さあ、映画が始まる。映画の世界で夢を見てくれ、とでも言わんばかりのオープニングはドキドキさせられた。語り部である男がバスに乗り映画のセットである上海の町にやってくるシーンである。しかし、ドラマが始まると途端に減速する。表面の華麗さと反比例して、ドラマを構成していく力がない。ピーターチャンはいったいどうしたんだろう。
ミュージカルというスタイルと内容があまりしっくりいかない。これだけ大変な仕掛 . . . 本文を読む
とてもおもしろい芝居だ。WFの<のちうち企画>としては理想的な作品ではないか。小品だが、今まで見た事のないような新鮮さを、さりげなく提示してくれる。「こんな芝居があったんだ」と、少し驚かせてくれる。[すごく]ではなく[すこし]というところが大切な点だ。
作、演出の森本洋史さんは誠実に自分の世界を描きこもうとしている。それが普通の人の感覚とは、ほんの少しずれていて、そのずれが芝居の魅力となって . . . 本文を読む