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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

こういう時はヤバイのよ・・・長期金利が0.5%を切りそう

2013-03-06 13:13:00 | 時事/金融危機
 



■ 金融緩和予測で期待インフレ率が下がるってどうよ ■

10年債の金利は、経済の将来展望で推移します。

黒田氏、岩田氏が国会で、威勢の良い所信表明をした途端・・・
長期金利が下がっちゃったよ・・・。
本来なら、景気回復を予測して国債金利が上昇する局面なのに・・・。

金融機関は、日銀が年限5年までの国債を買い入れる事を好感して、
国債を買っている様です。

■ 日銀の買いオペが未達 ■

さらには、日銀の買いオペの入札も未達が続いています。

当然です。
現在、銀行が手元に持っている国債の金利に対して、
現在発行されている国債の金利が圧倒的に低いのですから、
誰も手元の国債を売ろうとはしません。

アベノミクスは期待先行で、実績は未だ表れていません。
というか、アベノミクスは未だ口先だけで、
実際の政策は、補正予算が成立したくらいのものです。

ですから、金融機関は実体経済の回復が確実になるまでは
企業への貸し出しは増やさずに、国債中心の運用を継続しています。

■ 国債を借り替えようにも金利が確保出来ない ■

さらに、償還期限を迎えている5年債の金利を確保しようとすると、
6倍くらいの新発国債を買う必要があり、
金融機関が国債を買います動機になっています。

金融機関が国債を買えば買う程、国債の金利が低下するので、
とうとう、10年長期国債の金利が0.6%にまで低下してしまいました。

「人力、お前は国債が暴落すると言っていたじゃないか」とお怒りの方もいらっしゃるでしょう。

しかし、現在の国債金利の低下は、非常に不健全なもので、
日本の金融機関が、経済の先行きを全く楽観していな事の表れです。

■ 個人向け2年国債は、マイナス金利になるので発売中止 ■

そんな中、とうとう2年ものの個人向け国債は、
税金を引くとマイナス金利になる事から発売が中止されています。

もう、どんだけ日本人は国債が好きなんだよ!!って感じです。

■ 日本国債売りに賭ける海外のヘッジは涙目なのか? ■

そんな中、昨年頃から日本国債の保有を高めていた海外のヘッジファンドは涙目なのでしょうか?

彼らがどういうポジションを取っているか不明ですが、
国債を売りかけて、慌てて買い戻しているファンドもあるでしょう。
それらの動きも、金利低下の原因になっているのかも知れません。

■ 2003年に状況に似てきた ■

10年債の金利が。0.5%に迫るにつれて、
債券ディーラー達の頭には、ある出来事が浮んでいるはずです。

それは2003年にも、同様に10年債の金利が0.5%を切った事があったのです。
この時、あまりに国債金利が低下した為に、国内の金融機関に逆ザヤが生じ、
国内の銀行などが一斉に、日本国債を売り、金利が急騰(国債が暴落)しました。

海外のファンドも、国内の銀行関係者もこの事件が脳裏に浮かんでいるはずです。

■ ヘッジファンドが仕掛けるか? ■

ヘッジファンドはこういう特殊な状況を見逃しません。
どこかで、金利が底を打って上昇するタイミングで
日本国債を売り浴びせてくるかもしれません。

■ 国内の金融機関は動揺しないだろう ■

しかし、前例のある事ですから、日銀も国内の金融機関も落ち着いて対処するハズです。
間違っても、ヘッジファンドに同調して、日本国債を一斉に手放すとは考えられません。

過度にリスクを嫌う日本の金融機関は、たとえ日本国債の金利が上昇に転じても、
国債中心の運用を、急に止めることはしないでしょう。
むしろ、国債を買い支えて、海外のファンドを撃退するかも知れません。

■ 既に世界は異常な状況である事を認識すべき ■

アメリカは財政の崖問題が解決せずに、3月末には強制的な債務削減に突入します。
2011年8月の前例がありますから、市場は既にリスクを織り込み済みでしょうが、
もし、そのまま財政の強制圧縮が始まれば、アメリカ経済に動揺が広がります。

特に生活保障など社会保障のサービス遂行に支障が出れば、
貧困層を中心に、不満が高まるものと思われます。

連邦政府から州政府への交付金が減る様な事態になれば、
ゴミ収集や、消防、警察などの市民サービスが低下するかも知れません。

アメリカ国民も「慣れっこ」になっているとはいえ、
アメリカの実体経済にも多くの悪影響が出るはずです。

EUの状況をイタリアを中心に流動的です。

■ 日本国債の金利低下を単純には喜べない ■

アベノミクスやQE3でアメリカでも日本でも株価が上昇していますが、
それを単純にリスクオンと喜んでいられる状況では無いようです。

様々な市場が予測不能の動きを見せるなど、
何か、ピリピリした空気が漂っています。

アメリカの2月の小売業の業績や、失業率のデータ如何によっては、
一気のリスクオフのムードが高まるかも知れません。

■ 色々仕込みが発動していないので、最終章はまだまだ先の話か? ■

世界は様々な危機が積み上がっていますが、
仕込みだけで、まだまだ発動していません。

それを考えると、最終章は大分先の話になるでしょう。

それまでは、楽しく、ブログでも書いています。

アメリカの金利が上昇するのでは?・・・出口を模索するFRB

2013-03-06 05:05:00 | 時事/金融危機
 

■ 世界(アメリカ)が日本の金融緩和を望んでいるのでは? ■

昨年11月以来、円安が進行していました。
起爆剤になったのは、ヘッジ勢の円売りと言われています。

日銀は昨年の追加緩和で外国の金融機関や
海外のファンドへの資金供給を再開しています。

「ヘッジファンド向け融資もOK、円押し下げ狙う-日銀が20日に新制度」(Bloomberg 2012.12.13)

