人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

EXITで煙に巻かれる世界

2010-02-20 08:20:00 | 時事/金融危機


■ アメリカの出口戦略?! ■

FRBが公定歩合を0.5%から0.75%に引き上げました。
いよいよアメリカの出口戦略がスタートしたのでしょうか?

バーナンキ議長の利上げ発現など、予兆はありました。
しかし、こんなにも早く公定歩合が引き上げられるとは
誰も予想していなかっただけに、
たった0.25%の金利の引き上げでも
充分なサプライズ効果はあったようです。

その結果、為替相場ではドルが値を上げています。

■ アーリー・スパート ■

現在、世界経済はマラソンで言えば折り返し地点より前です。
実体経済の回復は見られず、
金融の崩壊をかろうじて止めている状態です。

各経済統計に表れる希望的数字は、
各国政府の財政出動によって一時的に現れた「幻の回復です」。

今後、実体経済の疲労がジワジワと効いてくる
マラソンの後半を前にして、
アメリカは軽いスパートを掛け、
集団から抜け出そうとしています。

これは、マラソンのアフリカ勢に良く見られる
自滅的なスパートです。
直ぐ失速して集団に取り込まれる事は必至です。

しかし、無意味なアーリー・スパートは、
レース後半の体力を奪って行きます。

■ 「見せ掛け」の出口で煙に巻かれる世界 ■

今回の「出口モドキ」に係わらず、
米経済は「見せ掛け」と「偽者」で体裁を取り繕っています。

火事場でようやく見つけた「EXIT」サインが
実は偽者だった・・・・。
シャレにならない事態です。

しかし、今回の「EXIT」サインは
余りにも偽者臭くて、誰も反応しないでしょう。

確かに昨日ドルは上昇しましたが、
ファンドや金融機関のプログラムが
利上げに反応しただけです。

実体が伴わなければ、
ドルも最近の定位置の88円前後に戻ります。

■ アメリカ国債が売れない ■

中国やファンドの米国債離れを例に取るまでも無く、
米国債の発行に黄色信号が灯っています。

今後の米国債大量発行を控え、
米国債の売れ残りは、
「アメリカ帝国」の終焉を加速します。

今回の公定歩合引き上げは、
米国債の入札を継続させる為に、
米国債を買い支えるグループに、
大義名分を与える効果しかあありません。

■ いよいよ近付く「LAST EXIT」 ■

オバマは利上げと前後して住宅購入支援策を発表するなど、
利上げのデメリットを税金を使って相殺しようとしています。

現在の危機を、将来の危機に「トバシ」ているだけの政策です。

こんなその場凌ぎの政策を取らざるを得ない程、
アメリカ経済と財政は危機的な状況にります。

米経済の「LAST EXIT」は、
大方の予想に反して、
意外と早期に訪れるかも知れません。

最終出口の先にあるものは・・・天国のハズはありません。
きっと、崩れ去った非常階段だったりするのでしょう。

■ BGMはビル・ラズウェルの「last exit 」 ■

アメリカの「出口戦略」にピッタリなBGMが、
90年代NYアンダーグランドシーンの
重鎮ビル・ラズウェルの問題作、
その名も「LAST EXIT」。

Peter Brotzmann, saxophones;
Sonny Sharrock, guitar;
Bill Laswell, 6 string bass;
Ronald Shannon Jackson, drums,voice

メンバーを見ただけで鳥肌モノです。
地を這うベースとドラムス。
切りつけるギター。
咆哮を上げるサックス。

フリージャズの巨人達を
ハード・コア・ミュージックの檻の中で
暴れさせたビルの手腕は、最高にクールです。

アメリカ帝国の終焉に相応しい「断末魔」です。

尤も、こんな素晴らしい文化を生み出したアメリカには
本当は期待したいのですが・・・。
アメリカと世界を食い物にしている輩達には
決して理解出来ない美学です

中国とアメリカの蜜月は終わったのか?

