『愛のむきだし』だなんて、なんだか強烈なタイトルだ。だが、強烈なのは、タイトルだけではない。怒濤の3時間57分である。よくぞここまで無茶苦茶するわ、と感心するやら呆れるやら。3月の劇場公開時にどうしても見たかったのだが、不規則な公開方法だったからなかなか時間が合わずに、結局見送ってしまった。ようやくDVDでだが、見れてよかった。
まぁ、実のところ予想したほどにはハチャメチャではなかったのだが、 . . . 本文を読む
この邦題はちょっとメルヘンチックで甘すぎて、この映画のイメージを正確には伝えない。これは『キッチン・ストーリー』のベント・ハーメル監督の待ちに待った最新作である。再びノルウェーに戻って自分のフィールドで自由に作った彼らしい作品だ。極端にせりふを切り詰めて、風景や情景だけで主人公の心情を寡黙に切り取る。(特に、冒頭の雪の原野を走る列車を俯瞰で捉えたシーンがすばらしい。)これって北欧の作家の特徴なの . . . 本文を読む
中学1年から3年までの3年間、3人の少女たちの小さな3つのお話。とても微妙な年齢の、幼いけれども真摯な気持ちが丁寧に描かれてある。児童文学出身の作家によるティーン小説には時々すごくよくできたものがあって見逃せない。彼らがきちんと子どもと向き合うから、その姿勢は大人を描いてもぶれない。今ではもうなくなってしまったが、集英社のコバルト文庫の流れを組むジュニア小説の伝統はこういうふうに細々とだが今も続 . . . 本文を読む