ナンセンスコメディ-。3人の女たち。それまで、メール等ではやりとりはしていたけど、直接会って話したわけではない。真っ暗な中で出会い、そして、ことばを交わし合うけど、相手の姿は見えない。ここは彼女たちが自分たちの店として借りた場所。内装を任せた業者から今日引き渡しを受けるはず。なのに、見に来たらまだ出来てない。騙されたのか、と思う。だが、この工事中の状態が、詐欺ではないとも、思える。 . . . 本文を読む
泣ける。こういうベタな話なのに、ちゃんとそこに嵌まってしまえるのは、作り手がなんの衒いもなく、思い切りこの世界を信じたからだ。そこで要らない小細工なんかをしたら、きっと目も当てられないものになる可能性も十分にあった。そういう意味でこれはかなりこわい企画なのだ。だが、作、演出、主演をいつも通り兼ねる主宰の石井テル子さんは怖れない。堂々とこの世界観を信じる。こんなことがあり得たのだ、と . . . 本文を読む
来年劇団創立60周年を迎える息吹の最新作は定年後の生き方を巡る物語。劇団だって60年過ぎたら定年になるのか、なんて、思いもしなかったけど、そんなバカなことを考えさせてくれるような丁寧で爽やかな作品に仕上がった。なんと2時間を超える長尺作品なのだが、それを休憩なしで一気に見せてくれたのも嬉しい。(年配の役者たちも多数いるのに。まぁ、休憩を入れなかったのは、実は、会場の閉館時間の都合ら . . . 本文を読む
昭和60年代、高度成長期を背景にした家族の物語。大阪グリーン会館のこれだけ作り込んだセットを立て込んだのは凄い。劇団せすんの本気がそこからでも伝わってくる。
「もやし屋」が舞台となる。昭和の時代には、もやし屋なんていうものがあったのか、と初めて知る。これは僕が子ども頃の話なのに、僕はもやし屋なんて知らなかった。小さな頃のいろんなことを思い出しながら芝居を見た。なん . . . 本文を読む
4回わたる膨大なインタビュー。『騎士団長殺し』を中心にして、川上未映子が村上春樹に迫る。村上春樹の創作の秘密に迫る、とか、そんな感じではなく、だけど、読みながらいろんなことが見えてくる。村上春樹を通して、世界が見えてくる。大好きな作家とその本の話をする女の子。川上未映子はインタビュアーとしても優れているけど、それは相手が村上さんだったから出来ることで、ふたりの幸福な出会いが、この本 . . . 本文を読む