人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

千葉の秘境シリーズ・・・濃溝の滝

2016-12-12 03:14:00 | エコロジー
 

写真はネットからお借りしました


■ インスタグラムが火付け役 ■

先日「千葉 秘境」でグーグル検索して見つけた上の写真。「どこのジブリだよ」と思わず呟くとか、呟かないとか・・・。

実はインスタグラムにアップされたこの幻想的な写真が話題になって、観光客が押し寄せていると言う。場所は君津市と鴨川市の境辺り。



■ 「濃溝の滝」へGO!! ■

千葉の秘境を巡る事を楽しみとしている私としては行かない訳にはいきません。早速googleマップで場所を確認。





この滝、「濃溝(のうみぞ)の滝」と呼ばれているそうですが、なんと鴨川有料道路の入り口手前にあるらしい。なーんだ、いつも通っている場所じゃないですか。「亀岩の洞窟」って看板を見かけた事あるけど、そんなに人が押し寄せているなんて記憶は在りません。

ネットの噂はとかくオーバーなので、ここは確認するしかありません。早速、自転車でGO!!


■ オイオイ、観光バスが引っ切り無しに来てるよ・・・ ■




鹿野山をサクっとヒルクライムして房総スカイラインの終点を右折して鴨川有料方面に向かいます。すると「清水渓流広場 幸運の鐘」の看板の所で人だかりが出来ています。駐車場が一杯なので「満車」の看板を持った係員が近くの駐車場に誘導しています。

確かに以前ここを通った時に「幸運の鐘って、うわぁ、ださぁ」って思った事がありますが、その時は観光客なんて居ませんでした。



駐車場には大型の観光バスが数台駐車しています。乗用車も沢山。人も沢山。ちょっとした観光地状態です。



問題の滝へは舗装された遊歩道を「400歩程」歩くと書かれています。400mではありません。



すぐに濃溝の滝に辿り着きます。・・・・・。
房総に沢山ある「川回し」のトンネルですね。これは江戸時代に掘られたもの。



うーん、ちょっとイメージと違いますね。フォトショップで加工してみましょう。



うーん、ちょっと違う・・・。


ちなみに、朝日が差し込むのは3月と9月の早朝らしい。6時頃だとか。その頃もう一回来てみましょう。



駐車場には木道を歩いて戻ります。実はこの木道、かつて川回しで作られた水田跡にあります。江戸時代の農民達が岩をくり抜いて川筋を変え、必死に開墾した水田の多くは現在は耕作放棄地となっています。だいたい谷底に有るので、車で降りて行けない場所が多いのです。




<川回しの手順>

1) 川の蛇行の頂点同士をトンネルで繋ぐ
2) トンネルの入り口の旧川筋を堰で塞ぐ
3) 水の流れなくなった川床を土でかさ上げする
4) かさ上げした場所に水田を開墾する

濃溝の滝のトンネルの入り口の左側に堰を補強する為のコンクリートの護岸が有るのが写真で分かりますか?「絵的」には邪魔なコンクリート護岸ですが、川回しでは重要な役割を果たしているのです。




本日は「房総の(お手軽)秘境、濃溝の滝」を紹介しました。



トランプラリーはいつまで続くのか・・・アベノミクスのスタートダッシュに似ていいる

2016-12-12 01:09:00 | 時事/金融危機
 

■ 市場の空気が変わった? ■

「トランプリスク」などと言われていたのが嘘の様に債券以外の相場が爆上げしています。ダウが2万ドル突破を伺う一方で、米10年債金利は2.5%突破目前となっています。

一般的には「債券→株式」に資金が移動する時は「リスクオン」と呼ばれ、市場が積極的にリスクを取りに行く時と言われています。

大統領選前はFRBの12月の利上げは50%程度の予想だったと思いますが、今では利上げ予測は100%、場合によっては利上げペースが速まるとの見方も出ています。

■ アベノミクスの初期の類似点と相違点 ■

「トランプラリー」などと呼ばれる昨今の急激なリスクオンですが、アベノミクスの初期に似ています。

1)リーマンショック後の閉塞感が長期化していた
2)政権政党が交代する
3)財政拡大が見込まれる


アベノミクスとの違いは安倍政権発足前の2012年11月頃からは日銀の金融緩和の拡大を予測して「円安株高」となっていましたが、トランプラリーでは米金利の上昇を予想して「ドル高米株高」になっている点でしょう。

