2時間のエンタティンメントとしてとてもよく出来ている。いつもながらの楽しい舞台で、華やかで、真紅組らしい芝居だろう。2つの話を融合して、1本の舞台にまとめるという難事業を脚本の阿部さんはとても楽しそうにこなしている。彼女の力量ならこれくらいの作業はなんでもない。シェークスピアの2本の作品を、自由に脚色して、その劇世界で遊んでいる。大阪を舞台にした『ウインザーの陽気な女房たち』と、蝦夷を舞台にした . . . 本文を読む
この7月に50分ほどの中編作品として、上演(試演)した作品を、長編作品として、完全版で公開する。突劇金魚1年8カ月振りの本公演である。総力戦だ。AIホールという今までで一番大きな劇場を舞台にして、そこを敢えて最小の狭さで見せる。天井も低く使い、空間は狭く、客席も、諸事情から狭くして、まさに小劇場仕様にする。先週のジャブジャブサーキットも、本来は中劇場規模のホールを、小劇場仕様にして使っていたが、 . . . 本文を読む
原作をとても上手くまとめてある。2時間強の映画にするためには、短編連作のすべてのエピソードをフォローすることは、不可能だから選ぶ必要がある。その選択如何によっては的を外す可能性もあった。とても賢い選択がなされ、全体のイメージを的確に伝える。
ただ、映画としてのダイナミズムには欠けるものになった。映画でしかできないような大胆な冒険はここにはない。題材的にもそれは仕方ないことかもしれないが、それ . . . 本文を読む