実はこれにかなり期待したのだ。誰がなんと言おうとも(まぁ、誰も何も言わないだろうけど)僕は『変態仮面』の2作目(サブタイトルが、なんと『アブノーマル・クライシス』!)が好きだ。
あの映画のバカは徹底していた。1作目の時には、まだそこにはなんだかテレのようなものを感じたのだが、開き直った2作目は凄い。
それだけに、今回、この企画に福田雄一監督が手を . . . 本文を読む
追手門高校演劇部を40年牽引してきた阪本龍夫先生が引退され、昨年からここでまた、演劇部を立ち上げられた。そして今回初めてHPFに出場する。客席はもう、阪本ファンの大人たちで満席である。こんなHPF公演は見たことがない。誰もが見たいと願う。これはそんな高校演劇。
その重責を担うことになったのは阪本先生ではなく、仰星高校の演劇同好会(!)のメンバーたち。彼女たちのプレ . . . 本文を読む
先に上演された関大一高と同じく、ヒーローを扱った作品。よく似た話なのに、全く印象は異なるのだが、どちらもとてもおもしろい。鶴商の作品のよさは、物事を単純には捉えない、という姿勢を貫いているところにある。イジメとかヒーローを扱うと紋切り型の展開になる場合が多いのだが、そうはしない。
最初はパターンで、単純そうに見せるのだが、そこに騙されてはならない。5人組のフレンズ . . . 本文を読む
この圧倒的な劇世界をそのまま、受け止めよう。盗賊団たちの野卑な世界に迷い込んだ女は、自分の価値観をそこに持ち込み、頑なに心を閉ざす。しかし、火男はそんな彼女をそのまま受け止め、愛す。だが、彼のそんな優しさは彼女には伝わらず、彼は死んでいくことになる。
この悲劇を「バカな男の愚かな行為」と受け止めるのは簡単だ。だが、そんな理屈を越えたモノがここにはある。不条理ともいえる物語をそのま . . . 本文を読む
こういうアングラ芝居を高校生が取り上げ、上演しようとする。そのことにまず感動する。別に堂でもいい話なのだが、僕だって高校時代はちょっととんがっていて背伸びもしていた。そんな時代が懐かしい、と思わせてくれる。これはそんな芝居だった。
観念的で、生理的で、リアルでシュール。「六本木」という記号を通して、生まれること、生きていくこと、自分がどこから来て、どこへ行こうとし . . . 本文を読む
舞台は学校の屋上。結果的にここに閉じ込められることになる少女たち。芝居はここから一歩も出ないし、出られない。ゾンビたちに占拠された高校。でも、彼らは基本的には高いところには上がれない。だから、屋上は安全地帯なのだが、ジワジワと彼らがそこにも迫ってくる。持久戦になりそうだが、そうなると、食料もないし、こんなところでは逃げ場はない。
彼女たちのそれぞれのド . . . 本文を読む