豊洲の水質調査・・パージされるべきは科学を理解しない人々

　

■　パージ水を測定する様に指示された・・・　■

９回目の地下水の水質調査で異常値が出た豊洲の地下水。都議会の特別委員会が９回目の検査を担当した会社の職員を召喚して状況を説明させました。

「２０１か所の観測井戸のうち一か所でパージ後の復水が遅い井戸があり、パージ水を測定する様に都に指示された」

この発言が問題になっています。


■　パージって何？　■

パージとは地下水の環境測定を行う前に行う「水抜き」で環境省の測定ガイドラインによって定められています。

１）　採水前に井戸に溜まった水を一度パージ（排水）する
２）　再び井戸に水が溜まるのを待つ
３）　井戸に水が溜まってから一定時間「静置」し、濁りが無くなるのを待つ
４）　静置後に採水し測定する

簡単に書くとこの様な手順が示されています。これは都では無く環境省が定めた測定ガイドライン。都はそれに準拠しているだけ。

パージ（排水）が必要な理由は、観測井戸に入り込んだ雨水などの影響を排除して、純粋に地下水のみを測定する為。地下水が汚染されている場合は、パージを行わないと雨水の影響などで汚染物質の濃度が低く出てしまう為です。

実際に今回、パージ水の測定では環境基準を満たしています。

■　問題は静置時間を十分み取らなかったこと　■

今回の検査にあたり、観測井戸がたまり水に埋没していたり、井戸が詰まっていたり変形している箇所が少なからずあった様です。

それらの障害を排除して測定する場合、井戸内に溜まった「異物」の影響を取り除く為に、パージの工程を複数回行う必要があるかと思います。検査会社はこれらの問題の在る井戸の測定に時間が足りないと抗議した様ですが、これを無視して工程が決められて様です。


８回目までの検査ではパージ後、一日程度、井戸水を「静置」して採水を行っています。これは復水の過程で井戸の底に溜まった土砂などが巻き上がり、これらの沈殿物が分析する地下水に混入する事を防ぐ為の処置で環境省の検査のガイドラインに則ったものです。

１) 水質の測定はガスクロマトグラフィーが用いられる
２）汚染物質を気化させる為に今回の検査会社は超音波を用いている
３）汚染を高濃度に吸収している可能性がある観測井戸の底の泥などが試料に混入していると、超　　音波によって破砕され、そこに含まれる汚染物質が検査数値を実際よりも高い値にしてしまう
４）沈殿物の影響を排除する為、パージ、復水後、井戸の水が澄むまで静置時間を取る事を環境省
　　の測定ガイドラインは定めているの。
５）８回目の検査まではこの手順が守られ、正しい数値が計測されていた
６）複数の会社に検査を依頼する事で、検査手順の違いによる誤差を確認していた

７）　９回目の検査は都の指示でパージ後復水した当日の水を検査する様に指示された
８）　９回目の検査は、何故か１つの検査会社にしか発注されていない


検査会社はこの指示に対して、「正確な測定が出来ない」として異議を申し立て、一回は検査を断っている様ですが、「都の指示でその様な測定を行う」と「念書」を都と交わして検査を実行した事が分かっています

当然、検査結果は異常値になり１１月にこの会社は都に対して異常値が出た事を報告しています。本来であれば「当然計測された異常値」なので「正確な手順で再検査」すべきなのですが、都はこの会社の報告を放置する形で、１月になって異常値が検出されてた事を公表しました。

■　問題を理解しないマスコミと人々　■

この一連の経過を読めば、「検査の方法が間違っているので事前に検査会社は異常値が出る事を都に告知していた」事は明確です。

ところが、特別委員会のやり取りを報道するマスコミは・・

１）　都が通常と異なる検査方法を業者に指示した
２）　パージ水を計測に用いるなど明らかな違反行為があった

この点だけをクローズアップして報道し、これを見た人々は

１）　都が検査結果を誤魔化す為に通常と異なる検査方法を支持した
２）　それにも関わらず異常値が検出されたという事は、今までの検査結果が捏造されていた

この様に受け取るはずで、当然２ｃｈを始めとするネットの意見は上記の様なものです。

■　小池氏の軍門に下った都庁　■


１）　都の担当職員は故意に汚染値が高く出る検査方法を指示している
２）　業者がこの点を指摘したにも関わらず、念書を交わしてまで測定が強制された
３）　汚染数値が高く出た検査結果に対して再調査をせずに発表まで隠ぺいした
４）　これらの判断は１職員では無く、組織的に行われたはずである
５）　都の担当部署は、豊洲が汚染されていると組織的に嘘の情報を捏造した


