なんともやるせない小説だ。まぁ、いつもの重松清なので、驚かないが。読んでいて胸が痛む。ここには誰もが感じる(感じたことのある)出来事が綴られている。どうしようもないことだが、なんとか出来たなら、と思う。6つのお話はいずれもそんな話だ。がんばってもどうしようもないことは確かにある。でも、それで諦めるわけにはいかない。
僕も、昔、少年野球チームで万年補欠だった。週末になると、いつも憂鬱になった。 . . . 本文を読む
こんなにも不愉快な気分にさせられる小説はない。最初はなんとなく読んでいたのだが、だんだん気分が悪くなってきた。
いくつもの男女のスケッチからスタートして、ようやく主人公のタイトルロール、『独居45』歳の小説家、坂下宙ぅ吉(なんて名前だ!)の奇行にフォーカスされたところから、ドラマは一気に動き出す。それが徐々にエスカレートしていき、とんでもない状況がご近所、周辺を覆うこととなる。屋根に全裸の血 . . . 本文を読む