スサンネ・ピアがデンマークからアメリカに進出した記念すべき第1作。彼女のように作家性が前面に出た人がハリウッドで仕事をするのは難しい。なのに彼女は本国と同じスタンスの映画作りをしている。サム・メンデスがプロデュサーとして付いているから彼女のスタイルはきちんと守られたのであろう。主役を務めたハル・ベリーとベニチオ・デル・トロがすばらしい。ストーリー自体は単純だが、ここに提示されたひとつの状況をきち . . . 本文を読む
1時間20分という上演時間は昨年と同じだ。唐十郎は無理することなく、今自分に心地の良い尺数の芝居を作る。昨年はそのあまりの短さに驚いてしまったが、今回は納得した。彼ははっきりとシフトチェンジしている。もちろん最初に上演時間を決めてから芝居を書き始めたわけではあるまい。そうではなく、今の彼にとってこの軽さが自分の生理にぴたりと合うということなのだろう。粘っこくて、しつこかった彼があっさりして、さっ . . . 本文を読む
『チャップリンの街の灯』によくある「天使と悪魔」(これは映画のタイトルではない)のお話をくっつけて『ハンサムスーツ』をまぶして仕上げて見ました、ってな感じの芝居。たわいないものだが、とても楽しそうに演じているから嫌ではない。かわいらしくていい。大の大人がこういう罪のない高校生レベル(なんていうと高校生に失礼か)の芝居を嬉々として作っているのを見ると、なんだかほのぼのした気分になる。
高尚なテ . . . 本文を読む
なんとアメリカ映画に椎名桔平と長谷川京子が主演!だなんて、と思って最初はけっこうドキドキしたのだが、よく調べて見るとこれは『ブラック・レイン』のようなハリウッド映画ではなく純粋日本映画らしい。なんだ、と少しがっかりする。
まぁ、おもしろければ、国籍なんかどうでもいいが、ハリウッド映画ではなく、和製洋画というのは、なんだかしょぼい。監督は『トウキョウソナタ』の脚本を書いたオーストラリア人のマッ . . . 本文を読む