人力でGO

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草津温泉で湯めぐり・・・酷暑ライド

2020-08-20 07:48:00 | 自転車/マラソン
  

■ 酷暑に負けず、自転車でGO!! ■

8月に入り暑い。暑過ぎます。

西太平洋の海水温が高い「ラニーニョ現象」が原因ですが、インド洋の海水温が高い「インド洋ダイポール現象」が発生して、「今年の夏は雨が多く冷夏になるのでは無いか」と言われていただけに、農家にとっては嬉しい誤算かも知れません。

お盆にかけて連日35℃を越える気温の日が続きますが、照り付ける太陽の挑戦を受けるのが自転車乗りの本懐というもの。・・・ただ、平地は熱中症になる事が確実なので、出来るだけ高所に逃げたい。8月8日は箱根に逃げて、湯河原で日帰り入浴して帰って来ました。(小田原までの平地が厚くて死にました・・・)

8月13日は、標高1200mの草津を目指します。いつもは夜中に浦安を出発して自走で高崎を目指しますが、今回は上野から始発で高崎まで輪行しました。前日、仕事で仮眠出来なかったので、徹夜のナイトライドはパス。

電車で高崎に着いたのは朝7時。これ、夜中の12時に浦安を出発してナイトライドで高崎に到着する自国とほぼ同じ。ここから先はいつも通りのスケジュールです。

高崎から草津へは渋川から吾妻線沿いに進むのが一般的かと思いますが、群馬の盆地は「灼熱地獄」です。そこで、草津街道(国道406号線)で、須賀尾峠経由をチョイスします。この道、交通量が少なく、山間の村落の素朴な風景を楽しむ事が出来ます。



高崎市内から浅間山を望む。うっすらと噴煙が確認出来


あえて標高1020mの須賀尾峠を越えて草津を目指しまする。




須賀尾峠の手前にある須賀尾宿は信州街道の宿場町。


現在は山間の農村ですが、各家の前には、宿場町だった頃の屋号が書かれています。



須賀尾峠から一気に400mのダウンヒル。八ッ場ダムが見えます。


吾妻川を越えます。標高が下がり気温は30度を越えます。


■ 全然ロマンチックでは無い「日本ロマンチック街道」 ■

吾妻線の草津上野原駅の先、県道292号線に入ると、草津に向けて一気にヒルクライムが始まります。この道、長野県上田市から栃木県日光市を結ぶ「日本ロマンチック街道」の一部です。かつて多くの文人が通った道だとか・

ところが、ロマンチックなどとは名ばかりで、草津温泉まで9km余り、延々に登り坂が続きます。斜度は時折10%が出て来る位ですが、直登に近く、車の交通量も結構多い。

138tのフロントシングル、リアは12-27なので、ノーマルクランクのヒルクライムだと思えばムリゲーでは有りませんが、既に1500m程度の獲得標高になっているので、時速10km~7km程度でカメの様に登って行きます。

足付き無で登り切ろうと思いましたが、水が無くなったので途中のセブンイレブンで補給します。

草津の手間に「草津メロディーライン」という標識が有ます。道に細身溝が切られていて、そこを車が通過すると、路面ノイズが草津節のメロディーに聞こえます。時速40km/h程度の速度で無いと、それっぽく聞こえないので、自転車でメロディーを奏でる事は諦めました。


ロマンチックでは無い国道292号線


道端の沢の水は温泉成分で白濁しています。

■ 温泉三昧 ■

温泉街に到着した頃には、にわか雨が降って来ました。志賀草津道路をヒルクライムしよと思っていましたが、雨で眺望が悪いので、明日にします。ここまで高崎から70km走って、獲得標高は約2000m。ゆっくり走ったので、いわゆるポタリングですが・・・暑さによる消耗はそれなりです。

温泉街はGoToトラベルの効果か、結構な人出でした。若い人や、子供を連れた家族連れが目立ちます。中国人感顧客も結構多い。東京の街中にも中国人が戻って来ましたが、2週間の隔離処置を経れば現在日本への入国は可能です。

とりあえず「湯畑」で「草津に行ってきました」的な写真を撮ってから、「西の河原」に向かいます。草津へは30年程前に家内と一度来た事が有ります。草津スキー場の帰りに立ち寄った。温泉街の記憶は殆ど無いのですが、「西の河原」の露天風呂の記憶は今でも鮮明です。冬の平日の昼間だったので、完全にお一人様貸し切り状態だった・・・。

30年経って草津の温泉街は「ミニ・原宿」の様になってしまいましたが、「西の河原」は整備はされたものの、当時の雰囲気はそのままです。河原のあちこちから温泉が沸きだしています。草津の問題点は駐輪施設が無い事。ロードバイクの聖地「渋峠」の出発点というのに、街中でサイクルラックを見かける事も有りません。仕方なく、殺生河原の公園内を自転車を押して進みます。

