15人の女性監督たちによる短編連作。5分ほど(8分以内、というしばりらしい)という短さの中で、女の子の微妙な生理のようなものが、浮き彫りにされていく。なまなましいものもあり、けっこうドキドキする映画だ。それぞれのエピソードが説明的ではないから、よくわからないまま、提示されるものもあり、そこもいい。
わかりやすいものなんかいらない。わかりにくいものを、投げ出すようにして、そこにごろ . . . 本文を読む
たぶん台本の遅れのせいであろう。役者たちは台本を手にしたまま演じる(芝居をする)というスタイルになったことによって、芝居自体が結果的に内向きのものになる。会話劇なのだが、台本を待つことで動きが制限され、視線も相手に対してではなく、うつむいて言葉を発する場面が多くなる。
テキストを離したなら彼らの関係性がもっと前面に出てくるはずではないか。でも、このもどかしさがなんだか、とても面白い。夫と妻、夫の . . . 本文を読む
AIが人間の姿になってやってくるというバカバカしい設定なのだが、それでは結果的にただのレプリカントじゃないか、と思う。一応彼女はホログラムみたいなもので、実態はない、ということにしているけど、芝居だから役者が演じます。なんだか、デジタルな芝居を目指したはずが、とんでもなくアナログな、アナクロ芝居で、おやおや、と思う。でも、そこがこの芝居のねらいだ。とことん、バカをする。
タイトル . . . 本文を読む
こんな難しい芝居を彼女たちは卒業公演として取り上げる。もちろんそれはこのお話が難しいということではない。これを立ち上げることが困難なのだ。これは地味で暗い。女子高生たちがこれをする。淡々としたタッチで緊張を持続させながらそこに微妙なニュアンスを表現できなくては成立しない芝居である。困難を極めることは必至だ。だけど、彼女たちは物怖じせずにこれをやりたい、と手を上げた。(のだろう)
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帰るべき場所を失ってしまったら、どうするか。自分たちの住んでいた場所に帰れなくなり、地域の祭りも失われる。でも、何とかして、伝統を残したい、引き継ぎたい、という想いが、彼らを被災地からなんとハワイにまで向かわせることになる。映画はその着地点を明確にしないまま、思いもしない方向へと舵を切る。100年の時間がこの唄と踊りを作った。伝えた。だから、それを失くすわけにはいかない。そのための戦いが描かれる。 . . . 本文を読む