アン・リー監督の新作である。何をおいてもまず劇場に駆けつける。内容なんか、どうでもいい。無条件でまず、見る。アン・リーが裏切ることはない。と、思うのだが、今回はなかなか劇場に行けなかった。公開から2週間以上経って、ようやく、目撃する。
実は嫌な予感があった。話がこういうヒューマンドラマで、しかも、3D大作。ストーリーを聞くと、なんか、アン・リーらしくはないファミリーピクチャー仕様。でも、天下 . . . 本文を読む
また、動物ものか、しかも、またまた犬か、と食傷気味で、見始めたのだが、しばらくすると、これは従来の犬とその飼い主の愛情物語とは、まるで違う作品だということに気付く。新鋭、平松恵美子監督は、このシビアなお話を、『ハチ公物語』から連綿と続く松竹の愛犬物の歴史の先に、何食わぬ顔で作り上げた。なんてしたたかなんだ! 昨年、彼女は、山田洋次監督に師事し、『東京家族』を書きながら、その裏で、この映画を作って . . . 本文を読む
野田秀樹の傑作戯曲を池川辰哉が演出する。今なぜ彼が既成戯曲に挑戦するのか。久々の公演となった本作は再出発するためのリハビリ興行とでも、いうべきものだろう。スタジオガリバーの小空間で、基本的には一切舞台装置を用意せず、その細長い空間だけを、生かして、この作品を忠実に演じる。本公演ではなく、実験公演と銘打つのも、今回の企画が従来の妄想プロヂュースの流れからは異色なものだからだろう。
僕が見たのは . . . 本文を読む