2010-02-17 18:46:00 | 時事/金融危機

■ 冷え込む米中関係 ■

COP15以降米中関係が険悪になっています。

googleの中国撤退に端を発した、
米中のサイバーテロの応酬。

アメリカの台湾への武器売却決定。
オバマとダライ・ラマの会談決定。

昨年までG2と持ち上げた中国に
最近のアメリカは冷たいようです。

■ アメリカ国債を売却する中国 ■

こんな記事がネットに掲載されています。

<引用開始>

アメリカ財務省が16日に発表した統計によりますと、昨年12月に、日本のアメリカ国債保有高が7688億ドル(69兆2000億円)に達し、中国を抜いてトップになりました。

 2009年12月末現在、日本のアメリカ国債保有高が11月末より115億ドル(1兆400億円)増えたのに対して、中国は保有高が342億ドル(3兆900億円)減り、7554億ドル(68兆円)になりました。なお、中国は2ヶ月連続で保有高を減らしています。

 アメリカ財務省によりますと、2009年12月末現在で、他国などのアメリカ国債保有高は全体で530億ドル(4兆7700億円)減少し、減少額は史上最大になりました。(

<引用終わり>

11月、12月と中国はアメリカ国債を売却しています。
最近のアメリカの対中政策の変更は、
どうやら米国債売却に対する「仕返し」の様です。

しかし、「仕返し」には「しっぺ返し」が付き物。
中国がさらなる米国債売却を加速させるかも知れません。

■ 米国債を買い支える日本 ■

米国債を売却しているのは中国だけではありません。
ファンド関係も米国債離れをしています。

一方、日本の民間金融機関は米国債の保有高を増やしています。
さらには、亀井金融大臣も郵貯資金での米国債購入に言及しています。

上の記事からも日本が米国債を買い支えている事が伺えます。
経済が危機的状況の中で、
輸出産業のダメージを最低限にする為には
ドルの急落を防がなければならない所が
日本の悲しい所です。

一方、中国は事実上ドルにペッグしていますから、
ドルがある程度安くなっても、
輸出競争力は維持出来ます。

■ 中国はアメリカに見切りを付けたのか? ■

気になるのは、中国が本気でアメリカに見切りを付けたかどうかです。

経済が好調とは言え、
中国経済はまだまだアメリカの消費を必要としています。
元のドルペッグが良い証拠です。

中国の米国債売却は、
あくまでも外貨準備のリスクヘッジのはずです。

しかし、事実上ジャンク債の米国債を増発するアメリカは
中国の米国債売却を見逃しはしません。
対中圧力を強化しました。

しかし、これは逆効果しかありません。
中国は益々アメリカと距離を取り、
隙あらば、米国債を売り抜けようと画策します。

良い迷惑は日本です。
小沢が先の事件でアメリカと取引したかどうかは別として、
ドルとアメリカの突然死は、
日本の経済をどん底に引きずり降ろします。

だから、民主党政権はイヤでも米国債を買い増さざるを得ません。

■ 本当は一度崩壊した方が良い日本経済 ■

不謹慎かもしれませんが、
私はドルが崩壊して日本経済が共倒れになった方が、
将来の日本にはメリットがあると思っています。

日本は産業も社会も成熟し、
高齢化が否応無く、経済成長を阻害します。

GMやクライスラー、JALで起きている事が
国家単位で起きているのが今の日本です。

「日本国債は国内でファイナンスされているから安全」
というのは、技術論であって、
将来的には誰かが負担せざるを得ません。

それよりもアメリカ経済とドルの崩壊によって、
日本も道連れになり、
一回、日本をリセットした方が
ジリジリと衰弱するよりも若者にはメリットがあります。

「アメリカさんが潰れたから、日本も潰れた」
ならば、民主党政権も責任が軽くなります。

■ 中国に辛く当たるべき ■

現在の日本は、ジリジリと延命して
中国やインドの経済成長で復活する腹積もりですが、
危機を知らない日本の若者が
アジアのやる気溢れる若者に勝てるはずがありません。