豊洲問題においては時期を遡って関係者が処罰されています。現在、都庁内で小池氏に表立って逆らえる人物は居ないでしょう。ですから、小池氏が「汚染」を望めば「汚染」を検出する測定方法が指示される。

この「望めば」というのがミソで、小池氏が「汚染が検出される様にデータを改ざんしてちょうだい」と言わなくても、誰かが「斟酌」して異常が検出される様に操作する状況に都庁内があるのかも知れません。

■　ポピュリズムの支配こそが民主主義で一番恐ろしい　■

アメリカのトランプ現象に関わらず、現代のネット社会はポピュリズムの台頭をもたらしています。

今まで政治に関心を持たず、政治的な発言などした事も無い様な人達が、「ネットの情報を都合良く解釈」して、Twitterなどで個人の不満を拡散しています。

ブログや掲示板がネット言論の主流であった時代から、２ｃｈなどはこの様な傾向が強かったのですが、TwitterやLineといった簡易な情報発信手段によって、この傾向は加速度的に強まっています。

これは非常に危険で、誰かが故意に誤った情報を流しても、文字数の少ないTwitterなどのツールでは、情報の正確性が検証される事なく、書かれた事柄のインパクトだけが拡散して行きます。

Twitterの運営会社がハッシュタグなどを悪用して、この様な情報が優先的に拡散する様に画策する事も可能えす。

このネットやTwitterを用いた情報拡散と情報操作を駆使しているのがトランプ大統領で、彼の裏にはネット言論に詳しい専門家が控えているはずです。トランプの一見知性の低そうなTwitterの発信は、こねらのツールを日常的に使う人々の心をクスグル言い回しにしかりと調整されています。

なんたって、３行以上の文章は読めない人が多いのですから・・・。

そして彼らは自分達の間違いを「正義」と信じているから始末に困るのです。


豊洲問題も同じ構造をしており、「悪者」を仕立て上げる事で、有権者は勝手に自分達の「間違った正義」を「拡散」して行きます。


これに対抗するのは「知性」と「知識」だけなのですが、Twitterを乗用する様な人々は、「知性」や「知識」を持った人達を「嫌悪」する傾向が強い・・・。


「３行でまとめろ！！頭悪杉！！」なんて書き込みはかつて２ｃｈの中だけでしたが、Twitterの時代、ネットは「３行ルール」に支配され「無知」を拡大生産しています。




＜追記＞

本日は全くの妄想記事ですが、大手新聞の科学部の記者の方にも同じ「妄想」を抱いた方が多くいらっしゃるのでは？ただ「触れたら危険」アイテムなので、誰も記事にしないと思います。誰か週刊誌にネタを売ったら面白いのに・・・。

共謀罪・・・ブログで摘発されちゃったりして・・

　

森友学園問題ですっかり影が薄くなった「共謀罪」の国会審議。「テロ等準備罪」と国民の理解を得やすい名称に代わってはいますが、「実行の準備段階」でも罪に問えるという点で、従来のテロ対策から一歩踏み込んだ内容になっています。

「テロ等準備罪」は平成１２年に国連で採択された「国際組織犯罪防止条約」に答える形で国内法を整備する・・というのが法務省の建前となっています。

国際的に増え続けるテロ事件を、各国が事前に察知して、その関係者を逮捕する事で国際協力体制を確立する為の法整備ですが、暴力団の出入りの事前準備にも当然適用されます。

法律というのは生き物みたいなもので、出来た時には問題の無い法律でも、拡大解釈を続けた結果、社会的に大きな影響を与えた法律は過去にも多く存在します。

「共謀罪」もその一つで、戦前は多くの共産党支持者を逮捕する事に貢献しています。


リベラルな方達は、この様な「共謀罪」の拡大運用を懸念しており、解釈次第では「人力でGOというブログは反社会的で危険である。このブログの読者も反社会的思想の持主で危険である」なんていう事にもなりかねません・・・。


あくまでも法解釈の問題なのですが、戦争などの「有事」や「非常事態」においては、法律は拡大解釈され易く、国民の自由を制約して行きます。


・・・・平和だからこそ、こんなアホなブログが続けられる訳で、社会の空気がピリピリして来たら、このブログも「日本は神の国だから、中国や朝鮮に負ける訳が無い！！」って論調に様変わりするかも知れません。

