是枝裕和監督はこういうファンタジーっぽいものはあまり得意ではない。なのに、時々チャレンジする。『ワンダフルライフ』の時も、悪い映画ではないけど、あまりすっきりしなかった。残念ながら今回も、成功とは言い難い。
できるだけリアルの地平から、ドラマを展開させていこうとしているようだが、ほんの少しアニメーション処理をしてみたり、なんとなくソフトな仕上がりを目指した部分もあり、一貫性に欠ける。岩松了の . . . 本文を読む
シドニ・ルメット84歳の新作である。『12人の怒れる男たち』でデビューし、社会派映画で鳴らした巨匠は老いてなお盛んだ。今でもまだ若々しい映画を作る。実験精神も旺盛で、今回のスタイルにもうならされる。フラッシュバックで、時間は前後していき、その度、彼らの関係性が明確になり、さらにはそこから事件の顛末も見えてくる。繰り返しが効果的で、同じ描写がよりスリリングになる。そして、そこからこの小さな宝石強盗 . . . 本文を読む
前作を見た時も思ったのだが、こういうフイルムノワールって、よく出来ているものは雰囲気もあって見た時はいい気分にさせられるのだが、あとには何も残らない。『あるいは裏切りという名の犬』を見た時、このブログに書くのを忘れてしまったほどだ。映画としては今回の作品よりもずっと出来がいい。なのに、しばらくしたらどんな映画だったかも忘れたので書く気にならなかったのだ。
今回も見てからもう1週間がたつ。その . . . 本文を読む