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道州制について勉強する・・・自公の議員立法で提出されるらしい

2013-03-24 04:08:00 | 時事/金融危機





http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/55/index.htmlより


■ 道州制が自公の議員立法で提出されるらしい ■

第一次安倍政権でも提出された「道州制」
どうやら、今回も自民党と公明党が議員立法で国会に提出する準備が進んでいます。

自民党の一部は、元々「道州制」に積極的な政党です。
ですから、今回の議員立法提出は当然予想される事でした。

自民党と公明党、そして道州制に積極的な維新の会が賛成すれば
これらの政党が衆議院で2/3以上の議席を占める状況では、
道州制法案が成立する可能性が高いと思われます。

参議院で否決された法案でも、
再び衆議院で採決して出席議員の2/3以上の賛成があれば法案は成立します。


http://chie.yakudachidata.com/cpdata/cpi/isyakai/%E7%A4%BE%E4%BC%9A/%E8%A1%86%E8%AD%B0%E9%99%A2%E3%83%BB%E5%8F%82%E8%AD%B0%E9%99%A2%E3%80%80%E8%AD%B0%E5%93%A1%E6%95%B0%E3%81%AE%E5%85%9A%E5%88%A5%E5%89%B2%E5%90%88/

法律案の議決
衆議院可決後に参議院で否決され返付された(又は修正議決され回付された法律案への同意を否決した場合の)衆議院議決案を衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再可決すれば法律となる。衆議院可決案の受領後60日以内(※)に参議院が議決しない場合、衆議院は参議院が法案を否決したとみなすことができる(憲法第59条)。


■ 道州制とはそもそも何なのか? ■

自民党は「アベノミクス」による追い風と、
衆議院の優越権を武器に、今まで通らなかった法案を一気に通す勢いです。

要は、今回提出される道州制法案は、自公が党議拘束を掛け、
維新の会が賛成に回れば、極めて成立する可能性が高いと言えます。

ですから、国民が巷でチマチマ反対しても、
日本において道州制がスタートする可能性は極めて高くなりました。

では、道州制とはいったい何なのでしょう?

依然から道州制の導入に積極的な大前健一氏の以前の記事が
道州制について詳しいので参照します。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/55/index.html

1) 道州制とは日本を10個程度の行政区分に分ける制度
2) 財源を国から道州に大幅に移譲する
3) 行政権においても道州の独立性を高める
4) 中央政府(国)は、外交や防衛などを専ら担う

道州制の究極目標はアメリカ型のシステムだと思われます。
韓国は既に道州制が実施されており、8つの道に区分されています。
韓国は大統領制も実施されているので、
日本よりもよりアメリカに近い政治行政形体です。

■ 道州制のメリットとは? ■

日本は明治以来、強い中央集権制度によって発展してきました。
国の地方への統括力は極めて高く、
道州制は、この中央集権を弱める働きをします。

では道州制のメリットとは何なのでしょう。

1) 国全体の利害の調整をしなくて良いので、意思決定がスムーズ
2) 県という行政区分を廃止すれば、行政コストが低減する
3) 河川整備などの広域事業の調整が容易

4) 道州毎に独自の政策が実施できれば、地方行政の自由度が高まる
5) 中央の規制を受けずに執行できる予算が増える

■ 道州制のデメリットとは? ■

道州制は以前も国会に提出されていますが、成立せいていません。
それは、道州制に反対する議員が多いからです。
では、道州制のデメリットな何があるのでしょうか?