ですから、日本はアメリカと共謀して中国に辛く当たり、
逆切れした中国が米国債を投げ売って、
世界経済が一度崩壊し、
焼け野原の中から、日本や世界の再生を果たした方が、
日本にとっては将来性があります。

対米従属の足かせも外せますし、
現状で世界経済が崩壊すれば、
中国やインドの経済成長に抑制を掛け、
技術的な優位性を保ちながら、
新たな日本の国際戦略を立てる事も出来ます。

・・・何だか、アメリカの「隠れ多極主義者」のような発言ですが、
今の日本の若者には、彼らの戦略の方が好ましいのかも知れません。


新型インフルエンザの重症患者は免疫グロブリンに異常

2010-02-08 02:04:00 | 危険なワクチン
■ ニュースで報道されなくなる頃、真実が明るみに出る ■

新型インフルエンザの流行もhぼ収束し、
マスコミ各社もこの問題を殆ど報道しなくなりました。

どんな問題もそうですが、
世間の感心が薄れた頃に
少しずつ事実が明らかになります。

日本の報道機関は、国民を舐め切っているので、
扇動的報道ばかりで、
フォローアップは一切しません。

アメリカも似た様な傾向があますが、
マスコミを利用した統治の方法を
アメリカから導入した事を鑑みれば
当然の一致とも言えます。

ヨーロッパの報道機関は
日米に比べれば多少公平で、
WHOの恣意的扇動の追及も行っています。

■ パンデミックの定義を変更したWHO ■

いつも参考にさせていただいているブログによると
http://nxc.jp/tarunai/?page_id=185
WHOは5月にパンデミックの定義を変更している様です。

<引用開始>

WHOの”偽りのパンデミック宣言”に関する報道やブログがヨーロッパでは相次ぐ。
 その中から、WHOのインフルエンザ担当最高顧問のケイジ・フクダ氏が嘘をついているとする発言がある。
 彼がヨーロッパ評議会の議員会議で発言した内容である。
 WHOはパンデミック(インフルエンザ)の定義の変更を行っていないし、また重症度を考慮に入れた定義は以前から無かったと、嘘の証言を行ったというものである。
 しかし2009年5月以前のWHOのウエブでは、莫大な数の死者と発病者が世界中で発生する流行、と定義している。明らかにWHOの高官は嘘を言っているのである。
 
 一方、現在の定義では、Pandemics can be either mild or severe in the illness and death they cause, and the severity of a pandemic can change over the course of that pandemic. (パンデミックは、疾病の重大性と死者数に関して、軽症である場合も重症である場合もあり得る。その重度は流行の過程で色々と変化し得る)、となっている。
 要するに現在の定義では、インフルエンザウイルスが世界中に広がり感染症を起こした場合、パンデミックと定義される。症状が鼻水程度でもである。明らかに以前のH5N1主流時代の定義と異なっている。
 また2009年5月以前は、パンデミックフェーズ分類は3になっていたが、これは明らかにH5N1鳥インフルエンザの状況を表していた。しかしその後フェーズは6に変わり、以前のH5N1鳥インフルエンザのフェーズ分類は消えてしまっている。
 パンデミックを示す対象ウイルスがH5N1からH1N1に変わったことをWHOは説明しているのだろうか?そしてH5N1のフェーズが消されてしまったことを、どのように説明しているのだろうか?
 多くの疑問点が置き去りにされたまま、パンデミックインフルエンザは去ってゆくのだろうか?

