アンサンブル・バレエ クラスのリナが『百人一首』の暗誦に取り組んでいる。
きっかけは『ちはやふる』という漫画だそうで、現在はTVアニメにもなっている。
リナが話してくれたその荒筋からちょいと興味を引かれたものだから、彼女からコミックスを借りて読んでいる。
まだ3巻までだけど(…毎週3巻ずつ持ってきてくれることになっている…)、ハマりそうである。
それぞれの登場人物にとって“競技かるた”との関わりやその意味するところは違うんだけど、今のところの主要登場人物のひとりである大江奏=かなちゃんがメンバーになるまでのエピソードにちょっと刺激を受けてしまった。
かなちゃんは、王朝文化好きの古典オタク。
彼女にとって『百人一首』とは詠み、意味を味わい、感じ、思い描いて楽しむ…、ものであって戦うものではなかったのね。
その彼女が主人公の千早ちゃんに
ちはやふる神代もきかず龍田川から紅に水くくるとは
の現代語訳、単純解釈、裏に秘められた意味、歴史的背景などについて滔々と解説するシーンがある。
そのときの私の感想は、千早ちゃんとほとんど同じだったんだ…
何も知らなかった…
い、いや…知ろうとしなかった、と言った方が正しいかな…
現代仮名遣いに読みやすく書き下したものではあるが多少なりとも『万葉集』も読んだ。『枕草紙』も読んだ。『伊勢物語』も読んだ。『源氏物語』も読んだ。『徒然草』も読んだ。『百人一首』は当然のことである。
だがしかし! なのである。
読んだ。確かに読んだ。それは事実だ。
でもそれは、その折々の試験で好成績を取るために必要な分だけを暗記したに過ぎなかったんだ…
試験で良い結果が得られさえすれば用はなくなる、そんな知識のための知識でしかなかったんだ…
かなちゃんのように“楽しむ”さらには“空想の世界に遊ぶ”ということをしていない“文字の羅列”に過ぎないものは血肉がなく、私という人間にとっての血肉になってないんだ…
そんなことに今更ながら気づいてしまった…
それでも“脳みそ”というのはありがたいもので、押し込んだものはどこかに留めておいてくれているらしい。
リナが『百人一首』に取り組みはじめたのが私にとってもいい機会だから、と少しずつ手引書など読み進めているけれど、いろいろなことをポツポツと思い出す。
「…ん…?右大将道綱母…?この人……っと……っとぉ…ナントカ日記を書いたよな……なんだっけ…………あ、あれだ…」
「…んぁ…?日記はあとアレとソレとコレがあったけどぉ…作者は……んん…?…ん゛~~っ……あ、そうだ……」
という具合にちょいと進行方向がズレることも度々。
それらの古典に手を伸ばすことはないかもしれないが、もしも機会があるなら、そのときは楽しむことと味わうことを最優先にしたいと思う。
『百人一首』も、今度はいつまでにという期限もなければ試験もない。ゆっくり楽しみながら、想像を逞しくしながら憶えていきたいと思っている。
こんな素敵なきっかけを作ってくれたリナに感謝している
きっかけは『ちはやふる』という漫画だそうで、現在はTVアニメにもなっている。
リナが話してくれたその荒筋からちょいと興味を引かれたものだから、彼女からコミックスを借りて読んでいる。
まだ3巻までだけど(…毎週3巻ずつ持ってきてくれることになっている…)、ハマりそうである。
それぞれの登場人物にとって“競技かるた”との関わりやその意味するところは違うんだけど、今のところの主要登場人物のひとりである大江奏=かなちゃんがメンバーになるまでのエピソードにちょっと刺激を受けてしまった。
かなちゃんは、王朝文化好きの古典オタク。
彼女にとって『百人一首』とは詠み、意味を味わい、感じ、思い描いて楽しむ…、ものであって戦うものではなかったのね。
その彼女が主人公の千早ちゃんに
ちはやふる神代もきかず龍田川から紅に水くくるとは
の現代語訳、単純解釈、裏に秘められた意味、歴史的背景などについて滔々と解説するシーンがある。
そのときの私の感想は、千早ちゃんとほとんど同じだったんだ…
何も知らなかった…
い、いや…知ろうとしなかった、と言った方が正しいかな…
現代仮名遣いに読みやすく書き下したものではあるが多少なりとも『万葉集』も読んだ。『枕草紙』も読んだ。『伊勢物語』も読んだ。『源氏物語』も読んだ。『徒然草』も読んだ。『百人一首』は当然のことである。
だがしかし! なのである。
読んだ。確かに読んだ。それは事実だ。
でもそれは、その折々の試験で好成績を取るために必要な分だけを暗記したに過ぎなかったんだ…
試験で良い結果が得られさえすれば用はなくなる、そんな知識のための知識でしかなかったんだ…
かなちゃんのように“楽しむ”さらには“空想の世界に遊ぶ”ということをしていない“文字の羅列”に過ぎないものは血肉がなく、私という人間にとっての血肉になってないんだ…
そんなことに今更ながら気づいてしまった…
それでも“脳みそ”というのはありがたいもので、押し込んだものはどこかに留めておいてくれているらしい。
リナが『百人一首』に取り組みはじめたのが私にとってもいい機会だから、と少しずつ手引書など読み進めているけれど、いろいろなことをポツポツと思い出す。
「…ん…?右大将道綱母…?この人……っと……っとぉ…ナントカ日記を書いたよな……なんだっけ…………あ、あれだ…」
「…んぁ…?日記はあとアレとソレとコレがあったけどぉ…作者は……んん…?…ん゛~~っ……あ、そうだ……」
という具合にちょいと進行方向がズレることも度々。
それらの古典に手を伸ばすことはないかもしれないが、もしも機会があるなら、そのときは楽しむことと味わうことを最優先にしたいと思う。
『百人一首』も、今度はいつまでにという期限もなければ試験もない。ゆっくり楽しみながら、想像を逞しくしながら憶えていきたいと思っている。
こんな素敵なきっかけを作ってくれたリナに感謝している