人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

ウイルス・シンドローム

2020-08-12 09:14:00 | 新型コロナウイルス
 
2019年11月 某セキュリティーソフト・メーカーの研究室にて、新種のコンピューターウイルスが発見される。このウイルスはWindows10や7のセキュリティーホールからPC内に侵入し、メモリー領域に潜伏。PC自体には全く影響を及ぼさないものの、ランダムにメールにウイルスを忍ばせて拡散する事が判明した。


加藤 何なんですか、このウイルスは。愉快犯が作ったとしか考えられませんよ。
   だって、PCに何ら影響を与える事無く、拡散だけしてるんですから。

木下 いや、ちょっと待て、これを見てくれ。PCのパフォーマンスを気付かないレベルで
   低下させている様だ・・・・。ただ、だからと言って何ら問題は無いのだが・・。

加藤 一応、検出ソフトの製作は終わっていますので、今夜のアップデートでリリースします。

木下 まあ、何ら問題も無いウイルスだけど、拡散し続けるのも気分の良いものでは無いな。

加藤 ウイルスがみな、こんなカワイイやつだったら、ウチなんて商売上がったりですよ。




数日後


加藤 主任、例のウイルスの被害が報告され始めてます。

木下 あれは無害なヤツでは無かったのか?

加藤 それが・・・どうやらWindows XPではハードディスクをクラッシュさせる様で・・・

木下 おいおい、マジかよ・・・。

加藤 今時XPなんて使っているヤツが悪いんですよね・・・。

木下 しかし、シェア1.5%と言えどもユーザーが居る事に変わりは無い。
   
加藤 世界の企業の1/3が未だにXPのPCを使っているんらしいですよね。

木下 基本、ネット接続はしていない端末が多いらしいが・・・。



数日後


加藤 主任、どこに行くんですか?

木下 専務と政府に呼ばれたんだ・・

加藤 会社がウイルスを密かにバラマイタのバレたんですか?

木下 バカ、そんなのガセだ。そうじゃなくて、例のウイルスの件で呼ばれたんだ。

加藤 あんなウイルスで大げさな事で。

三田 木下、早くしろ。

木下 専務、すぐに参ります。



内閣官房室


柳  お忙しい中、お越し頂き恐縮です。

三田 それで、ご用向きは例のウイルスとか・・・

柳  私は詳しい訳では無いので技官から説明させます。

高木 オタクらは専門家だから細かい事は省くけど、ちょっと困った事になってるの。

三田  困った事とは・・

高木 企業や自治体や政府部門にXPのマシンが残っている事は知ってるよね。

三田  極少数とは伺っていますが・・・

高木 実は、独自にソフト開発したシステムでの移行が進んでいないんだよね・・。

三田  自治体ですか?

高木  貧乏な自治体は多いからね。それと中小企業のファームマシンの制御用とか。

木下  専務、シェアは1.5%程度と低いですが、問題は大きいですね。

柳  そこで、御社には、このウイルスの駆除ソフトの開発を急いで頂きたい。

木下 いえ、先日のアップデートで防御と駆除は対策済です。

高木 それが、このウイルス、勝手に進化しちゃうのね。変異と言ってもイイ。

木下 具体手的には?

高木 影響の無いと思われているWindowds10や7の中で変異しちゃうの。


木下 リソースをほんの少し消費するのはその為だったのか・・・。

高木 やっかいな事に、同時多発的に変異が繰り返しして、政府機関では追いきれない。

木下 最早、我々のソフトもすり抜けていると・・・。

柳  そういう事になりますな。

高木 さらに、ランダムに10や7のシステムもクラッシュさせたとの報告も来ちゃってるの。

木下 我々が調べてウイルスにはその様なコードは入っていなかった・・・

高木 どうやら、他のウイルスのコードをランダムに取り込んでいるらしいんだよね...。

木下 それで、まともに機能する訳が無い・・・

高木 だから、偶発的に機能するヤツが生まれた時だけ、クラッシュする。

木下 かなり低い確率ですね。

高木 そう、かなり低い。




柳  政府としても対策に苦慮しています。
   住基ネットのシステムがクラッシュしたりしたら大変だ。

三田 当然、バックアップは取られていますよね。問題無いのでは?

柳  万が一という事も有り得る。

三田 そう、申されましても、PCに絶対はありませんし。

柳  万が一、融合したウイルスが住基ネットの情報をリークしたら世論はマイナンバーの
   安全性にも疑問を持つでしょう。

三田 確率としては相当に低いですが・・・。

柳  そこでだ、政府としては、このウイルスが根絶されるまでPCの使用を制限したい。

三田 そんな無茶な・・・

柳  無茶は承知の上です。

三田 それでは、あらゆる経済活動が止まってしまう。

木下 そもそも、問題はセキュリティーに問題が有るOSを使い続けているユーザーに有ります。

柳  世間には通用しないでしょう。いえ、むしろそこを突っ込まれます。

木下 でも、PCの使用制限をしたら、経済も社会もストップしてしまう!!

