こんなタイプの芝居を見るのは久しぶりのことだ。ドラマのメリハリはないし、へんに観念的なのに、描いていることは至って単純で、なんだか見ていてちょっと恥ずかしくなる。途中、テンポも悪くて、何度も居眠りしそうになって困ったし。正直言うとダメな芝居だ。
でも、見終えた後、そんなにイヤではなかった。それは、作り手たちが一生懸命自分たちの世界を表現しようと努力しているからだ。少なくとも、それは伝わってくるから、これは気道のいい芝居となった。芝居を舐めてかかっているのではなく、この表現を信じている。そこがいい。それがなかったなら、これはただのひとりよがりの最悪な芝居となったことだろう。つたなさは欠点ではない。それが限界ならば、それでいいと思うのだ。
ひとりの少女とジャンヌ・ダルクを重ねて、彼女が恋をしたから、魔女となり、周囲の勝手な思惑に振り回され、殺されていく、という図式は悪くはない。要はそれをどう見せるのか、である。そこが問題だ。彼女の内面のドラマよりも、彼女を好きになる雑誌記者の青年の方をもっときちんと描き込まなくてはならない。ここを入り口としてドラマを作っているのだからそれは当然のことだろう。彼の内面と葛藤がこんなにも単純な描き方に終始したのでは、見ていられない。
見せ方はそれなりに考えられてあるし、おもしろい描写もあるが、本質のところが弱いからこのドラマに入り込めない。ボレロの一見単純なリズムの繰り返しが、気付くと、我々をとんでもない地平へと連れて行く。そんなふうなドラマを意図したはずなのに、なかなか思い通りにはいかない。
でも、見終えた後、そんなにイヤではなかった。それは、作り手たちが一生懸命自分たちの世界を表現しようと努力しているからだ。少なくとも、それは伝わってくるから、これは気道のいい芝居となった。芝居を舐めてかかっているのではなく、この表現を信じている。そこがいい。それがなかったなら、これはただのひとりよがりの最悪な芝居となったことだろう。つたなさは欠点ではない。それが限界ならば、それでいいと思うのだ。
ひとりの少女とジャンヌ・ダルクを重ねて、彼女が恋をしたから、魔女となり、周囲の勝手な思惑に振り回され、殺されていく、という図式は悪くはない。要はそれをどう見せるのか、である。そこが問題だ。彼女の内面のドラマよりも、彼女を好きになる雑誌記者の青年の方をもっときちんと描き込まなくてはならない。ここを入り口としてドラマを作っているのだからそれは当然のことだろう。彼の内面と葛藤がこんなにも単純な描き方に終始したのでは、見ていられない。
見せ方はそれなりに考えられてあるし、おもしろい描写もあるが、本質のところが弱いからこのドラマに入り込めない。ボレロの一見単純なリズムの繰り返しが、気付くと、我々をとんでもない地平へと連れて行く。そんなふうなドラマを意図したはずなのに、なかなか思い通りにはいかない。