
■ 金融緩和予測で期待インフレ率が下がるってどうよ ■
10年債の金利は、経済の将来展望で推移します。
黒田氏、岩田氏が国会で、威勢の良い所信表明をした途端・・・
長期金利が下がっちゃったよ・・・。
本来なら、景気回復を予測して国債金利が上昇する局面なのに・・・。
金融機関は、日銀が年限5年までの国債を買い入れる事を好感して、
国債を買っている様です。
■ 日銀の買いオペが未達 ■
さらには、日銀の買いオペの入札も未達が続いています。
当然です。
現在、銀行が手元に持っている国債の金利に対して、
現在発行されている国債の金利が圧倒的に低いのですから、
誰も手元の国債を売ろうとはしません。
アベノミクスは期待先行で、実績は未だ表れていません。
というか、アベノミクスは未だ口先だけで、
実際の政策は、補正予算が成立したくらいのものです。
ですから、金融機関は実体経済の回復が確実になるまでは
企業への貸し出しは増やさずに、国債中心の運用を継続しています。
■ 国債を借り替えようにも金利が確保出来ない ■
さらに、償還期限を迎えている5年債の金利を確保しようとすると、
6倍くらいの新発国債を買う必要があり、
金融機関が国債を買います動機になっています。
金融機関が国債を買えば買う程、国債の金利が低下するので、
とうとう、10年長期国債の金利が0.6%にまで低下してしまいました。
「人力、お前は国債が暴落すると言っていたじゃないか」とお怒りの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、現在の国債金利の低下は、非常に不健全なもので、
日本の金融機関が、経済の先行きを全く楽観していな事の表れです。
■ 個人向け2年国債は、マイナス金利になるので発売中止 ■
そんな中、とうとう2年ものの個人向け国債は、
税金を引くとマイナス金利になる事から発売が中止されています。
もう、どんだけ日本人は国債が好きなんだよ!!って感じです。
■ 日本国債売りに賭ける海外のヘッジは涙目なのか? ■
そんな中、昨年頃から日本国債の保有を高めていた海外のヘッジファンドは涙目なのでしょうか?
彼らがどういうポジションを取っているか不明ですが、
国債を売りかけて、慌てて買い戻しているファンドもあるでしょう。
それらの動きも、金利低下の原因になっているのかも知れません。
■ 2003年に状況に似てきた ■
10年債の金利が。0.5%に迫るにつれて、
債券ディーラー達の頭には、ある出来事が浮んでいるはずです。
それは2003年にも、同様に10年債の金利が0.5%を切った事があったのです。
この時、あまりに国債金利が低下した為に、国内の金融機関に逆ザヤが生じ、
国内の銀行などが一斉に、日本国債を売り、金利が急騰(国債が暴落)しました。
海外のファンドも、国内の銀行関係者もこの事件が脳裏に浮かんでいるはずです。
■ ヘッジファンドが仕掛けるか? ■
ヘッジファンドはこういう特殊な状況を見逃しません。
どこかで、金利が底を打って上昇するタイミングで
日本国債を売り浴びせてくるかもしれません。
■ 国内の金融機関は動揺しないだろう ■
しかし、前例のある事ですから、日銀も国内の金融機関も落ち着いて対処するハズです。
間違っても、ヘッジファンドに同調して、日本国債を一斉に手放すとは考えられません。
過度にリスクを嫌う日本の金融機関は、たとえ日本国債の金利が上昇に転じても、
国債中心の運用を、急に止めることはしないでしょう。
むしろ、国債を買い支えて、海外のファンドを撃退するかも知れません。
■ 既に世界は異常な状況である事を認識すべき ■
アメリカは財政の崖問題が解決せずに、3月末には強制的な債務削減に突入します。
2011年8月の前例がありますから、市場は既にリスクを織り込み済みでしょうが、
もし、そのまま財政の強制圧縮が始まれば、アメリカ経済に動揺が広がります。
特に生活保障など社会保障のサービス遂行に支障が出れば、
貧困層を中心に、不満が高まるものと思われます。
連邦政府から州政府への交付金が減る様な事態になれば、
ゴミ収集や、消防、警察などの市民サービスが低下するかも知れません。
アメリカ国民も「慣れっこ」になっているとはいえ、
アメリカの実体経済にも多くの悪影響が出るはずです。
EUの状況をイタリアを中心に流動的です。
■ 日本国債の金利低下を単純には喜べない ■
アベノミクスやQE3でアメリカでも日本でも株価が上昇していますが、
それを単純にリスクオンと喜んでいられる状況では無いようです。
様々な市場が予測不能の動きを見せるなど、
何か、ピリピリした空気が漂っています。
アメリカの2月の小売業の業績や、失業率のデータ如何によっては、
一気のリスクオフのムードが高まるかも知れません。
■ 色々仕込みが発動していないので、最終章はまだまだ先の話か? ■
世界は様々な危機が積み上がっていますが、
仕込みだけで、まだまだ発動していません。
それを考えると、最終章は大分先の話になるでしょう。
それまでは、楽しく、ブログでも書いています。