人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

「日本は国債を返し過ぎている」・・・安倍発言と財務省の思惑を妄想する

2017-03-09 09:25:00 | 時事/金融危機
 

■ 日本は国債を返し過ぎている・・・ ■

日経新聞が報じた国債を巡る安倍発言。シムズ教諭の影響を強く感じます。日経新聞や国債市場の関係者には評判の悪い発言ですが・・・私は「ガラガラポン教」の信者ですから、あえて否定しません。

■ 将来何も造れなくなる前にインフラの再整備をしておこう ■

日本の人口動態では画期的なイノベーションが起きて生産性が飛躍的に向上しない限り、財政赤字は拡大の一途をたどり、それを税金で返そうとすると将来世代の生活は破たんします。

「金融抑圧」も「シムズ説」もやっている事は同じで、「コントロールされたインフレ税を富裕層から徴収する」こと。ただ実体経済の成長率が低い状態で財政がいたずらに拡大してゆくと、どこかの時点で通貨の信用喪失が発生して、インフレ率をコントロールできなくなる事は財務省も日銀も当然予測している。

それでも尚、今財政を拡大する理由として唯一合理性を持つのは「造れるうちに造ってストックしておこう」という考え方。日

本のインフラの多くが高度成長期に建設されたもの。これらは将来的に耐久限度を迎えます。これらのインフラの整備を将来行うにも少子高齢化で財源は不足し、建築業界の人手も足りません。そこで、国債が無利子、或いはマイナス金利で発行できる今のうちに造ておいて、将来的なインフレで支払い負担を減らす事は、合理的な発想では?

■ お金はモノでは無くツール ■

「金兌換性の時代のお金の価値」と、現代の「情報化したお金の価値」は別モノで、どうやら現代においてはお金は「時間的な、或いは空間的は隔たりを超えて価値を創造するツール」と考えた方が良いかと思います。

金融スステムの発達した現代においては、お金は情報として高速でやり取りされ、地球の裏側の経済を刺激したり、金利という形で将来生み出されるであろう価値を現在に引き寄せたりします。お金事態の価値がある時代が終わり、時間と場所を超えるツールとして物々交換の時代にお金が生み出された本来の目的に回帰したとも言えます。

■ 日本において唯一公正な税 ■

国債市場や為替市場の参加者にとっては、商品価値を故意に既存する「インフレ税」は許しがたいものではありますが、「世代間格差の解消」の意味においては、公平性の高い税だとも言えます。

「お前が言っている事は三橋先生と同じじゃないか!!」とご指摘を受けると思いますが、バラ色の未来を語る三橋氏に対して、私はドブ色の未来を語ります。

三橋氏はインフレ率がコントロール出来る事を前提に語っており、私や池田信夫氏や、「牛さん熊さんブログ」の著者は、インフレ率のコントロールは難しいと考える。歴史的に見れば、政府が財政規律の維持を放棄すれば、いずれかの時点で通貨の価値が失われて来ました。

「生産力が余っている現在においてインフレは容易には起きない(デフレ時代)」というのは需給関係の話であって、「金融商品としての通貨や国債の価値」とは別問題です。一度市場がパニックを起こせば、それを抑える事は難しい。外為市場で円がパニック売りされ、一気に極端な円安が加速して、輸入物価が跳ね上がり、同時に通貨の価値が減る事を予測して国内金利が一気に跳ね上がります。これで、国内経済は一時的に機能停止に陥るはず。


■ インフレをコントロールする方法 ■


ではインフレをコントロールする方法が皆無かと言えば・・・無いわけでは無い。シムズ教授は「金利」と「準備率」でこれが可能だと考えている様ですが、パニック時には人々が我先に預金を引き出そうとするので、銀行は準備率をむしろ下げるでしょうし、金利も物価上昇に追いつきません。

私個人としては、電子マネーの導入でインフレ率がコントロールされるのでは無いかと私は妄想しています。電子マネーは個人情報とお金がくっついていると考える事も出来ます。そこで、緊急時には電子マネーの機能を利用して、個人の一か月の消費限度額を決める事も可能でしょう。