日本株の場合、株式市場のメインプレイヤーが海外の投資家なので、円安でドル経ての株価は下がり、プログラム取引が日本株の比率を一定に保つ為に日本株を買い増して株価が上昇します。ジム・ロジャースやジョージ・ソロスは自民党が衆議院選挙で勝利したと同時に日本株を買い増し、安倍政権発足後の5月にチャッカリ利確しています。

一方、現在のダウの高値はドル高予測に牽引されています。米金利の上昇でドルが上昇すると、海外の投資マネーが米国内に還流するからです。

■ ドル高と米金利上昇のデメリット ■

トランプは選挙戦で米国産業を復活させると発言していますが、ドル高は輸出産業には不利に働きます。米国債金利の上昇でFRBは利上げペースを速める可能性が在るので、ドルには上昇圧力が働きますから、輸出企業にはマイナスとなります。

ここで、トランプが関税などを引き上げて中国などからの輸入にブレーキを掛けようとすると、輸入に頼るアメリカでは物価上昇の要因となり、庶民の実質所得が低下します。(為替と相殺で物価が変わらない可能性も在りますが)

さらに、米国経済に影響の大きい住宅市場は今まで低金利の支えられて来ました。米実態経済の伸びが期待程で無いのに金利だけがズルズルと上昇し始めると、住宅需要が落ち込んだり、返済が滞る状況になる可能性も在ります。

金利上昇はカードローンやカーローンなどにも影響を与えます。「超低金利」でバランスしていたローン市場では、金利上昇の悪影響が確実に発生します。

■ 国債金利の上昇は財政拡大を制限する ■

トランプが掲げる財政拡大による雇用の創出ですが、米国債金利の上昇で財政拡大にも制約が掛かります。

米国債が売られる(金利上昇)状況で財政を拡大すれば、さらに米国債が売られ、米国債金利が上昇するというスパイラルが発生します。

米国債金利の上昇スピードによっては、トランプの財政拡大路線は早期にブレーキが掛かり、同時にトランプ政権への期待が剥落し始めます。

■ 現在のトランプラリーは就任式前に一回調整される ■

アベノミクス初期と同様に期待先行のトランプラリーですが、年内、或いは大統領就任式前に一回調整されるでしょう。ダウが2万ドルに達したら、さすがに市場も「怖くなる」のでは無いか。

しかし、就任後のトランプは様々な財政政策を打ち出すので、米経済はしばらくは上昇基調が続き、ダウも2万ドルを超えて上昇するでしょう。上手く行けば1年位は「期待」は維持されます。

■ 好事魔多し ■

一見、絶好調の循環に乗るかに見える米経済ですが、一方で金利上昇は低金利でバランスしていた世界を破壊する力を秘めています。

通常の景気循環であれば、金利上昇のデメリットは景気回復によって相殺されます。しかし、リーマンショック語の狂ったような金融緩和では、世界は異常な低金利でリスクを取り過ぎて来ました。

米国債を始めとする債券金利が世界的に急上昇しているのは、市場関係者が低金利時代の終了に恐怖を覚えているからに他ならず、期待によって生まれた「表面的なトランプラリー」の深層では、世界の危機は確実に進行しています。

「金利上昇=景気回復」では無く「金利上昇=債券市場の崩壊」である事に注意すべきなのです。

この崩壊は新興国市場や南欧など弱い所から顕在化し、ヨーロッパの銀行不安へと拡大した後に世界全体へと波及して行くと私は予想します。

折しも、イタリアやフランスで極右政権が誕生しそうな気配です。彼らが利己的な理由で自国の金融機関を救済すれば良いのですが、逆に「金持ちは自分で自分のケツを拭え」なんて言い出して金融機関が破綻するケースも考えられます。

極右政党は自国利益を優先しますからEU内での連携も失われ、危機への対処が遅れる可能性も高い。

世界の目はトランプに集中していますが、私は米国債金利と欧州情勢にこそ注目すべきだと思います。


・・・尤も「逆指標」として名高い「人力でGO」ですから、「全力でリスクオン」が正解だったりして・・・。

無限国債は継続可能か・・・円の下落で崩壊するだろう

2016-12-06 07:00:00 | 時事/金融危機
 

■ 日本の財政の継続性よりも先に来るであろう危機 ■

現在の日本は「無限国債」が限定的に成立しています。

1) 10年債までの金利がゼロ以下
2) 借換債(10年債)の金利もゼロ以下
3) 日銀が現状は国債金利をコントロール出来ている
4) 10年以下の新発国債、借換債は国債発行益が出る状態(異常)

