近未来。世界が壊滅的な打撃を受けたあとの世界。電気がなくなり、自転車を漕ぐことで生じる人力発電に頼っている。町には仕事もなく、浮浪者が溢れている。最下層の労働者はただ自転車を漕ぐだけの、その労働に従事する。
3人の役者によって作られる濃密な世界。この狭く小さな空間、その圧迫感が、この芝居の魅力だ。動きも少ない。労働者役の中野聡は、ほぼ無表情で、ひたすら自転車を漕いでいるだけ。彼が本来持つ優し . . . 本文を読む
これは強烈な映画だ。ストーリーの流れを追わない。ただ、ドキュメンタリーのように目の前に展開する出来事を追うばかり。短いエピソードで、途切れさせる。そして他のエピソードに移る。その後どうなったのか、なんて気にする間もなく、次につながる。それもまた、しばらくすると、途切れる。忘れたころに、ずっと前のエピソードの続き。いったいどこにポイントが置かれてあるのかすらわからないほどだ。
見ていて、もどか . . . 本文を読む