50歳を過ぎると体力は低下するのか・・・浦安→鴨川 のタイム比較

　




これは自分の記録用


世間では齢５０を過ぎると体力も落ちると言う。

そこで、浦安から鴨川まで養老渓谷、清澄山経由のホームコースで、どの程度体力が落ちたか時間を測ってみました。（2017.02.26）


緩い北風で条件としては無風とは行きませんが、だいたい過去のベストタイムも追い風なので、風影響は無視します。

過去の最速記録は多分これでは無いかなと・・・
ホイールをZONDAに交換した直後で、それまでの鉄下駄ホイールで足が鍛えられていた頃。

一人ブルべ・・・初めての２００Km越え　「人力でGO　2014.03.23」

この時の自転車の仕様は次の通り

フレーム　レモン２号君　クロモリ（レイノルズ853）
シマノ３０速　　フロントトリプル（ただし３枚目は封印）　　リア１０S　12-25ｔ
ホイール　ゾンダ

今回チャレンジの仕様は・・

レモン　１号君　（カーボン）
カンパ１１速　　　５３－３９ｔ　　１２－２７ｔ
ホイール　　　　　ゾンダ

さてさて結果は・・・


浦安　→　養老渓谷

2014年　　　　AV28.9km/h 但し、八幡宿から大滝街道経由 (ノンストップ　約３時間）
2017年　　　　AV28.2km/h　但し　うぐいすライン経由　　（途中コンビニ小休憩　３時間13分）

うぐいすライン経由ですと２Km程距離が長くなります。さらに登りが多いので・・・これ、タイム的にはほぼ互角かも知れません。


今回のAV（浦安→養老渓谷　うぐいすライン経由）


今回の「乗車時間」（浦安→養老渓谷　うぐいすライン経由）


浦安　→　養老渓谷　→　清澄山　→　鴨川

2014年　　　　AV27.1km/h
2017年　　　　AV26.5km/h　（99.2ｋｍ　　４時間１３分トータル）

今回は養老清澄ラインで前を若葉マークの八王子ナンバーの赤い軽自動車に塞がれ、登りでスピードに乗れませんでした。自転車が後ろに居るのに、カーブの度に急ブレーキ掛けるの止めてくれないかな・・・。まあ、明らかに女子大生の若葉マークだから許すけど・・・。

この軽自動車、七里川温泉の手前の下り坂でUターンして後方確認せずに後続の自転車の直前で車を左に寄せて停車するという最悪の登場でした。下り坂でスピードが乗っていたので、停車したした車の右側をギリギリでパスしましたが・・・この時点で悪い予感がしてたんだよね・・・。

仕方無いので途中で抜き去りました・・・道が広くなってから抜き返されたけど・・・。


今回のAV（浦安→鴨川）


今回の乗車時間（浦安→鴨川）

登りは基本的にダンシング！！
完全に足を使い切りましたが、過去の自分に負けました・・・。赤い軽自動車！！、お前のせいだ！！（そういう事にしておこう）

■　お昼ご飯は、オリーブでガッツリ　■

エネルギーを使い果たしたのでお昼はオリーブでガッツリと刺身焼肉定食をいただきます。どうです、このボリューム。これで１２００円。ご飯お代わり自由。



■　帰りは鴨川有料経由　■

脚を使い切ったので、帰りは鴨川有料経由で楽をします。それでも長い登り坂で腿の裏側が攣ります。それでも足付きせずに登り切って、君津道の駅で小休止。

君津市は卵の産地として有名ですが、ここでは様々な卵を箱売りしています。尤も自転車で生卵は運べませんが。青い色（緑？）の卵はちょっと珍しい。



このマネキンの頭はシュールだった。農作業用の帽子売り場に置かれていました。




久留里で藤井酒造さんに寄ります。今年の新酒、「福祝い　大吟醸　山田錦50％磨き　生無濾過」を買い、リュックサックに入れます。ここからは脚も復活して一気に姉ヶ崎の駅へ。

浦安まで走ろうかとも思いましたが、日没後の国道は怖いのでここからは輪行。


１５３Km走って、AV25.8km/h　1000ｍ程登りました。
途中、のんびり遊び過ぎて、センチュリーライドは達成ならず。

これが５２歳現在の私の実力・・・。


本日の記事は自分の記録用です。

森友学園問題が意味するもの・・・鴻池事務所の面談記録がなぜ共産党にリークするのか？

　