露店風呂に入る気マンマンでしたが、ここにもサイクルラックは有りません。仕方ないので、受付のすぐ近くの塀に自転車をチェーンで固定します。人目の多い所の方が盗難やイタズラは少なくなりますから。

入浴料は600円。排水の処理施設が無いのでしょう、石鹸やシャンプーは使用出来ません。巨大な露店風呂には、観光客がくつろいでいました。100人入っても余裕の広さが有りますから3密とは程遠い状況。

あれ、草津の湯ってこんなに温かったっけ?と思う温度ですが、確かに昔入った時も温かった。大き過ぎるので、温度が下がってしまうのでしょう。



「自転車で草津に行って来ました」的な写真を撮っておきます。


湯の華を取る為の「湯桶」。角度は0.6度が最も効率的に湯の華が析出するらい。主成分は硫黄で、太陽の光で硫化水素を酸化して硫黄を取り出します。


湯畑周辺は『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のアニメ第二期9話の聖地です。失踪した黒猫を捜しに京介と桐乃が訪れた場所。そして黒猫との再会は、足湯の近くです。図らずも聖地巡礼してしまいました。アニメの中の草津の街の再現度は結構高いです。温泉饅頭を押し付けて来るジイサンもしっかり登場しています。




「西の河原」はキレイに整備されていました


河原に沸きだすお湯に観光客が脚を漬けています


草津の温泉治療を推奨したドイツ出身のベルツ教授


河原の奥の方からは高温の温泉が沸きだしています

宿は前日にネットで予約した、素泊まりの元旅館。ネットでは「ビジネスホテル」と書いてありましたが、部屋の間取りは旅館そのもの。以前は食事も出す普通の旅館だたったらしい。築50年位では無いかとオーナさんの談。

1Fをコンビニに改装(今は違うお店)にした時に、食事を出さない素泊まりの宿泊施設に変更されたそうです。ペンションなども素泊まりにする所が増えています。街にある程度の飲食店がある観光地では、家族経営の宿泊施設は素泊まりにした方が楽です。

ただし、温泉は流石に「草津の湯」です。源泉かけ流し。4時半頃に一番風呂を頂いたのですが、オーナーさんが温度を見がてら入浴されていてご一緒に。源泉かけ流しで、さらに高温。多分50℃近くあったでしょう。

観光地化された温泉施設の湯温はどこも「一般受け」する為に低めの設定になっているので、草津に来て初めて「草津の湯」らしい温泉に入りました。宿代、全てこの温泉の為だと言っても過言ではありません。(翌朝に入ったら、誰かが水で温度を下げてしまっていました)

夕飯をどうしようかと悩みましたが、実は禁酒にチャレンジしていて、美味しいものを食べるとお酒の誘惑に勝てる自身が有りません・・・。と言っても、殆どが蕎麦かうどんのお店しか無いのですが。

明日は志賀草津道路をヒルクライムする予定なので、コンビニでタンパク質多めの夕飯を買って、部屋で食べる事にします。ノンアルコール・ビールにもだいぶ慣れて来ました。美味しくはありませんが、ビールを飲む事の代償行動にはなっています。多分「お金を払って買う」事に意味があるのだと思います。これが自家製の麦茶だったりしたら、禁酒は長続きしない気がします。

直前に取れた部屋は12畳ほどの広さ。一人では広過ぎます。座卓を畳むまでも無く、布団が敷けました。部屋にはクーラーが有りませんが、流石は標高1200mの高地です。日が暮れると気温がグングン下がって、8時頃には窓を閉めなければ肌寒く感じます。湿度も低い様で、手洗いしてビチョビチョのウェアーが扇風機の風で見る見る乾燥してゆきます。

長い夜をどうして過ごそうかと心配でしたが、携帯で『働くまおうさま!』を数ページ読んだら、寝てしまいました。朝が早かったからでしょう。

朝は5時から目覚め、朝風呂に入ります。誰かが水を入れたみたいで、昨日の茹る様な熱さではありませんでした。残念。

8時にチェックアウトしますが、受付は無人。徹底した省力化ですが、冷蔵庫も空でしたから清算の必用は有りません。私、家族経営の宿はこれで良い様な気がします。1万円以下の料金で、日本の宿泊施設はサービスが過剰気味です。きちんと掃除されて、ある程度施設がキレイならば、私的には問題を感じません。


畳みは少し古いですが、内装は綺麗で、トイレもウオシュレットになっていました。一人に使うには広過ぎましたが。


■ 国道最高点に到達できない志賀草津道路 ■

本日のメインイベントは志賀草津道路のヒルクライムです。

本来は「日本の国道最高点」として、お盆は自転車乗りで混雑する志賀草津道路ですが、2018年の噴火以降、山頂付近は交通規制が掛かっていて、殺生河原より先は自転車やバイクは通行が出来ません。本日お会いした自転車乗りは3人だけでした。

温泉街からしばらく行くと天狗平スキー場が現れます。その先から本格的なヒルクライムが始まりますが、斜度は控えめ。気温も低いので快適です。空はほの快晴。

白樺の樹林をしばらく進むと、殺生河原ゲートが現れて、あっけなくヒルクライム終了。・・・・しかしです・・・。バイク乗りは、看板にまったく構う事なくどんどん通行して行きます。先程、私を抜かして行った自転車乗りの姿も見かけません。もしかすると・・・通行止めが解除されている???

