことを思い起こせ。

30点まで、総じて大分リラックスムード。リヒテンシュタインやモンゴルやトバコの市民と同じような感じである。優勝などどちらでも良い。世界に開かれている反面だらしの無い熱意の無いリベラリスト。

39点まで、あなたはドイツ。

59点まで、時々非民族的解放感をトレーニングする事を勧めます。極東の瞑想やラテンアメリカの舞踊、そして何よりも外国語講座が良い。ビルド新聞の講義を暫らく止めるのが良い。

109点まで、どうもあなたの右脳は不法地帯のno-go-areaに犯されている。治療法があるのかどうか疑われる。遵法精神を持て。


さて涼しいうちにシャンペンでも調達して冷やしておこう。

多幸症を伝える写真集

ライヴカム・ベルリン

アレクサンダー広場など5箇所
ドーム周辺
ブランデンブルク門から
ポツダム広場
ポツダム広場道路
クーダム
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