監督はこれが長編2作目となる『ペンギン・ハイウェイ』の石田祐康監督作品。2022年9月16日から劇場公開と同時にNetflixでも配信された。だから、ついついTVで(劇場ではなく)見てしまう。そして、少し後悔することになる。これはぜひ劇場でこそ見るべき映画だ、と。暗いシーンが多くて、TVでは見づらいし、テンポが遅くて眠くなるところもある。でも劇場で見たなら緊張感がちゃんと持続できそうだ。こんな単純 . . . 本文を読む
モノクロスタンダードの端正な映画。樋口一葉の短編3作を映画化したオムニバス作品。今井正監督がこの小品小説を丁寧に描いて見せた秀作。だけど、今の時代にこの映画は力を持たない。この映画を見たからといって、あまり何も感じない。昔これも(たぶんTVで)見た気がする。『純愛物語』のようなインパクトがないからそんなことすら忘れている。でも、見たことすら忘れていたのなら初めて(見るような気分で)見たことと同じだ . . . 本文を読む
2時間10分の長編だ。こういうタイプの映画としては長い。アイドル映画の範疇に収まりそうな内容で、70年代の百恵・友和映画でリメイクされていてもよかったのではないかと今さらだが思う。(『泥だらけの純情』なんかよりこれのほうがあの当時の彼らにはぴったり合う)それにしてもこれが1957年のキネマ旬報ベストテンで第2位にランクインしているということに今見たら驚く。これはそんな映画ではない。当時は社会派映画 . . . 本文を読む
『三千円の使いかた』で大ブレイクした原田ひ香の最新作。今回もお金にまつわるお話で短編連作スタイルで一応は長編というよくあるパターン。最初のエピソードは面白い。リボ払いで大変なことになる若夫婦の話。ルイ・ヴィトンの財布が欲しい、というところからお話は始まる。毎月3万円の返済設定にしていたことで借金がすごいことになるのんきな夫に愛想をつかす妻。この先どういう展開になるのか、と楽しみにしていたら2話目で . . . 本文を読む
優秀映画鑑賞会によるこの企画上映でなんと今井正監督の『純愛物語』がニュープリントで上映された。こんなことがあっていいのかと思う。驚くべきことだ。そんなうれしいことがあるのかと大喜びする。あの映画は僕のバイブルだ。中学3年の頃、平日の朝9時半からやっていたTV「あなたの映画劇場」で見た。あの枠で見た数々の映画が今の僕を作っているといっても過言ではない。日本映画の魅力を教えてもらえた。満喫させてもらえ . . . 本文を読む
久しぶりでドキドキするような芝居に出会えた。こういうアングラ芝居は最近ない。大がかりな芝居ではない。いつも通り彼らの地下にある小空間(スタジオガリバー)が舞台だ。まぁ、最近彼らはほとんどここで公演しているけど(それくらいにここはここちよい)今回はここでいつも以上に贅沢な作り方をした。実はこの作品の前に、彼らはもう1本ここで芝居をするはずだった。近年の彼らの最高傑作となった『短編まつり』シリーズの4 . . . 本文を読む