吉田修一の青春小説の傑作を、前田司郎の脚本、沖田修一監督(なんとこの2人は中学、高校の同級生だったらしい)で贈る。原作は、とても幸せな気分にさせられる小説で、発売当初は、これを吉田修一が書いたなんて信じられないと思った。でも、彼は、今ではエンタメもなんでもこいの作家になって、もう驚かない。この小説が彼のターニングポイントになったのだろう。
それにしても、この(一見)なんでもない(ように見える . . . 本文を読む
梅棒初の単独公演である『スタンス』の大阪版。これは昨年の東京公演を基本そのまま大阪で上演するという豪華版(ということらしい)。だから、僕が見た最終日は、ぬいぐるみハンターとこの梅棒の2本立なのだが、それってとんでもなく贅沢で豪華な番組なのである。先に見た2本立であるニコルソンズ&廻天百眼もそうだったが、今回のLINX’は凄すぎる。
昨年このLINX’で見た本作品のショートヴァージョンも面白か . . . 本文を読む
これが大阪初進出になる(らしい)ぬいぐるみハンターをもちろん初めて見る。これは昨年東京では『くじらのおなか』のタイトルで上演された彼らの最新作。石田1967さんのセレクトによる今回の東京発LINX’は、先にも書いたように1時間超えの中編2本立。今までの20分から30分という上演時間では不可能だった各劇団の本格公演がこの尺なら可能となる。ショーケースという従来のスタンスは継承しながら、単なる予告編 . . . 本文を読む
キャスリン・ビグローはデビューの頃から大好きで、彼女のアクション映画は女性監督であることを忘れさせるほどにエンタメとしても優れている。『ブルースチール』も大好きだが、『ハートブルー』。あれだけの爽快な娯楽巨編を作り上げるその手腕に感動した。だが、あれから20年。彼女がとうとうここまで凄い映画を作ることになるなんて、思いもしなかった。前作『ハートロッカー』でアカデミー賞を受賞し、それまでの実績を生 . . . 本文を読む
濱野京子の新作だ。しかも、久々の青春小説。さらにはスポーツ物で、高校生が主人公だ。これを読まずして、何を読む! と鼻息も荒く、本を手にする。ただいつものことだが、YA小説なので、カバーとか、イラストとかが恥ずかしい。電車の中で読むのは、ちょっとはばかられる。まぁ、一瞬で読み終わったからいいけど。
そんなことより、いつもの彼女の作品と較べると、この作品の出来があまりよくないことのほうが気になる . . . 本文を読む