<引用終了>


■ 新型インフルエンザの重症化は免疫グロブリンの異常 ■

新型インフルエンザの騒動が収束し、
余ったワクチンとWHOの責任問題に
話題が移行している中、
新型インフルエンザの重症化の原因が
明らかになりつつあります。

<上記ブログより引用>

オーストラリア、メルボルンの医師チームからビッグな情報が発信されている。
 体内の免疫グロブリン(抗体タンパク)の中の一分画であるIgG2の量が、ブタインフルエンザ重症者では少ないということが示された。
 IgG2の量は20%の人々で低下していて、さらに先天的に欠損していることも希にある。要するに先天性免疫不全症である。通常は中耳炎や肺炎を繰り替えず程度の症状の様であるが、軽症の場合は無症状のことも多く、また量的に低下量がそれほどでなければ、何ら症状を出さないこともあり得る。
 この事実を発見したのはメルボルンの病院の若い女性研修医である。
 ICUに収容されていたブタインフルエンザで重症化した22歳の妊婦で、通常は調べない免疫グロブリン分画の検査をしたところ、非常に低値であることを見いだし、続いて入院していたブタインフルエンザ患者全員で調べたようだ。そうすると驚くことに重症患者ではほとんどがIgG2が減少していて、重症であればあるほど値は低かった。
 続いてIgG2を含む免疫グロブリン製剤を投与したところ、全ての例で急速に症状が改善されたという。
 今月発行された臨床免疫雑誌(journal Clinical Infectious Diseases)に論文が発表された。
 チームの責任者であるグレイソン教授の談話を中心とした報道と、主人公である若い女性の談話を中心とした報道があるが、代表的報道内容を全訳して海外報道抄訳集と{詳細}に掲載してある。
 22歳の妊婦のIgG2が著しく低値であることを知ったとき、若い女医は、もしかするとこれがブタインフルエンザの重症化の原因の謎かもしれないと、心の中で叫んだと言う。
 大多数では軽症で、一部の人や妊婦で重症化する原因がここにあるかもしれないとされる。因みに妊婦では一時的にIgG2が減少するとされる。

<引用終わり>

■ 本来報道されるべきは地道な研究成果 ■

妊婦の重症化に着目し、
妊娠時期に胎児を母体の免疫から守る為に
母体の免疫グロブリンが制限される事に着目した
素晴らしい研究成果です。

新型インフルエンザは、
殆どの感染者は季節性インフルエンザ程度の症状でしたが、
妊婦や一部の若者が重症化する事が特異的でした。

「IgG2を含む免疫グロブリン製剤を投与したところ、
全ての例で急速に症状が改善されたという」
と書かれている様に、
原因だけでなく、効果的な治療方法も確立しそうです。

■ WHOが啓蒙すべきは治療方法 ■

WHOは本来はこの様な研究に着目し、
世界の医療機関の協力を促して
治療方法の確立に尽力すべきです。

しかし、彼らが実際にやってきた事は、
ユトレヒト大学の西浦研究員の発表した
「新型インフルエンザの致死率は、アジア風邪並の0.5%」
という情報を宣伝する事でした。


■ 「0.5%致死率」研究の真相 ■

この0.5%という致死率は、
流行が収束に向かいつつある現在、
トンデモ研究であった事が明確になっています。

別の方のブログのコメント欄に
西浦研究員がコメントされていたので、
その場を借りて、西浦氏に質問させて頂いた所、
やはり、母集団はアメリカの医療機関の受診患者でした。

西浦氏は、研究自体の誤謬は一切認めていらっさいません。
この母集団に対しては、適切な結果であると主張されています。

しかし、0.5%致死率情報をマスコミに発表した方法は
反省の余地があるとお答えされました。
彼は懇意にしている記者にメールでこの情報を伝えたそうです。

■ 0.5%報道の一人歩きは「事故」か? ■

西浦氏は0.5%報道の一人歩きは
あたかも「事故」であったかの様な主張をされています。

しかし、致死率が0.5%と言えば、
受診患者の250人に一人が亡くなる計算になります。
亡くならないまでも、
多くの受診患者が重症化する数字です。


・・・素人が考えても、馬鹿げた数字です。

こんな馬鹿げた研究結果を、
わざわざ報道関係者に公表する研究者には
「常識」は存在するのでしょうか?