例えば、誰かがダイヤモンドや金や土地や外貨預金で資産を保全しようとしても、限度額を超えた場合は買い物や取引が出来ない様にすれば良い。これ、実際に戦後日本で預金封鎖と新円切り替え、引き出し限度額という方法で実行されています。それを、電子マネーを使えばスマートに実行出来、インフレ率をコントロールしながら規制額を決める事も可能です。

ただ、個人の財産権を大きく損なうので、「緊急事態」として「超法規的の措置」として実施されるのだと思います。

この方法で、インフレ率が発散してしまう事を防ぎ、200%とか500%を短期間に達成した後、規制を発動して物価上昇を抑え込み、その後ゆるやかに規制を解除して行く。

預金などの資産は実質的に1/2~1/5の価値になる訳ですが、一方政府の借金も実質的に1/2~1/5になります。これが「インフレ税」です。

■ 「魔法の対価」は安くは無い ■

一見、「資産家が損をして、若者はハッピー!!」に見えるインフレ税ですが、魔法には高い対価を払うのは世の習わし。

円が価値が棄損すれば、国内経済は大混乱に陥る訳で、企業の倒産が多発して失業する方も大勢出ます。年金制度は残るでしょうが、実質支給額は大幅に減額されれます。まさに「ソビエト崩壊後のロシア」、或いは「終戦直後の日本」の状況になる訳です。

ではどうすれば良いかと言えば、「自分の身は自分で守る」しか無い。

今安く買えて将来に役立つものは・・・多分、絶対に倒産する事の無い企業の株や、田舎の農地だったりするのでしょう。特に、将来の年金に不安を抱える私達の世代は、「自給自足」的な生活も覚悟した方が良いかも・・・。

■ 田舎と繋がる方法 ■

まあ、いつもの与太話になってしまいましたが、地方出身者でも長年離れた田舎に戻るのは難しい。まして、都会しか人の繋がりが無い人はなおさらです。

一つの方法として、在宅勤務が可能な仕事、或いはネットだけで仕事が成り立つ場合は、仕事場を田舎に移すという方法も可能でしょう。住民税を払えば、文句は言われませんし、田舎も若い人が増えれば活気が出ます。消費も増えます。

エーそんな作家みたいな人は居ないよ...って言われそうですが、10年後には私達の働き方は大きく変わっていると思います。「人と直接コミュニケートしなければ仕事にならない」なんて考えているのは私達の世代位まででしょう。時代が進めば、「直接会う=仕事」という概念は崩壊するはずです。


私は現在の日本の金融財政政策の先に「ドブ色の未来」を予測しつつも、実は結構「虹色の未来」を夢想して楽しんでいます。


<追記>

尤も、そんな遠くない未来に「世界的な金融緩和バブル」が大崩壊を起こすでしょう。これをどう乗り切るかが問題だ・・・。仕事が一瞬で蒸発するのはリーマンショックや311で経験してるし・・・。

静置時間1日は長すぎるのか?・・・現場の工程的な慣例だろう

2017-03-09 04:16:00 | 時事/金融危機
 

■ パージ直後の採水の方が汚染の状況を正確に反映するのでは? ■

前回の記事のコメント欄で、ハノイの塔さんが、「従来の測定法は、ベンゼンなどの揮発物の濃度を薄くして試験に通りやすくする為のものじゃないか」とのコメントを下さっています。

実は私も1日も静置する理由な何だろう?と不思議に感じていました。

■ 検査業界ではパージ後1日後に採水するのが慣例になっているのでは? ■

地下水の水質調査の環境省のガイドラインでは、「パージ後1時間以上の静置時間」が定められていますが、同時に「濁りが無くなる」事も要求しています。

1回目から8回目の業者も1日後に採水をしており、9回目を担当した業者も、都に1日後の採水のスケジュールを提示しています。

1) パージ後の観測井戸の復水時間は井戸によって差がある
2) パージ当日に採水の工程を組むと、復水の遅い井戸の採水が翌日にズレる可能性がある
3) 当日、濁りが取れない井戸があった場合、翌日に採水作業が持ち越される
4) パージと採水を同日工程とすると、同じ人手が使えないので人工代が2倍になる

この様な理由で、検査会社はパージ後1日置いて採水する事が慣例化しているのではないでしょうか?

