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映画・演劇のレビュー

劇団太陽族『小さな祈り』

2013-10-18 21:36:18 | 演劇
 3つのお話からなるオムニバス。エピソードとエピソードの間に短いインターミッションを兼ねたエピソードが挿入されるから、トータル5つのお話になっている。あらゆるケースを1本の中に詰め込んだ。演劇を通して「アルコール依存症について」考えるためのテキストになっている。それを太陽族の面々が演じる。正直言うと、芝居としてはあまり面白くない。岩崎さんの視点が前面に出てこないからだ。ウェルメイドな「教育演劇」( . . . 本文を読む
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『おしん』

2013-10-18 21:30:21 | 映画
 今、これを作る意味はどこにあるのだろうか、と思いつつこの映画を見た。一世を風靡したTVドラマの映画化である。昔ならよくあったパターンなのだが、しかし、これだけの歳月を経て劇場版リメイクはない。しかもネタはNHKの朝の連ドラである。昔、松竹はよくこれをしていたけど、それはTVのヒットを受けてその翌年くらいには公開したというケースだ。TVの余波を受けて便乗するというのがそのパターンだ。しかも、70年 . . . 本文を読む
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『謝罪の王様』

2013-10-18 21:24:46 | 映画
最初はテンポがいい。とてもバカバカしいけど、阿部サダヲのテンションの高さに引っ張られていき、笑える。土下座でこれだけ笑わせるのである。大したもんだ。だが、串団子式エピソードの羅列はいささか単調すぎて、やがて少しずつ飽きてくる。とどめは、あの国際紛争となるエピソードだ。スケールの大きさでも誇示したかったのかもしれないが、あれで反対に醒める。ああいう中途半端なモブシーンは、映画がただの嘘でしかないこ . . . 本文を読む
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『ラストシャンハイ』

2013-10-18 21:08:40 | 映画
 こういうギャング・アクション映画はもう古いのかも、しれない。しかし、チョウ・ユンファに再びこういうものを今やらせることで、かつての香港ノワールの総決算を今の時代にすること。そこには十分意義を感じる。もともとジョン・ウーによる80年代の香港ノワールは60年代の日活無国籍アクションの焼き直しでしかなく、リアルからは程遠いものだった。  でも、あのハリボテのストーリーと様式美に痺れた。フィクションの . . . 本文を読む
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『コズモポリス』

2013-10-18 21:06:42 | 映画
 デビット・クローネンバーグ監督最新作は、リムジンの中ですべてが完結する世界。リアルもうどこにもない。世界一の大富豪の若者が、人民元の暴落によってすべての富を一瞬で失う。世界が終わる日。それは彼にとって、であるだけではなく、文字通り「世界」にとって、もだ。  彼はその日、ただ床屋に行きたかっただけ。でも、それすらかなわない。生きている実感なんてどこにもない。リムジンの中からあらゆる指示を出し、巨 . . . 本文を読む
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