アメリカは国民皆保健制度の無い国です。
貧乏人はインフルエンザ如きでは
病院を受診せず自宅で療養します。
これらの人達が受診する場合は
症状が重症化した後です。

さらに、彼ら貧困層の食生活は
生活習慣病になる為の食事です。
彼らは根本的なハイリスク層なのです。

西浦研究員は専門家でありながら、
母集団の異常性に気付かなかったのでしょうか?
それとも、あえてこの様な特異な母集団を選択したのでしょうか・・・?

又、この0.5%という数字を
引用し続けたWHOとは、
いったいどういう組織なのでしょう?

■ オランダのインフルエンザ・マフィア ■

無責任な思いつきですが、
西浦研究員の所属するユトレヒト大学は
オランダに所在します。

ミスター・インフルエンザと呼ばれ、
今回の新型インフルエンザ騒動を
WHOを通して先導したと言われる、
アルバート・オスターハウス博士がの所属する
エラスムス大学もオランダにあります。

もしかして、オランダには
製薬会社が裏で糸を引く
「インフルエンザ・マフィア」の様な仕組みが
出来上がっているのでは無いでしょうか?

■ 数理モデルの不確実性の悪用 ■

西浦研究員の0.5%という致死率は、
数理モデルによる感染予測による結果です。

数理モデルは、統計的処理と計算式によって
複雑な現象を解明する分野です。

素粒子物理などで成果の多い研究方法ですが、
温暖化予測などでも活用されます。

ところで、温暖化や感染症などの生体現象は
複雑系と呼ばれる現象です。

気象は様々な要因が複雑に絡み合って変化します。

感染という生物の現象も、
ウィルスと生体の複雑な反応の結果生じます。

この様な「複雑系」は、現象に影響するパララメーターが多く、
又、パラメーター同士もフィードバックし合う為、
数理モデルによる予測が難しい分野です。

数理モデルによる複雑系の予測の有効性自体に
疑問を抱いている研究者も居ます。

しかし本当の問題は、
数理モデルによる予測は、偽りの未来を作り出す 事です。

温暖化予測が良い例です。
パラメーターと関数を適当に組み合わせれば、
過去の現象(例えば気温上昇グラフ)をトレースする様な
曲線を合成する事は可能です。

問題は、この曲線が過去をトレースしたからと言って
「未来を予測出来るかどうかが分からない」という点です。

単純に2次関数と3次関数で考えれば分かり易いですが、
現在グラフがピークを打って減少する時、
2次関数で予測すれば、このまま数値は低下しますし、
3次関数で予測すれば、一度データは底を打った後
再び上昇に転じます。

現実にはこんなに単純ではありあませんが、
関数やパラメーターの選び方によって、
シミュレーションの予測する未来は恣意的に選択される
 のです。

■ 数理モデルに合う様に、現実を歪曲する ■

さらに「クライメート・ゲート事件」報道でも明らかな様に、
温暖化を予測する数理モデル」に不都合な観測結果を無視する
数理モデルに合わせて現実を歪曲するという
言語道断な行為まで行われていました。

