「韓国人俳優と日本人俳優が共演する劇団を目指して」立ち上げられた。その試みがまず興味深い。まず最初に役者ありきなのである。そこから芝居を立ち上げる。
阿倍野区民センター大ホールで公演する。だが、大ホール自身を使うのではない。なんと舞台だけで賄う。どういう経緯でこういうことが可能になったのかは、わからないけど、なんとも不思議な空間だ。今までも何度か舞台上劇場は体験しているけど、今回は実にシンプ . . . 本文を読む
こんなにも自虐的な映画はない。しかも、それをギャグにしている。だが、全体のタッチはとても重い。バカバカしいと笑い飛ばすには、痛すぎる映画だ。この作品は、昭和の重苦しい空気を全身から充満させている。時代背景は特定されない。だが、明らかに今ではないほんの少し前の日本。昭和時代なのだ。セピアトーンのカラーは懐かしさではなく、やるせなさを募らせる。高度成長期に突入し、この国が安定し、豊かになっていった時 . . . 本文を読む
けっこうスリリングで、緊張感のある出だしだった。白を基調にしたデザイン、そこに血の赤の対比。スタイリッシュで趣味がいい。
クローネンバーグの刺激的な新作に続き、その息子、ブランドン・クローネンバーグがメガホンをとったこの初監督作品を見る。父親ゆずりの感性で、悪くはない。この先どうなるのか、ドキドキしながらスクリーンを見つめることになる。(DVDで見たから、TV画面だけど)
しかし、だんだ . . . 本文を読む
久々に沢木さんの本を読む。いつものことながら、とてもしつこくて、自分の考えを立証するためになら、どんな困難も、ものともしないその姿勢には感動させられる。いくつのなっても沢木さんは沢木さんだ、と思う。
1枚の写真(「崩れ落ちる兵士」)に何十年もこだわり続け、この1冊を作り上げる。もちろん、これを書くためにこだわっていたのではない。こだわったから、これが生まれたのだ。あの写真はキャパの撮ったもの . . . 本文を読む
この島がどこにあり、どういう状況下で彼らがそこに暮らしているのか。何の説明もない。説明もないまま、嵐がやってきて、島の大部分が水面下に沈む。村を棄てて避難する人たちの姿が描かれる。同時にここにこだわり残る人もいる。映画はそんな島の様子をドキュメンタリータッチで描く。
災害後、生き残った人たちは、今まで通りにここで暮そうとするのだが、危険だ、という理由から強制退去を強いられる。どんなに困難であ . . . 本文を読む