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEW5KE6KLVTC01.html

<引用開始>

12月13日(ブルームバーグ):日本銀行は近く詳細を発表する新たな貸出支援制度について、外国金融機関の日本法人・支店を対象に加えるほか、貸出増加額を算出する融資先として、ヘッジファンドを含む国内外のノンバンクも加える。国内での貸出増加だけでなく、円で資金調達して外貨に転換する円キャリー取引や、対外M&A(企業の合併・買収)の増加を狙う。関係者への取材で明らかになった。

<以下省略  引用終わり>


ジョージ・ソロスらのファンドは資金で円を売り、円安を仕掛け、
同時にドルベースで値下がりした日本株を買い上げたのでしょう。

アベノミクスのスタートダッシュが成功した背景には、
日銀の仕込みがあったのではないかと私は邪推しています。

■ 為替市場は巨大なので、単純ば売買では動かない ■

そうは言っても、為替市場は巨大なので、
ファンドの円売りだけでこれっだけの円安を仕掛けるのには無理があります。

1) ファンド勢の円売り
2) 自民党政権の成立
3) 白川総裁の任期切れ
4) 日本の貿易赤字の常態化

これらの要因が合わさった結果、市場に円安の雰囲気が醸成され、
昨年11月の円安に繋がったのでしょう。

■ 円安が容認された事が最大の理由 ■

しかし、円安の最大の原因は、アメリカが自民党の露骨な円安誘導を見逃した事でしょう。

政権奪還前後、安倍首相をはじめ自民党の議員や閣僚は、
露骨な円安誘導発言を繰り返していました。
普通なら、アメリカの輸出に影響のある円安/ドル高をアメリカは見逃しません。
しかし、アメリカは日本の円安誘導を見逃しています。

G7,G20でも、やんわりとした表現で為替誘導にクギを刺していますが、
それでも名指しで日本が避難される事はありませんでした。

これらは市場には、円安が承認されていると映るはずです。
だから、安心して円売りによって利益を挙げられる状況がしばらく続きました。

■ 全ては日銀の緩和拡大の為? ■

アベノミクスのスタートダッシュに見事に決まったので、
自民党政権は勢いを得て、次期日銀総裁と副総裁にリフレ論者を据えるでしょう。
・・・世間には、こう見えます。

しかし、日銀の緩和拡大こそが目的であるならば、
それは規定事実であり、昨年11月以来、日銀の緩和拡大が仕込まれていたとも言えます。

■ 日銀の緩和マネーを必要とする事態とは? ■

では、日銀の緩和拡大が必要の理由とは何でしょうか?
これは、多分、国内の事情では無く、アメリカの事情が強く働いているハズです。

アメリカが円を必要とする理由・・・
それは、アメリカの量的緩和の終了が近づいているのでは無いでしょうか?

アメリカは景気に薄日が差していると言われています。
確かに住宅市場は回復を見せている様です。
(単に、新築在庫が薄く、相場が上昇し易くなっているだけですが)

最近の連銀の会合では、ハト派からQE3の終了が提言されています。
量的緩和は、流動性の罠が存在する限り景気回復に繋がらない事が
そろそろアメリカでは明確に認識される頃でしょう。

逆に溢れ返るドルが、住宅市場に流入し、
プチバブルを生み出しつつあります。

FRBはこのままバブルを見逃すべきか、
それとも量的緩和の終了を匂わせて、バブルを抑制すべきか迷う局面です。

日銀はかつて、この判断を誤って、不景気を悪化させました。
ですから、FRBはQE3の終了には慎重にならざるを得ません。

そこで、円キャリートレードを利用するのではないでしょうか?

■ 米国の金利に注目 ■

アメリカの悩みはもう一つあるはずです。
それは、米国債の需給バランスです。

現在、シーリング問題で米国債の発行にブレーキが掛かっていますが、
これが解除された時に、はたして米国債を世界が安全と見なすかどうか不安です。
当然、米国債の金利が上昇するケースも考えられます。

米国債の金利が上昇すれば、アメリカ国内の金利も上昇し、
経済の回復に水を差す恐れがあります。

そこで、低利の資金の供給源として円への期待が高まるでしょう。
アベノミクスという名目で、日銀が大規模な量的緩和を実施し、
外資にジャンジャンと資金提供すれば、当然、円キャリートレードが復活します。

アメリカは低利の資金が手に入り、
日本(輸出企業)は円安というメリットが得られます。

■ 米国債好きな日本人 ■

日銀の大規模緩和は2%のインフレ目標達成まで継続されます。
しかし、その達成は容易では無く、
来年4月の消費税引き上げでさらに景気は冷え込む可能性が高い。

日銀の緩和マネーは国内の設備投資には向かわずに、
投資資金として、日本株や、不動産市場に流入すると同時に、
金利差を求めて、米国債にも投資されます。

特に、日本人は米国債が大好きです。
銀行も、生保各社も、個人の年金ファンドも米国債に投資されます。

これで、中国が米国債を買い控える分を補うのではないでしょうか?

■ 注目は日米の金利差が拡大するかどうか ■

円キャリートレードの復活にしても、米国債購入にしても
日米の金利差が無ければ成り立ちません。

日本はしばらく、金利が上昇する程景気は回復しませんし、
日銀の緩和マネーの多くは、日本国債購入に充てられ、金利を抑制します。

ですから、今後注目されるのは米国債金利の上昇でしょう。


まあ、いつもながらの思いつきでしかありませんが、
アベノミクスの正体は、日銀の緩和マネーによる米国支援・・・・
まあ、こう考えると、意外とスジが通るのでは?