確か「ゲートで係員に止められる」と聞いていたので、係員が居ないという事は、ここから先に進んで良いのかも知れません。そう、勝手に解釈して、ゲートの先に進んでみます。

殺生河原は火山性のガスが噴出しているので、「駐停車禁止」の看板が沢山立てられています。草木も生えない荒涼とした風景こそ、ネットなどで観る風景です。

殺生河原から先は高木は有りません。森林限界には達していませんし、ハイマツ帯なども無かったので、火山の噴火によって地盤が新しいので、未だ樹林帯が進出していないだけなのでしょう。これは富士山と一緒。乗鞍などは、きちんとハイマツなどの低木帯と、その上の高山帯の草本主体の植生の変化が有りますから。

殺生河原を過ぎると・・・ここはアルプスでしょうか・・・という風景に変わります。青い空を背景に緑の尾根が天に伸びています。これこそ、自転車乗りが憧れる渋峠に至る風景。・・・しかし、「通行止め」の看板が所々で現れるので、良心が痛みます。バイクはバンバン走っていますが、社会のルールを守らずして何が自転車乗りぞ!! (既にチョット破っていますが・・・)

もう少しの乗りたい欲求に必死で打ち勝って、「大人の撤退」を決意します。殺生河原ゲートからは1kmも進んでいませんが・・・。ゲートで休憩したらエアロバイクの二人連れが登って来ました。トライアスロンのトレーニングとかで、結構な距離は走られる予定。彼らは、おとなしくゲートでUターンして行きました。大人だな・・・。


天狗山スキー場を通過します




通行規制の告知。





樹林帯の中を登って行きます。涼しい!!




殺生河原ゲート!!





これぞ草津の風景です・・・「通行規制」も看板さえ無ければ・・・


ダウンヒルはあっという間です。草津で一風呂浴びて帰る事にします。下界は茹だる様な暑さで又、汗になるのは確実ですが、輪行に備えてウェアーを着替えたい。

湯畑のすぐ横の外湯専用の施設に入ります。お湯は熱く無いので、ちょっと残念ですが、汗になるので、この程度が観光客には適当なのかも知れません。湯畑が見下ろせる広間で、涼しい風に当たりながらサイダーを飲んで一休みします。



湯畑を見下ろしながら、ほてった体を冷まします


■ 下界は灼熱地獄だった ■

草津の名物は「花豆」という巨大なソラマメみたいな豆。甘納豆とソラマメが入った最中をお土産に買ったら、ロマンチック街道を一気にダウンヒルです。車が連なっているので、安全第一で下ります。

標高が1000mを切った辺りから、ジワジワと暑く成り始め、吾妻線の長野原草津口駅に着いた頃には30度を軽々と超えました。普段は我慢出来る気温ですが・・・涼しさに体が慣れてしまったので、無理。マジで無理。躊躇する事無く輪行で帰る事に。それも・・・特急を使います。だって、吾妻線って駅が多過ぎるんです・・・。

行きは上野から高崎まで普通運賃で1980円でしたが、草津口の駅から特急を使うと4980円。涼しかったら絶対に高崎まで走るのですが・・・。


夕方には実家にお土産を届け、自宅のクーラーから離れなくなって結局泊まってしまいまいした。大きい画面で『Relife』を見直せたので満足。



長野原草津口の駅は・・・暑かった・・・・


久しぶりの在来特急です


コロナとGoToのハザマで、多くの国民が旅行に行こうか、止めようか悩まれた事でしょう。しかし、観光地は観光客が来てくれて初めて経済が成り立ちます。

「GoToなどけしからん、現金給付で充分では無いか」という方々は、経済と人の心を理解していません。現金給付の乗数効果など1でしかありません。GoToならば、旅行先で皆さん、お金も使いますし、宿泊施設の従業員も雇用が確保されるので、乗数効果は4~5程度になると言われています。

コロナはマスコミで過剰に危機感を煽られているので、受け入れる観光地も「怖い」思いで都会の客を迎え入れていますが、それでも「旅行客あっての観光地」です。


皆様もGoToトラベルをバンバン活用して、地方経済を回しに行きましょう!!!