■　安倍総理の責任問題よりも興味深い事　■

森友学園問題は誰が財務省に口利きをしたかが焦点になっていますが、記録は残っていない、或いは抹消されているでしょうから、国会でこれ以上の追及をしても何も出て来ない可能性が高い。

国民の多くは安倍首相、あるいは麻生財務大臣が関与したのではないかという点に集まっていますが、私が興味を持ったのは鴻池参議院議員の事務所の面談記録が、どの様な経路で共産党の小池議員の手に渡ったのかという点。


■　議員事務所に潜むスパイ？　■

鴻池議員は麻生財務大臣の腹心として麻生派の立ち上げ時から行動を共にしているそうで、陰謀論的には「ポスト安倍」を狙う麻生氏が裏で暗躍している様にも見えます。

しかし、今回の件に財務省が深く関わっている事を考えると、監督責任のある麻生財務大臣にも疑惑の目が向くはずで、麻生氏が裏で糸を引いているとは考え憎い。

そうなると、鴻池事務所の「誰か」が面談記録のコピーを持ち出して、共産党の小池議員の元に、或いは、小池議員に繋がる誰かに渡したとしか考えられません。

議員秘書の待遇があまりにも悪いから腹いせに・・・なんて動機は考えられないので、明らかに「スパイ目的」で事務所に入り込んていた人物が居る・・・そう妄想してしまいます。

■　議員は監視されている・・・　■

国会議員と言えども懐具合は様々で、議員事務所の経費は出来るだけ抑えたい。そんなニーズに答えるかの様に、〇〇〇〇の信者が送り込まれているとかねてから噂されています。フェイクニュースに近い「噂」に過ぎませんが・・・。

しかし、仮に組織的に議員事務所にスパイが入り込んでいて、議員達の行動を監視し、かつ重大な秘密をひそかに収集しているとすれば、それは日本の国家として重大な弱点ともなります。

今回の事件の様に、議員が誰と会っていたかという情報だけでも、政権を揺るがす事態に発展する可能性もあります。

■　事の本質は、今回の事件が自民党内の政争なのか、あるいはアメリカの差し金なのかという点　■

安倍首相が国会で追及の矢面に立たされている森本学園事件ですが、問題の本質は「口利きをしたか、しなかったか」では無く、この事件の筋書きを誰が書いているのかという点です。

自民党内の単なる政争ならば国民に大した影響はありませんが、アメリカが絡んでいるとなると仮に今回、安倍首相が逃げ切ったとしても、「いつでもお前を首相の座から降ろす事は簡単なんだ」というメッセージとなり、今後の日米交渉で日本が大幅な譲歩をする事にもなりかねません。

■　コーチャンン証言で首相の座から降ろされた田中角栄　■

アメリカに不利益と思われた日本の政権は長続きしませんが、アメリカに抹殺された政権として真っ先に思い浮かぶのがロッキード事件で退陣した田中角栄元首相です。田中角栄はソビエトやアアラブ諸国から石油を直接取引で入手しようとした事がアメリカの機嫌を損ねたと中曽根元首相が著書でにおわせています。

全日空がロッキード社のトライスターを導入する様に田中角栄が口利きをしたとされる事件ですが、本当はロッキード社製の対潜哨戒機P3C導入を巡る汚職事件だったとの説も・・・。そもそも民間の全日空の機種選定に首相が権限を持つはずもなく、５億円はP3C導入の決定権を持つ当時の防衛大臣に渡ったもの可能性が高いとも・・・。

ロッキード事件は日本だけでなくオランダ、ヨルダン、メキシコをも巻き込んだ事件でしたが、海外ではP3Cの導入をめぐる政治スキャンダル事件でした。それが何故な日本では旅客機のトライスターの導入口利き問題にすり替えられてしまいました。

面白い事に贈賄側のロッキード社のコーチャン副社長らは、アメリカには外国相手の贈賄を裁く法律が無いという理由で罪に問われていません。

この事件から「東京地検特捜部」の「活躍」が世間に知れる様になり、多くの政治家の政治生命を絶つ様になります。

■　森友学園問題は「特捜部」が動かなければフェードアウトするだろう　■

国会のプロレスショーとしては面白い森友学園問題ですが、東京地検特捜部が動かなければフェードアウトするものと思われます。

ただ、安倍氏を巡っては、加計学園グループが獣医学部を新設するにあたり、相当な尽力をされた様で、ことらもそろそろ話題に上がり始めています。ただ、「子供に軍国教育をする」という分かりやすいアイコンが無いので、世間の興味はそれ程盛り上がらないかと・・・。

