いかにも芥川賞というような地味で暗い小説だなぁ、と思いながら読み始めたのだが、なんとも言い難い諦めが最初から最後まで貫き、それがこの男の生き方すら示唆するのが、おもしろい。
男は30歳を過ぎて結婚する。もう決して若くはない。熱烈な恋愛とはほど遠く、お互いに何も期待もないまま、結婚する。妻は最初から不機嫌で、彼はなんとなく浮気をする。別に家庭に不満があるとかいうのではない。だいたい最初から何も . . . 本文を読む
デビッド・クロネンバーグが絶賛したとかいう広告に乗せられてついついレンタルしてしまったのだが、こういう低予算のSF映画は決して絶賛出来るような映画ではない(場合が多い)。ただし、部分的に面白いこともあり、そこがツボに嵌まったら結構嬉しい。でもなかなか難しい。危険を承知でついつい冒険してしまう。
クロネンバーグはこの安っぽさに自分がカナダ時代撮っていたB級映画を重ね合わせて感情移入が出来たのか . . . 本文を読む