5) 少子高齢化で労働人口が減少する中で景気回復による物価上昇圧力は低い
6) インフレ要因は円安と資源高によるコストプッシュインフレでこれは景気には悪影響
7) 物価が上昇しても、資金需要は景気低迷によって低く、市中金利も低い
8) 円安で推移する場合は内外金利差で国内の資金は海外に流出し、国内景気を刺激出来ない
9) 低金利による住宅やマンションやアパートの供給は過剰であり、そろそろ値崩れを起こす

10) 日銀は政府の子会社なので、償還された国債費は日銀から国庫に納められる
11) 上記理由により利払い費の1/3は国庫に返納される
12) 日銀は償還期日を迎えた国債をロールオーバーして保有量を維持する

既発国債の1/3以上を日銀が保有し、この比率は今後1/2に向けて高まると思われます。金利の低い10年以下の国債は銀行などが落札した後、粛々と日銀に売却します。仮に金利が同じであっても帳簿上は金融機関に損失は発生しません。これは「義務」です。

一方、イールドカーブコントロールで金利が確保されている長期債は生保や年金など満期保有目的の機関が買い支えます。実はこれらの国債の借り換え債の金利もゼロ以下なので、政府に損失は発生しません。

■ 日銀の国債保有比率はどこまでが限界か? ■

大きな外的要因でも無い限り、「無限国債」のサイクルはしばらくは回り続けるでしょう。では、このサイクルはどこまで持続可能なのか?

1) 新発国債が発行される限り、日銀が市場から買う国債は無くならない
2) 日銀の買い入れ量を新発国債の発行額を少し上回る程度にしておけば大丈夫

3) 仮に日銀の保有率が1/2を超えても、国内金融機関が現状を維持する限り大丈夫
4) 海外の金融機関が投げ売りは、日銀の指値オペで牽制されている(空売りで儲からない)

・・・日本の国債は、ほぼ国内の金融機関が保有している為に、通常は一番安定している国債とも言えます。国内の市場参加者が「問題無い」と判断している間は、国債市場に大きな危機は訪れません。

■ 政府の債務残高はどこまで拡大可能か ■

一見「無限国債」が成立している様ですが、国債の発行残高は増え続けます。「それが何か?」と一部の人達は言いそうですが、たはして債務残高に限界は存在するのでしょうか?

1) 国民の預金残高が国債発行の上限と言われていましたが・・・
   異次元緩和によってこのハードルは取り払われています。現状は日銀が円を発行し続けて
   国債を買い続ける事が出来ます。

2) 日銀が低金利の国債を大量保有すると日銀が債務超過となる・・・
   日銀の保有する国債が額面評価される限り、債務超過にはならない

・・・政府の債務残高と、日銀の国債保有量は増え続けますが、当面、この循環が破綻する事は無いでしょう。

■ 為替市場で円の下落が止まらなくなると破綻する無限国債 ■

国内だけ見ると「無限国債」は継続可能に思われます。しかし・・・

1) 日銀の国債保有量が発行残高の1/2を超えさらに増加する様なら、さすがに円の信用は減る
2) 為替市場では150円(ドル/円)を超えて円安が進行するであろう
3) 資金の国外への流出が加速し、円安はさらに進む
4) 輸入物価が高騰するので国内の物価が上昇し始める(悪性のインフレ)

5) 国内の市中金利が物価上昇に引きずられて上昇し始める
6) 金融機関や生保などが保有する長期国債の実質金利が低下して(金利は日銀が固定しても)含み損が拡大し始める

7) 日銀があらゆる年限の国債の指値オペを実行に移す
8) 国内の金融機関や生保が日銀に手持ち国債を一斉に売却し始める

9) 上記状況を観て為替市場で円がさらに売り込まれる
10) 輸入物価が高騰して国内経済が壊滅的打撃を受ける(内需が一気に縮小する)

11) 個人が預金を引き出して海外資産に切り替える動きが強まる
12) 預金引き出しによって国内で一気に信用収縮が起こる
13) 銀行の手持ち資金が預金引き出しに耐えられなくなる
14) 銀行が破綻危機に陥り、一時的な預金封鎖などの処置が取られる
15) 国民がパニックになり円の信用が一気に失われる

