この芝居を語るのは難しい。どこからどう説明したらわかりやすいのか、よくわからない。というか、解説が困難な作品なのだ。それはお話が難しいというのではない。きちんと理路整然としてある気もする。だいたい岩崎さんはロジカルな人だから、安易な妄想や幻想なんかで逃げない。それだけに今回の作品は余計に混乱するのだ。正攻法でこれに挑んだ末、その混沌を引き受けることとなった。樋口さんは感性の人だから、気持ちの赴く . . . 本文を読む
小中和哉の『四月怪談』はとてもチープなSF映画だけども、本当に素敵な映画だった。まだデビューから時間の経っていない頃の、若かりし日の小中監督の野心作であり、代表作でもある。あれから何十年が経ったことだろうか。彼は今もこうして同じようにチープなSF映画を撮っている。その事実が嬉しくて、この誰も見にも行かないような映画を見る。そのためにわざわざ劇場へと行く。これは東映の「スーパーヒーローNEXT」と . . . 本文を読む
サブタイトルには「旅先の七つの物語」とある。7つの旅を巡る物語が連作される。観光で訪れたヨーロッパの街を舞台にして、そこで過ごす日本人の、その地での出来事を通して、彼らがほんの少し変わっていく姿が描かれる。(最後のエピソードだけ、ハワイなのでヨーロッパではないけど)
それは、気の置けない友だちとの旅行だったり、一人旅、だったり、夫婦で過ごす旅だったり、新婚旅行も、定年退職後の旅も、ある。そ . . . 本文を読む