1) 地方において州都だけが発展し、過疎化が加速する地域が増える
2) 道州間における格差が広がり、EUにおけるギリシャの様な州が現れる
3) 税の再配分のシステムに不備があると、道州間の格差が広がる
4) 道州の行政府のレベルは国に比べて劣る

5) 道州議会で外国人参政権が認められる可能性が高い

1)~4)は一般的に心配される事です。

5)は特殊ですが、例えば人口減少の著しい州が、
外国人の受け入れで活性化を図るケースなどが考えられます。
これをデメリットとするか、メリットとするかは微妙ですが、
これを反対の理由に挙げる人も意外に多い事も事実です。

■ 道州制導入へのステップ ■

中央官庁、特に総務省や国土交通省は既得権を手放したく無いので、
道州制の過度の進展にブレーキを掛けるはずです。

さらに既存の都道府県の知事や職員も、あるいは議員も
自分達の職が危ぶまれますので、道州制に反対の立場です。

ですから、法案の中身を見ないと何とも言えないのですが、
道州制の導入には、いくつかのステップを踏むはずです。

1) 都道府県を10個程度のグループにまとめて広域事業の調整を行なう上位機関として
   道州政府を位置づける

これが初期の道州制になると思われます。
国からの権限委譲も、道州の行政機関を国の出先機関的に扱えば、
中央官庁の抵抗も少なくて済みます。

但し、これは明らかな二重、あるいは三重行政で、
行政の効率化と地方自治の拡大という道州制の趣旨に逆行します

2) 道州政府の権限を強化し、都道府県の知事や議会を廃止し、州知事、州議会に一本化

第二段階は政治の統合から始めるのでは無いでしょうか。
行政機関を統合しても、政治が横槍を入れるのでは機能しません。
先ず、都道府県議会を廃止し、立法府を整理する事から始めるのでは無いでしょうか。
同時に、都道府県知事が廃止され、州知事に一本化します。

3) 都道府県庁を廃止して、郡や市町村を州の下に付ける

政治統合の次は、行政の統合が進むのでは無いでしょうか。
道州制の目的は、行政の効率化ですから、
都道府県庁は廃止、あるいは州政府の出先機関として縮小されます。

4) 国から道州に大幅に権限を移譲する

道州の行政、政治機構が確立した後、国から徴税権や行政権の大幅な移譲が行なわれます。
これによって、中央政府の紐付きから、道州政府は本当の意味で独立性を獲得します。

■ 道州政府のレベルによってはデメリットが目立つ ■

道州制の良し悪しは一概には判断出来ません。

将来的に少子高齢化で成長力が低下する日本では、
東京などの国際競争力を維持する為には、
成長力が低い地方を切り捨てる必要があります。
維新の会などは、露骨にこの路線を推進するでしょう。

一方で、競争力の低い地方の道州は、中央からの資金が減れば
当然、成長が鈍化して、生活レベルや行政サービスレベルが低下します。
地方で独自の成長戦略の導入を迫られますが、
結局、外資の積極的な受け入れや、
移民や外国人労働者受け入れという安易に走る可能性が高くなります。

言うなれば、九州などは中国資本に買占められる可能性が高くなります。
又、東北の都市の中心部をアメリカの銀行が買い占めるなどという事態も生じるかも知れません。
高齢者の保険を維持できずに、外資の保険会社に丸投げする州も現れるかも知れません。

いずれにしても、明治以来続いた強い中央集権が崩れる事で、
地方行政のレベル如何によっては、メリットよりもデメリットの方が増えるかも知れません。

■ 国際政治的な政治システムのフラット化 ■

自民党が道州制の導入に積極的なのはTPPへの参加と無関係ではありません。

TPPを導入するにあたっては、国家間の行政システムな似ているほうが都合が良い。
要は、TPPを環太平洋地域の国家連合の基礎と考えるならば、
道州レベルで、地域連合への参加を決定する事もあり得るかも知れません。

現代は近代国民国家の崩壊する時期に当たると考えた場合、
道州制の導入は、新たな時代の始まりを予感させるのかも知れません。

私個人としては、日本なんて小さな国なのだから
10個に細切れにする必要があるのかなと疑問にも感じます。

東日本と中日本と西日本の3分割でも十分で、
その他に東京、大阪、名古屋、福岡の特別区でも作れば良いんじゃないかと。

しかし、日本は狭い国土に1億3千万人が住んでいますから、
アメリカなどと州の人口バランスを取るとすれば、
やはり10分割になるのかなとも・・・。

将来的にはアメリカの大統領戦の様に、
州単位で選挙を行って、環太平洋地域大統領選挙などというのもあり得るかも・・。