パニックは一気に進行しますから、パニックのきっかけになるであろう為替市場の円安をどこまでコントロール出来るかが日本国債の命運を決めるとも言えます。

しかし、過去の為替介入の実績を観ても、為替介入によって為替の大きな動きを止める事は不可能です。資金流出が起これば金利を引き上げて対応する事が定石ですが、それは「国債市場の死」を意味するので、円の価値はさらに失われます。

■ インフレで政務債務がチャラになる ■

ここまで読まれると、「日銀も財務省もバカばかり」と勘違いする方も多いかと思いますが、これこそが財務省や日銀の真の目的だと私は妄想します。

最近「大きすぎる政府債務はインフレでチャラにしろ」という意見が急激に広がっています。しかし、日本を始め多くの先進国のインフレ率は財政赤字を縮小する程には高くありません。

そこで、通貨の信用を故意に毀損させたらどうなるか・・・・。強引なインフレが発生し・・・あら不思議。国民の預金は価値を失い、国の債務は実質的に大きく減る事に・・・。

これ、「インフレ税」と呼ばれるある種の「徴税」ですが、国家で増税を審議する事も、国民の同意を得る事も無く国家の債務が国民の資産によってファイナンスされるのです。


これが日本だけで起こるかと言えば・・・私はドルやユーロも含めた世界的なイベントによって先進国の債務が一気にチャラになるのでは無いかと妄想しています。アメリカの金利上昇で新興国の資金はドルに集まりますが・・・「カモーーーン、ベイブィーーー」って感じで、アメリカに吸い取られておしまい。



おーーと、今日は真面目に書くつもりでしたが、最後はいつもながら妄想が暴走しました。



千葉の秘境シリーズ・・・紅葉の梅ヶ瀬渓谷

2016-12-05 04:12:00 | トレッキング/旅行
■ 千葉県の紅葉の名所「梅ヶ瀬渓谷」へ自転車でGO!! ■

千葉県は関東地方でも一番遅い紅葉が楽しめる場所です。東京からのアクセスも良いので、鎌倉と並び、「遅い紅葉スポット」として人気があります。特に養老渓谷は「滝 + 紅葉」「渓谷 + 紅葉」というセットでお得感バッチリ。さらには鉄道でアクセスの場合、小湊鉄道というローカル線も楽しめるとあって、バリューセットみたいな紅葉スポットです。

本日は関東最後の紅葉を堪能する為に、養老渓谷の「梅ヶ瀬渓谷」に自転車でGO!。本日ばかりは本格的なトレッキングなのでビンディングシューズでは無理でしょう。という訳でフラットペダルの街乗りMTB、ラレー君で出発です。本当は朝早く出かけるべきでしたが、家内とゆっくり朝食をしていたら出発は9:30になってしまいました。

急がないと12月の日暮れは早い。山の中で暗くなるのは勘弁なので、ブロックタイヤをブンブンウナラセて養老渓谷には13:15分に到着。休憩せずに、そのまま梅ヶ瀬渓谷に向かいます。

■ 千葉県の谷って結構深いんです ■
 
養老渓谷は房総半島のほぼ中央部に位置します。養老川が柔らか地層を深く浸食して出来た谷なので、畑の向うがいきなり断崖絶壁になっていたりします。


養老渓谷の駅の裏の田んぼの先は・・・断崖。



■ ファミリー向けのコースです ■


梅ヶ瀬渓谷は養老川の支流の梅ヶ瀬川が大福山の麓に刻んだ谷です。入口の「女が倉」は養老渓谷駅からは徒歩30分程度。そこから川沿いのコースを1時間から1時間30分歩くと紅葉の絨毯で有名な「田中邸跡」に到着します。健脚ならばそこから大福山に登るコースを選んでも良し。或いは川沿いのコースをUターンして戻っても良し。距離が短いので、ゆっくり歩けばお子様連れや、高齢者でも楽しめるコースです。


■ トンネルを抜けると、そこは紅葉だった・・・ ■

車で行かれる方は、「目ヶ倉」のトンネルの手前に民間の駐車場が在ります。この先に公営の駐車場もあるので、ハイキングコースの入り口までは車でアクセスが可。私は自転車を民間の駐車場に停めさせて頂きましたが、「おいくらですか?」って聞いたら「自転車だからタダで良いわよ」と親切な御婆さん。それでは申し訳無いので、では300円をと言うと、バイクだって100円だから100円で良いと・・。さらに「庭先に停めておいてね。取られない様に見張ってるから」とありがたいお言葉。

「地図持って来なさい、大福山に登っちゃいなさいよ若いんだから。」とのアドバイス。時間が遅いので、渓谷を往復するだけのつもりでしたが、こう言われては山登りに変更です。