日本会議の時代錯誤は「対米フェイク」だと思っていたのだけれど、どうやら彼らの「ファクト」だった？

　

■　読売新聞、フジテレビ、週刊文春も報道を始めた　■

朝日新聞のスクープの形で始まった森友学園問題ですが、とうとう安倍政権応援団とも言える読売新聞、フジテレビ、週刊文春も報道を始めました。

国会でも野党の追及が厳しくなっていますが、安保国会の会期中に安倍首相が大阪で誰に会ったのかが焦点となりそうです。

■　あまりにもクレージーな塚本幼稚園　■

ネットに教育勅語を暗唱する塚本幼稚園の園児達の映像がアップされていますが、撮影した埼玉の議員さんが嬉々として唱和しているのが笑えます。

私も教育勅語を始めて聞きましたが、実は道徳的な教えを説いているんだと半ば関心すると同時に、教育勅語が戦前戦中を通して、「徳育」の御旗の元に「思想教育」を行う為の「看板」の役割を担っていたのだと思ったりもします。

園児達に運動会で次の様な選手宣誓をさせていたのは殆どギャグレベル・・・。

「大人の人達は日本が他の国に負けぬ様、尖閣列島、竹島、北方領土を守り、
　日本を悪者として扱っている中国、韓国が
　心改め、歴史で嘘を教えない様お願いします。
　安倍首相ガンバレ、安倍首相ガンバレ！
　安保法制国会通過良かったです！」


バカなのぉ～・・・この幼稚園に子供を通わせる親、バカなのぉ～？？？

■　軍隊教育は悪く無い　■

実は塚本幼稚園の映像を観て、私は懐かしいく感じています。

私が小学校６年間を過ごした小学校は、公立ながら「軍隊教育」を行っていた特殊な小学校でした。チャイムが鳴っている間は直立不動、少しでも動いたら先生のビンタが飛んで来る。

全校朝礼で「起立」の号令でバラバラと立ち上がったりした日には、「起立」「気を付け」「着席」を１００回位い繰り返し練習させられました。

体育が盛んな小学校で、朝の７時には校門前に児童が集まり始め、校門が開くと同時に鉄棒や跳び箱の場所取りに走る・・・。体操競技会では、運動の出来る子供達はバク転やバク中を披露していました。

小学校当時はそれを「異常」とは感じませんでしたが、運動の苦手な子供達にとっては「苦痛」な学校生活だったのだと今にして分かりました。かくいう私は器械体操は得意でしたが、陸上の短距離やボール競技は苦手で、「運動の出来ない子」の気持ちが分からなくも無い立場でした。

この学校、ほぼ毎月、教育研修会が開かれており、全国の先生方が視察に来ていました。私達は彼らの目の前で得々として、一糸乱れぬ行進や、器械体操を披露していた訳ですが、視察の先生方がそれを関心して観ていたのか、それとも「異常」と感じていたのかは、今となっては知る由もありません。

ここまで読まれた方は私が「軍隊教育を否定」していると思われたかと思います。しかし、私はこの小学校を卒業した事を今でも誇りに思っていますし、私の人生の基本が小学校の指導で形成された感じています。

この小学校の掃除当番には「校外清掃」の分担もあって、学校周辺を毎日掃除していました。これが体に染みついているので、今住んでいるマンションの周辺にゴミが散らかっていたら、思わず片づけてしまします。雑草が生えてきたら、嬉々として抜いてしまいます。そうする事が当然だと体に染みついているのです。

一方、その小学校は思想的な教育はしていませんでした。日教組的な「原爆は怖い」という刷り込みもありませんでした。かなり思想的には自由な校風で、教育における各先生の裁量も広かったと記憶しています。園芸を教育に取り入れる先生、ドラムセットまで持ち込んで生徒達に音楽を教える先生も居ました。

面白いのが、自閉症の生徒も何人か居たのですが、卒業するまでには普通になって卒業して行きました。入学時に一言も話さなかった子供達が、先生や生徒の熱心なサポートで、４年生頃にはポツリポツリと会話を始めるのです。

