10×10×10の十時さんが初の長編小説を出版した。5話からなる中篇連作なので、厳密には純粋な長編ではないけど、そんなことはどうでもいい。おもしろければそれが一番で、これはとても面白い作品に仕上がっているのだ。
主人公の佐久間くんは、全編に登場するけど、各エピソードは、それぞれ別の主人公がいる。その主人公の女性の一人称で話は展開する。ものすごいインパクトで唖然とさせられるキャラクターなのに、 . . . 本文を読む
読みながらどんどん嫌な気分になっていく。1億円を使い込んで逃亡した主婦。パートで銀行の営業の仕事をしていて、預金を預かり自分が作った債券を渡し、お金は自分の口座に入れて、自由に使う。そんなことしてよくばれないものだと思うが、必死に上手く切り抜ける算段をたてた。だんだんなんのために何をしているのだか、よくわからない状態になる。最初は5万円。それがどんどんエスカレートしていく。すぐに返せると思った。 . . . 本文を読む