民間の駐車場の先にトンネルが在ります。


トンネルの先のY字路を右に行くと「大福山」。こちらは舗装道路です。左に進むと梅ヶ瀬渓谷沿いのハイキングコース。私は左をチョイス。


しばらく車も通る林道を歩きますが、すでに紅葉を堪能できます。本当は先週が一番の見頃だったと思いますが天気が悪かったので・・・。今週が最後の見頃でしょうか。


■ 川筋は細いけれで谷は深い ■

梅ヶ瀬川は川と言うよりは「沢」と呼ぶ様な細い流れです。しかし、柔らかな房総の地層では、こんな流れでもガンガン侵食されて深い谷を刻みます。途中、崖を近くで見られる所が有りますが、砂の層と粘土の層が幾重にも重なっています。かつてこの地が海の底であった事が良く分かります。

梅ヶ瀬渓谷からは世界最大のトドの化石が見つかっています。現在のトドの1.5倍の大きさがあったと考えられていますが、トドが出現した時代は、まだこの地が海底であったのです。その為、堆積層の深さは浅く砂岩の層は比較的柔らかです。


房総特有の「川回しのトンネル」が彫られていますが、地層が柔らかいので手堀りで比較的簡単に掘削出来るのです。江戸時代後期には新しく開拓された新田には年貢が掛からなったので、新田開発が活発になります。房総では複雑に蛇行する川筋をトンネルで短絡させ、蛇行部分を田にしていました。面積としては僅かなのですが、山間には貴重な田でした。


しばらくは杉林の中を歩きますが、コケやキノコを観察できます。




■ 渡河が多いので靴には注意を ■

実は梅ヶ瀬渓谷のハイキングコースは「渡河」が多い。渡河と言っても浅い流れを飛び石で渡るだけですが、濡れた飛び石は滑り易く、中にはグラグラする石もあるので、なかなかスリリングです。高齢の方は杖があった方が安全です。小さなお子様は長靴が一番。



途中、岩壁から水が滴っていました。こういう水を集めて川が出来ているのが良く分かります。



■ ここは千葉県ですか? ■

冬の午後は山の影で谷筋は日陰になっています。時折、眺望が開ける場所で見上げると、見事な紅葉が日の光に照らされています。


進むにつれて谷は深く、狭くなります。だんだんとここが千葉県である事を忘れそうな風景になって来ます。秘境指数は結構高い。




上流に行くに従って、紅葉も増えてきます。


■ 梅ヶ瀬に理想郷を建設しようとした明治の偉人、田中誠実 ■

そろそろハイキングコースも終点が近づく頃、いきなりコンクリートの構造物が現れます。これ、橋の後だと思うのですが、こんな所に道が通っていたのでしょうか??或いは砂防ダムの成れの果てなのか??


今では、こんな丸木橋で沢を渡ります。これ・・・お子様やお年寄りには結構デンジャラス・・。


丸木橋の先で右が二つに分岐します。真直ぐ進むと「紅葉の絨毯」で有名な「田中邸跡」。右に進むと大福山への登山道です。


「田中邸」って、こんな山奥に家があったのかと驚きますが、明治の偉人の一人田中誠実(のぶざね)の家があった場所だそうです。宮崎出身の田中誠実は陸軍の近代化に貢献した後、この地を陸軍から譲り受けます。教育者でもあった彼は、この地に理想郷を築くべく、明治18年ここに梅を植え、近隣の農家に畜産や近代農業を教え、21年梅ケ瀬書堂を開校して周辺の子弟に和漢、英算、剣道などを指導したという。彼を慕って多くの若者が梅ヶ瀬書道に集った。大福山山頂には当時の教え子達による立派な石碑が建てられています。

田中誠実の理想郷の夢は実現しなかった様ですが、今ではこの地は都会の自然愛好家の理想郷となり、梅ヶ瀬書道は建物こそ無くなりましたが、今でも多くの人がここを訪れ、田中誠実お理想に思いをはせるのです。


■ 結構な急坂の大福山登山道 ■


本日は時間が無いので、グっとこらえて大福山の登山道に進みます。大福山の登山道は結構な急坂が続きます。


ひとしきり坂を上ると、視界が赤と黄色で占領されます。ここが「もみじ谷」。先ほどまで谷底から見上げていた紅葉地帯の真っただ中に居る事に気づきます。もう、言葉も出ない美しさ。野鳥の澄んだ囀りが美しさをさらに引き立てます。ガイドの地図には「サンコウチョウ」や「ヤマセミ」も生息していると書かれていました。