三田 落ち着き給え、木下君。

高木 僕も上には、言いましたよ。柳さんも相当掛け合った。

柳  上は「ゼロリスク」ばかり押し付ける。世間も同じです。

高木 ネット各社にはサービスの停止を要請済だから、後はワクチンソフトの完成に日本の命運が掛かってるの。分かる?

三田 ・・・・・・

木下 ・・・・・



社内


加藤 主任、政府の呼び出しって何でした?

木下 例のウイルスが進化しているらしい。10や7も希にクラッシュする。

加藤 でも、被害報告は上がってませんよ。

木下 確率は相当に低いらしい。ただ、XPの被害はそれなり大きい。

加藤 XPなんて壊れちゃえばいいですよ。我々の手間も省けますし。

木下 政府はそう考えていない。リスクがゼロになるまでPCの使用制限を掛けるそうだ。

加藤 そんなのムチャクチャじゃじゃないですか。僕、アニメ、ネット配信で観てるんですよ。

木下 ウチのカミサンもネットの韓流ドラマ漬けだよ・・・あぁ・・・気が重い。





こんな夢を見ました。




■ 一部のリスクと全体のリスク ■

PCの世界では、古いOSユーザーは見捨てられます。XPやVISTAだけに影響を与えるウイルスが拡散しても、OSメーカーは対策を講じません。1.5%しかシェアの無い古いOSにコストとマンパワーは掛けられないからっです。

ましてや、XPやVISTAのユーザーを守る為に、PCの使用制限をする様な事は絶対に有りません。世間は古いOSのユーザーにむしろ冷たい。

ところが、実際の社会で人命が絡むと、簡単には割り切れません。「古い(年を取った)から悪い」とか「不健康なのが悪い」と言った瞬間に袋叩きにされます。

人の肉体は新しいものに交換出来ませんし、病気になったからと言って体を買い替える事も出来ない。だから、一部の人のリスクを、全体の犠牲と引き換えに低減する事を社会は正義の一つちして受け入れます。


■ 「不完全な感染学の罠」に陥った世界 ■

現在世界は「不完全な感染学の罠」に陥っています。

上の駄文を例に取るならば、ウイルスの被害が甚大なのは1.5%のXPユーザーです。後の98.5%は、非常に低い確率的危機しか存在しません。

しかし、現在の感染学はXPのリスクと10や7のリスクを同等と見ています。その結果「日本で45万人が死ぬ」などという、突拍子も無い予測が出て来る。

これは「リスクの母集団」を間違っている為に起こる現象です。感染初期には誰にリスクが有るのか分からないので、慎重になる事は間違いでは有りません。

しかし、徐々にリスクの所在が明らかになったなら、感染予測のシミュレーションは修正されるべきです。母集団から無視出来るリスクしか無い人々を外すべきなのです。

確かに「低リスク集団」にも確率的にリスクは存在しますが、それは無視出来るレベルに低い。自動車事故に遭うよりも圧倒的に低い。ここのリスクを0とするかどぷかで、対策は大きく変わって来ます。


■ 自粛や、ホテル隔離や自宅隔離はハイリスク層にこそ必要 ■

新型コロナ対策におけるハイリスク層は高齢者と、基礎疾患を持つ人達です。対策やコストはここに集中すれば良い。

高齢者やハイリスクの方は基本的に自宅に自主隔離をしてもらい、生活必需品などは政府の補助で宅配などを活用する。高齢者施設は基本的に隔離されていますが、その従業員は数日事のPCR検査を義務付ける。

この様に隔離によって「ハイリスク層を保護」した後は、経済は普通に回せば良い。電車や職場や学校で感染しても、殆どが無症状か風邪程度の症状で収まります。こうして、感染者を増やして行けば、何れは集団免疫が獲得されます。

従来の感染学は「抗体の獲得」=「免疫の獲得」としていましたが、新型コロナウイルスは毒性が低すぎるので、自然免疫で対抗出来るので抗体獲得が難しい。しかし、メモリーT細胞がウイルスの型を記憶しているので、再度の感染で速やかにウイルスは駆逐されます。これも「免疫」として十分に機能します。

こうして、集団免疫が獲得されたなら、高齢者やハイリスクの方が社会生活に復帰しても、感染しない人の壁によって感染は拡大せず、ハイリスク層の感染機会は限り無くゼロに近づいていきます。高齢者施設でクラスターが発生したりしますが、それが市中感染に繋がる事は有りません。



健常者に不必要にPCR検査を拡大する事で、「第二波」が起きている様に騙されていますが・・・健常者には「弱毒性」である事はWOHも政府も最初から認めているのですから、対策は初めから簡単だったのです。ハイリスクの隔離です。

それを、何故か社会の隔離(ロックダウン)で集団免疫の獲得を阻害してしまった。スエーデンが正しかったと世界が気付く時には、後戻りが出来ない所まで人類は追い込まれている・・・。