昨年上演された岩崎正裕+アイホール共同制作『どくりつこどもの国』の再演である。平成21年度公共ホール演劇ネットワーク事業として、伊丹を皮切りにして4都市でこれから巡業公演がなされる。こどものための小劇場演劇作品というコンセプトって、今までありそうでなかったことだろう。子どものための演劇というのならば、いくらでもある。だが、敢えて小劇場演劇のスタンスと姿勢を前面に押し出した芝居と考えるから、これは . . . 本文を読む
ジャン・ベッケルの新作にして最高傑作。このそっけないタイトルそのままの内容の映画。画家と庭師が田舎で再会し(2人は小学校時代の同級生)、友情を深めていく姿が描かれる。田舎の風景が美しいのは『クリクリのいた夏』同様だが、今回はここまでシンプルに作れないのではないか、と思うくらい単純な構成の中、初老の2人の男たちの人生の機微を見事に描いたところにポイントがある。映画は主人公の2人が、ただなんでもない . . . 本文を読む
30代の女性の自立を描いた映画が連続して日本映画の枠の中で製作され公開されるなんて、凄いことだ。『ノン子36歳』に続いて今度は子持ちの女が主人公。31歳という設定である。
小巻(小西真奈美)は、作家を目指すが何もしないまま生きるグータラ亭主に見切りをつけて、娘ののんちゃんを連れて実家に帰ってくる。そこで、彼女は独立して生きていこうとする。始まりは威勢がいいのだが、現実はなかなかうまくいかない . . . 本文を読む
ハリウッドがあの『ドラゴンボール』を実写で映画化する、と聞いたとき、誰もがもみんな狂喜乱舞したことだろう。しかも亀仙人をチョウ・ユン・ファが演じるのである。一体どんなことが起きるのか想像を絶した。3月の公開が待ち遠しかったはずだ。一刻も早く見たいと思った。ハリウッドの超大作としてよみがえる『ドラゴンボール』である。鳥山明によるコメントがなんとなく気にはなったが、誰もがそれも宣伝の一種だと気にしな . . . 本文を読む
熊切和嘉監督が昨年撮った映画である。坂井真紀を主演に迎え30代後半の女の憂鬱を描いた。こういう題材が映画になるだなんて、凄いことだ。企画が通ること自体が奇跡としか言いようがない。退屈でなんのドラマもない日常のスケッチである。誰もが見たくもないような話を延々と綴っていく映画に出資し、商業映画として劇場公開するメリットは何もない。現に東京でもお客は入らなかったし、大阪ではナナゲイで2週間くらい不定期 . . . 本文を読む