30代の女性の自立を描いた映画が連続して日本映画の枠の中で製作され公開されるなんて、凄いことだ。『ノン子36歳』に続いて今度は子持ちの女が主人公。31歳という設定である。
小巻(小西真奈美)は、作家を目指すが何もしないまま生きるグータラ亭主に見切りをつけて、娘ののんちゃんを連れて実家に帰ってくる。そこで、彼女は独立して生きていこうとする。始まりは威勢がいいのだが、現実はなかなかうまくいかない。だいたい考えが甘いのだ。
今までなんの不自由もなく、暮らしてきた。現実の社会と向き合うこともなかった。リクルートスーツに身を固めて面接に向かうがことごとく門前払いを食らう。自信をなくす。当たり前の話だ。だが、この映画は、そんなバカ女を客観的に冷ややかに見つめるのではない。けっこう彼女を甘やかす。バカ亭主には厳しいくせに自分には甘い。そりゃぁ彼女なりには一生懸命努力するのだが、それだけでは足りない気がする。
子どもが子どもを産んで、育てる。自分がまだ十分には大人になってないのに、子どもだけは簡単に作れる。そんな時代の中、母親としてではなく、まずひとりの人間として自立していく姿が描かれることになる。周囲の人たちに助けられて生きるというありきたりなパターンである。周囲の善意がなくてはどうしようもない。だから、それがない『ノン子36歳』とは比較のしようがない映画だ。
それにしてもこの映画が、こういう大甘映画だとは思いもしなかった。『いつか読書する日』の緒方明監督の新作である。なのにそれがいくらコミックの映画化とはいえここまで甘口だなんて意外だ。
わがまま勝手の小巻が、弁当屋を始めるまでの軌跡が、描かれるのだが、岸辺一徳の小料理屋の主人から、「この手を大人の手にしなさい」と言われたことの答えくらいは、せめて提示してもらいたかった。甘やかされただけの女の自立だなんて、納得いかない。こんなことで彼女が生きていけるとはとても思えない。
小巻(小西真奈美)は、作家を目指すが何もしないまま生きるグータラ亭主に見切りをつけて、娘ののんちゃんを連れて実家に帰ってくる。そこで、彼女は独立して生きていこうとする。始まりは威勢がいいのだが、現実はなかなかうまくいかない。だいたい考えが甘いのだ。
今までなんの不自由もなく、暮らしてきた。現実の社会と向き合うこともなかった。リクルートスーツに身を固めて面接に向かうがことごとく門前払いを食らう。自信をなくす。当たり前の話だ。だが、この映画は、そんなバカ女を客観的に冷ややかに見つめるのではない。けっこう彼女を甘やかす。バカ亭主には厳しいくせに自分には甘い。そりゃぁ彼女なりには一生懸命努力するのだが、それだけでは足りない気がする。
子どもが子どもを産んで、育てる。自分がまだ十分には大人になってないのに、子どもだけは簡単に作れる。そんな時代の中、母親としてではなく、まずひとりの人間として自立していく姿が描かれることになる。周囲の人たちに助けられて生きるというありきたりなパターンである。周囲の善意がなくてはどうしようもない。だから、それがない『ノン子36歳』とは比較のしようがない映画だ。
それにしてもこの映画が、こういう大甘映画だとは思いもしなかった。『いつか読書する日』の緒方明監督の新作である。なのにそれがいくらコミックの映画化とはいえここまで甘口だなんて意外だ。
わがまま勝手の小巻が、弁当屋を始めるまでの軌跡が、描かれるのだが、岸辺一徳の小料理屋の主人から、「この手を大人の手にしなさい」と言われたことの答えくらいは、せめて提示してもらいたかった。甘やかされただけの女の自立だなんて、納得いかない。こんなことで彼女が生きていけるとはとても思えない。