高橋恵さんの前作『野を焼く』のさりげなさがとてもよかった。田舎に引きこもった女性の数日間を追っていきながら、今ある状況をなんとかして変えて行こうとする人たちの静かな内面の闘いを描いていく作品だった。
今回もまた、前回の流れを組む作品になっている。大きなドラマはない。話の核には、兄の失踪という出来事があり、それがここに出てくる人たちに大きな影響を与えている。だが、表面的には夏の暑い中、縫いぐる . . . 本文を読む
前半はドキドキしながら、見れた。テンポよく、お話が進んでいく。この芝居のペースに乗っかってジェットコースターにでも乗ってるように主人公の少女、りん(白亜)に降りかかる災難を見ていく。いったいこのお話はどこに向かっていくのかも、読めないような展開が素晴らしい。あれよあれよという間にどんどん先に行く。よく解らないけど、ずっと舞台を見つめていたくなる。そんな芝居だ。
そして、後半。彼女の頭に葉っぱ . . . 本文を読む
なんだかとても寂しい映画だった。それは、いいとか、わるいとかのことではない。この映画の気分の問題である。夏休み、ヨーコさん(竹内結子)が家にやってきて、彼女と過ごした20年も前の思い出が甦ってくる。これはそんな記憶を辿る物語。
さらりとしたタッチで回想されていく。ヨーコさんはとても男らしい女性で、こだわりがなく、元気で、私はそんな彼女に惹かれていった。でも、表面的には、そっけなく振舞う。だっ . . . 本文を読む