■ なぜこの時期に・・・ ■
北朝鮮が又やってくれました。新聞やTVはしばらくこの話題で持ちきりでしょう。
しかし「なぜこの時期に?」という疑問にまともに答えるメディアはありませんね。
① 金・ジョンウン体制に移行する為に軍部に対するアピール
② アメリカを交渉の場に引き出す為のアピール
③ 一部軍部の独走
だいたい、このような理由が語られています。
■ 金融市場を注視すべき ■
欧州もアメリカも、今回の砲撃事件で株価と債権価格が下げています。
又、有事のドル買いで、ドルが値を上げています。
長期金利上昇とファンドの決算でドル高に振れていましたが、北朝鮮の砲撃事件でドル高基調はもうしばらく延期されるでしょう。
日本株は当然下げますから、有り余るドル資金が日本株を買うには絶好の好機です。
韓国哨戒艇「天安」の沈没事件の時もそうでしたが、危機感は1ヶ月程しか持続しません。年末にかけてドル安の撒き戻しが訪れた時、日本株や欧州株を売却して大儲けする手合いが現れるのでしょう。
■ 便利な北朝鮮 ■
北朝鮮はアメリカや金融資本家達にとって、大変便利な存在です。
「ならずもの国家」なので、何をやらかしても誰も不思議に思いません。
今回は韓国軍の定期的な訓練に過剰反応したという事にしておけば、双方理由が立ちます。
北朝鮮を利用すれば、中国や日本にイヤガラセをする事も、金融市場を混乱させて荒稼ぎする事も容易です。
■ ソウルの軍事的脆弱性 ■
今回の事件で韓国国民の世論は一時的に北朝鮮に対して硬化します。しかし哨戒艇沈没事件の時と同様、韓国国民は戦争を望みませんから、マスコミに現れる世論以外は実際には冷静に状況を見つめている事でしょう。
ソウルは北朝鮮国境に近く、北朝鮮がダムを決壊させるだけで甚大な被害を被ります。10万の地上部隊が38度線を越えて南下すれば、ソウルを占拠する事は容易だと言われています。非武装地帯から40Kmしか離れていないソウルは、長距離砲の射程内とも言われています。
韓国の歴代政権は余程のお人好しか、あるいは北朝鮮の南進はあり得ないと確信しているのか、首都の軍事的脆弱性を改善する事はありませんでした。(遷都の計画はある様ですが実現していません)
韓国国民は「軍事的脆弱性」と「徴兵」という自分達の生命を人質に取られたままで、北朝鮮という「ならずもの国家」と向き合わされています。
極論すれば、韓国から北朝鮮に本格的な攻撃は仕掛けられない歯止めが掛けられているのです。
「ならずもの国家」とアメリカは、それを良い事に、都合の良い時にいつでも「おいた」をする事が出来ます。・・・なんと都合の良くできている事でしょうか・・・。