今、なぜ安部公房なのか、なんていうことを大上段から振りかざしたりはしない。ただ、テキストがおもしろかっただけ。そこに深い意味なんてないさ、という軽いノリがいい。もちろんそれだけの安易な企画ではないことは当然だ。60年代の前衛安部公房の難解な世界を今、この21世紀に甦らせることの意味はどこにあるのか。今の若い世代にこの戯曲がどうアピールするのか、とても興味深い。
トイガーデンの安武剛さんは、こ . . . 本文を読む
ここから始まる。池川辰哉による走り屋3部作の第1章である。これは池川くんが高校時代に書いた作品の再演らしい。再演と書いたがパンフのコメントを読んでいると、はたしてこれが上演されたか否かは判明できない。台本を書いただけで上演は為されなかったのかも知れない。それならそれで面白い。高校生の彼が妄想した幻の芝居が今、現実になる。
台本はこの第1章のみで頓挫した。だが、今、彼はその続きを書く。そして、 . . . 本文を読む