『ぶらんこ乗り』を読んだ時の衝撃は忘れない。あれがいしいしんじの初長編だった。デビューで最高傑作を生む。そして、生涯その作品を超える作品を作れない。そんな作家はたくさんいる。あんなに凄い本を読んだことはない。僕の生涯ベスト・ワンかもしれない。(でも、ベスト・ワンだ、と言いたい小説はきっと100冊はあるから、あまり深い意味はない)
あまり凄過ぎてその後、彼の小説を、しばらくは読めなかったほどだ . . . 本文を読む
北村薫は『スキップ』『ターン』『リセット』の3部作に尽きる。だからその他の膨大な作品はあまり読んでない。ミステリー作家として活躍する北村さんの読者としてはダメダメなのだが、仕方ない。青春小説である、あの3作のイメージが強すぎてどうにもこうにも仕方ないのだ。
それに僕はミステリーは好きではない。推理ものなんて読む気もしない、という人だから仕方ない。なのに、今回この小説を読んだのはただ単に読む本 . . . 本文を読む