そういった小学校生活を送った私にとって「塚本幼稚園」の映像は懐かしくもありますが、一方で幼児達に「思想教育」をする姿を見て「戦慄」せずには居られません。

■　幼児教育は重要だが、社会性を身に着け、脳の発達を促進すべき期間　■

「塚本幼稚園」の映像を観ると、園児達が難しい教育勅語を暗唱していて関心します。

実は幼児の記憶力は相当に高く、江戸時代の寺子屋でも論語を暗唱させていました。この時期の脳は柔軟で、語学でも数学でも吸収力が高い。ここで脳を鍛えておけば「賢い子供」になり、将来「勉強が出来る」子供になります。

「幼稚園児は保育園児よりも小学校入学時に勉強が出来る」・・・そんな通説が昔はありましたが、幼児の期間にお遊戯を通して教育を受ける文科省傘下の幼稚園と、子供として遊んで過ごす厚労省傘下の保育園の差が出ているのかも知れません。

しかし、面白い事に私が見る限り、「友達付き合い」というヒューマンスキルは保育園児の方が圧倒的に高い。人によってはゼロ歳から他の園児と兄弟の様に育った子供達は、誰とでもすぐに友人になる傾向が強い。

一方、午前中だけ幼稚園に行って、一日の殆どを母親と過ごした子供は、確かに言葉遣いは「大人びて」いますが、友達とのコミュニケーション能力が低い。他人と優劣をつけたがり、友人に心を開く事が少ないと感じます。

面白い事に小学校低学年くらいまでは幼稚園出身の生徒は優秀ですが、高校進学の頃には、幼稚園出身者と保育園出身者の差は見られなくなります。むしろ、保育園でポーーーとしていた子達が優秀な高校に進学していてビックリします。

現代においては共働きの家庭の方が世帯所得が高いので、保育園出身者の方が教育費を掛けられるというだけなのかも知れませんが・・・。


ところで、脳の発達に重要な「幼児教育期間」に思想統制の様な教育を受けたらどうなるでしょうか・・・？もしかすると「自由な発想」が出来ない子供が出来上がるかも知れません。

■　工業化時代には適合したが、情報化時代では使い物にならない「堅物」　■

塚本幼稚園で実際にどの様な教育がされていたかは分かりませんが、もし戦前の軍国教育の様に、集団規律を守り、先生の指導に従順である事を徹底して教え込まれたならば、相当な「真面目な堅物」が出来上がるかも知れません。

「真面目な堅物」は工業化社会においては国家の発展に貢献します。機械を正確に組み立てたり、少しでも早く、あるいは多くの単純な仕事をこなす人材は工業生産には欠かせません。決められた手順を守り、トヨタのカンバン方式の様に、さらなる効率化を目指すQC活動にも向いています。

一方、現代の先進各国において成長している企業は「違反者」が作り出し、牽引しています。日本においてはソフトバンクの孫社長が目立ちますが、彼は今までの「業界のお約束」を破壊する事で企業を成長させて来ました。

アメリカのIT革命を先導した偉大な経営者達も、大学を早々にスピンアウトした人達が多い。フェイスブックのザッカーバーグの様な「変人」も多い。

日本は製造業が衰退して、新たな産業を興す時代に入っていますが、これらの新興産業で必要とされるのは「自由な、人と違う発想」が出来る人達です。「常識」や「慣習」に縛られない事が重要。

■　「古い日本社会の美徳」に郷愁を覚える「日本会議」　■

今回の森友学園事件で日本会議の存在が世間に知れる事となりました。

日本会議は神社庁や、新右翼と呼ばれた人達や、長生の家などの新興宗教団体と、自民党や維新の会の政治家が参加する団体です。海外では「時代遅れの日本の政治カルト」と目されています。

アメリカの言いなりの自民党議員や安倍首相と、「古き良き日本を取り戻そう」とする日本会議は相いれないと感じますが、「面従腹背」だとすれば、無きにしも非ず・・・かな。

尤も、塚本幼稚園を見る限り、日本会議の目指す「美しき日本」というのは相当時代錯誤な代物です。ほとんどギャクかと・・・。

教育勅語を暗唱し、一糸乱れぬ整列を見て喜ぶ議員達や父母は相当に〇〇では無いか・・・。そんな教育を受けた人材がグローバルな時代に活躍するとは思えません。爆弾抱えて敵に特攻するよりも、敵のシステムをハッキングする事が有効な時代なのですから・・・。


今回の事件、首相という地位の人や、自民党議員の多くが時代錯誤の日本会議に賛同しているという事が世間に知れるだけでも意味があるのかも知れません。

実は私、日本会議の時代錯誤は対米的な「フェイク」だと思っていたのですが、もしそれが彼らの「ファクト」であるならば、日本の将来は暗いなあ・・・・。