ひたすら紅葉の中を進んで尾根筋に出ます。房総特有の両端が切り立ったやせ尾根ですが、木の根が張っているので足元はしっかりしています。



本日は人手も多いので野生のサルやシカに出会いませんでしが、マムシやヤマビルにも注意が必要です。イノシシもいきなり出くわすと突進して来る事が在るので危険。まあ、彼らの住処に人間が入り込んでいる訳ですから文句は言えません。ヤマビルの心配が要らない今の時期は快適です。




最後の階段を登り切ると東屋が建っています。ここに田中誠実の石碑が在ります。紅葉シーズンなので屋台が出ていまいた。いつも自転車で登って来る場所に、足で登るのも不思議な感じです。大福山は標高は標高は295mですが、市原市の最高峰。


実は大福山は日本の南と北の動植物が出会う場所として、その筋の方には有名な場所らしい。動植物の種類が非常に多いのです。


■ 紅葉のトンネル ■

ここからは舗装道路を3Km程、目が倉に向けて下って行きます。道端に植えられた紅葉がまさに見頃で、「紅葉のトンネル」という形容がぴったりです。いつもは自転車でヒーヒー言いながら登ったり、逆に高速で下るので景色を見る間も在りませんが、たまには歩くのも悪くは無い。





道端にリンドウが咲き残っていました。


ナナカマドの葉の赤が一際目を引きます。



4時も近くなると冬の太陽は山の端に隠れはじめます。


自転車の停めてある駐車場まで急いで戻ります。短時間でしたが、紅葉を満喫しました。帰路は上総牛久からは大多喜街道を進みます。完全に夜間走行ですが、MTBは渋滞の車列の横をドブ板走行出来るので便利。八幡宿で電車に乗ります。


本日はMTBで112Km走り、簡単な登山もセットで・・・新たな遊びの1ページを開いた気がします。


梅ヶ瀬渓谷、お勧めです。特に川を渡る時のスリルが楽しい。フィールド・アスレチック感覚でお子様連れで是非。今週中は紅葉も見れるかと・・・。





祝・紅白出場「RADWIMPS」・・・『祈跡』って『君の名は。』の元ネタみたいな曲だよね

2016-12-03 03:33:00 | 音楽




映画『君の名は。』はRADWIMPSの各曲が通常の挿入歌以上の効果を発揮していましたが、実は深海誠監督はRADWIMPSの大ファンだとか。をれを聞いたプロデューサーの川村元気が速攻でRADWIMPSに連絡を付けて、RADWIMPSも快諾した。

脚本の初稿を渡され2か月後に新海監督の元に届いたのが『前前前盛』。監督はこの曲を聴いて「なかばミュージカルみたいな感じでもいいと思った」と語っている。

元々、私は『君の名は。』を観た時、RADWIMPSの2ndアルバムの『祈跡』の世界だーーーって思っちゃいました。新海監督と野田洋次郎ってメンタルが似ているのかも知れません。

RADWIMPSのリーダーで作詞作曲を務める野田洋次郎は帰国子女なので英語が堪能。バンドの楽曲もデビュー当時は冒頭で紹介した『祈跡』の様にRADIOHEADみたいでカッコよかった。当時高校生だった息子が私のiTunesに入れてくれてたので、5thアルバムまでは良く聞いていました。

それが・・・いつしか、だんだんとBUMP OF CHIKEN みたいなバンドになってしまって聞かなくなってしまいました。

BUMP OF CHIKEN が嫌いな訳では無いですよ。大好きです。当時小学校5年生の息子を連れて幕張へユグドラシル・ライブを見に行った程の初期バンプの大ファンです。「息子にせがまれて仕方なくコンサートに連れて来ました・・・」みたいな振りをして若者の中に交じっていましたが、コンサートが始まるやいや、手を高々と揚げてシェイキングしていたオヤジは私です。おかげで翌日二の腕がバリバリの筋肉痛になりました。中年にロックコンサートはコタエル。





ところで、全然関係ありませんが、ネットでこんな映像を拾いました。




「キラキラ星」を音楽の年代順のスタイルで「変奏」したもの。おおーーーー分かりやすい。

確か『MATELIAL』の日本公演でバニー・ウォレルが似た様な事やってました。あれはバッハから始まっていましたが・・・凄かった。