IPCCも観測点のヒートアイランド現象を
第4次報告書から無視するなど、
露骨な方法で、「温暖化」という現象を演出しています。

これなどは、今回の西浦研究員の行った、
特殊な母集団の選択に近い行為です。

この様に、数理モデルによる未来予測は
悪意を持つ者に利用され易い事に
我々はいつも注意を払う必要があります。

温暖化のウソと、新型インフルエンザのウソによって、
私達は教訓を得たとも言えます。

米国 VS 官僚機構

2010-02-05 04:10:00 | 時事/金融危機



■ 小沢一郎、不起訴 ■

小沢一郎は不起訴になったようです。
東京地検特捜部は、元々無理のある捜査を行いまいたが、
国民の反小沢世論が高まれば、
起訴する事も可能であったでしょう。

しかし、マスコミの過剰な煽りにも係わらず、
ネットを中心に「小沢擁護」派が多数発生し、
世論は「小沢批判」と「特捜部批判」に二分されました。

■ 米国の日本統治と官僚機構 ■

今回の小沢騒動は表面的には
「民主党 VS 官僚機構」と捉えられています。

しかし、少し穿った見方をすると、
「米国 VS 官僚機構」という構図が透けて見えてきます。

アメリカは、アメリカの為に日本を構造改革しようとしまいた。
小泉純一郎と竹中平蔵が粛々と進めたこの改革は、
実行段階において、官僚達により骨抜きにされました。

■ 免疫細胞としての官僚 ■

日本の官僚が、いつも日本の国益を考え
大局を見据えて行動しているとは限りません。

むしろ日本の官僚機構の特徴は、
「改革を嫌う、事なかれ主義」にあるとも言えます。
前例を重視し、誤謬を嫌います。

それゆえに、官僚達は免疫細胞の様に、
「アメリカの為の改革」というウィルスを駆除し続けてきました。

■ 総体として機能する官僚組織 ■

アメリカがいくら省庁再編を仕掛けても
日本の官僚機構を破壊する事は出来ませんでした。
それは、官僚機構が総体として作用するからです。

官僚達は「蟻」の様に、
本能的に「総体」の意志に従っています。
防衛省の守谷氏の様に個々に排除しても、
「総体」は揺らぐ事はありません。

■ 小沢一郎は「噛ませ犬」 ■

そこで、アメリカが仕掛けたのが「民主党への政権交代」でした。
小沢一郎は「対官僚」の姿勢を明確にしています。
官僚への「噛ませ犬」としての役割を負わされています。

■ しくまれた「検察の敗北」 ■

特捜部は結局小沢逮捕に踏み切れませんでした。
法的に起訴は難しいと判断した様です。

この唐突な検察の敗北は、
梯子をいきなり外された様にも見えます。
「小沢を挙げろ」と指示していた誰かに、
「小沢を追及するな」と言われたかの様な
幕引きです。

これで勢いに乗るのは、他ならぬ小沢一郎です。
今度の件で、煩いネット世論も味方に付けています。

■ 官僚の弱体化と政治主導 ■

今後、民主党の主導の元で、
官僚機構の弱体化が進行していくでしょう。

民主主義の観点からすれば、
政治主導の国家運営は好ましい事です。

しかし、民主主義は不完全なシステムです。
国民はメディアのミスリードで簡単に誤謬を犯します。

国民の選挙に因らない官僚機構は、
国民の手の届かない存在ですが、
政治家はスキャンダルで葬り去る事が可能です。

そこで、アメリカは民主党を使って官僚機構を破壊した後に、
民主党政権を崩壊に導くでしょう。
そのタイミングで政界再編が動き出し、
小泉純一郎の再登場もあるかも知れません。

■ 日本人の敵は「官僚」では無い ■

我々はメディアによって、
「官僚=日本人の敵」であるかの様に刷り込みをされています。

しかし、多くの官僚達は、日本の国益を優先して働いています。
私達は、税金を無駄に消費する地方の一部の公務員と、
能力の割りに安い給料で働く、
キャリア官僚を混同すべきではありません。

■ 注意すべきは民主党の動向 ■

世論は小沢一郎を検察やアメリカから守りました。
これは、民主主義の勝利とも言えます。

私もブログで小沢一郎を擁護してきましたが、
それはあくまでも、主権者である国民の意思が、
アメリカや特捜部に蹂躙される事に対する問題意識からです。

しかし、今後は、小沢一郎や民主党を
国民が監視する番です。

政治に「カネ」は付き物です。
アメリカは今後も、「カネ」の問題で
民主党に揺さぶりを掛けて来るでしょう。

しかし、我々が本当に監視し評価すべきは、
国家としての「理念」であり、「戦略」です。

日本がランドパワーの一員として中国を選択するのか
アメリカと供に、シーパワーの一員を続けるのかは、
本来、国民が下すべき判断です。

ただ、その認識すら持ち得ない国民の代わりに
小沢一郎の様な政治家が存在するのでしょう。