3月20日に古賀さんが亡くなった。先日行われた古賀さんのお別れ会で、追手門高校の演劇部の顧問をされていた阪本先生が、古賀さんの声掛けで、このHPFが始まったということをお話をされた。阪本さんの言葉だからこそ、そのお話が胸を打つ。ずっと高校生たちと寄り添い、演劇部のために全力を尽くす。その阪本先生も引退されて、HPFから去った。阪本先生と一緒にHPFに最初から参加していた追手門も去って行った。
いろんな意味で、今年のHPFはなんだか寂しい。でも、子供たちにはそんなこと関係のない話だ。26校25作品が参加して12日間にわたって、いつものように3会場で開催される。(ウイングフィールド、応典院、メイシアター)中劇場ではこれもいつも通り、金蘭会。今年は大谷高校もこちらでの開催となる。僕はその2本も含めて6日間で7作品を鑑賞する予定だ。
出来ることなら昔のように25作品、全部を見てみたい。古賀さんが主宰されていた頃は、講評委員は(基本)必ず全作品を見ることが義務付けられていた。だからスケジュールがたいへんだった。でも、とても楽しかった。でも、今は、審査員は自分が行ける日だけチェックして会場に行くだけでいいからラク。終わった後もすぐに帰れる。(昔なら、終わった後は、ゼロに戻って毎日宴会だった。)でも、なんだか祭りに参加している気がしないのがつまらない。しんどい思いをして初めて「何か」をしている、という気分になれる。
スペースゼロの閉鎖によってHPFが古賀さんの手を離れて、新しいスタイルになり継続したのは、高校の演劇部の先生たちと、生徒たちの熱意があったからだ。こういう企画がなくなることなく今も必ず同じスタイルで毎年続く。その奇跡にはいつも胸一杯になる。だから、見ることを辞められない。ただ、少しずつ、僕の中で熱意のようなものは失われていることも事実だ。それだけに今年の作品が、僕のハートに火をつけてくれることを期待する。
さて、初日の幕があがった。