■ 実際の廃棄物処理場の地下水調査でも1日後の採水が提示されている ■

ネットで、パージから採水までの実際の時間が無いか探してみました。

滋賀県の有害物質の最終処分場の地下水検査に関するPDF資料を見つけました。

http://www.pref.shiga.lg.jp/d/saisyu/jimotosetsumei/files/h230713shiryou02.pdf

この中で、パージ後の静置時間に関する質疑がされています。

<引用開始>

(質問事項)
パージは1日前に実施。(孔内水の3倍程度くみ上げについて)

ポンプ等で穴内水を強制的に入れ替え(パージ)した直後又は、その流れの中での採水は疑問に思います。採水の前日に穴内水を入れ替え、その後は静置したままの状態を保ち、できるだけあるがままの状態に近づけ、当日は採水のみに専念していただきたいと思います。特に当日にポンプ等で強制的にパージした直後でのVOCでの採水は適切とは思えません

<引用終わり>


これに対して各委員からは、「パージ直後の採水の方が汚染の実態を正確に反映しているのでは無いか?」との意見が当然の様に出されています。

しかし、梶山委員からは「地下水が定常状態に回復した後採水すべき」との意見が出されています。実際の「フローセルを用いて、地下水のPHなどが随時計測して、安定状態になった後採水するのが理想的」といった内容も資料中に見受けられます。

又、採水する高さに対してもベンゼンなど比重の軽いものと、金属などの比重の重いものを測るのでは高さが違う・・・などの意見も見られます。


いずれにしても、検査業者から提示された「パージ後1日静置した後に採水」というスケジュールに対して議論が交わされており、「1日静置」は業界では普通の工程であろう事が伺えます。



採水一つにしても、本来は静置時間や採水高さを揃える必要があり、8回目までの調査ではマニュアル化され、3社が同じ方法で採水したものを分析しています。これは科学的な妥当性が高い。


一方、9回目の検査では、業者にマニアルは渡されておらず、検査も1社にしか発注されていません。さらに、都の職員は当日採水を「強要」し、業者は正確性が確保できないとして「都の指示通りに計測した」と読み取れる異例の念書を都側と交わしています。

この業者は会社の信用に関わるので、「都が今回の測定方法を強制した」という態度で特別委員会に臨んでいます。これは会社として当然と言えます。


いずれにしても、すぐバレる方法を用いてまで、「豊洲が汚染されていなければ困る」人が居る事は確かな様で・・・・。


■ 小池知事のダブルスタンダードに呆れた世間 ■

飲むわけでもなく、再利用する訳でも無い地下水の水質を議論している間に、豊洲市場問題は新たな局面を迎えています。

築地市場の土壌も、かつて米軍のクリーニング工場で使用していたトリクロロエチレンで汚染されている可能性が発覚したのです。

これに対して小池都知事は「コンクリートやアスファルトで覆われており、土壌汚染対策法などの法令上の問題もない」と発言しています。


チューーート待った!!

豊洲はもっと厚いコンクリートに覆われているじゃないか!!


この小池発言は完全な「ダブルスタンダード」です。「築地のコンクリートは安全で豊洲は安全で無い」と言っているに等しい。

この発言から豊洲問題の「潮目」が完全に変化しています。もっともマスコミは「石原元知事の責任問題」を追及する事に余念が無く、ニュースやワイドショーも都議選までは「石原の不正を暴く正義の小池」を演出して行く事でしょう。

■ 問われるネットの力 ■

豊洲問題の安全性は初めから決着しています。ただ、既存メディアに踊らわれた都民が小池氏を知事に選出して、無駄な税金を垂れ流しています。

ネットでは小池氏を非難する声が高まっていますが、はたして既存メディアの小池支援を覆し、都議選で小池新党の躍進を阻む事が出来るのか・・・。

トランプを大統領に選出したアメリカ人を笑う日本人ですが、小池氏を首長に頂く東京都民も、世界から見れば同じレベルに見えている事でしょう。(まあ、世界は豊洲問題なんて知りませんが・・・軍国幼稚園には興味深々ですが)