初めて見る劇団だ。いつものことだが、ドキドキする。先日見させていただいた「でめきん」のメンバーも参加している。劇団としては4年振りの公演となるらしい。ちょうどコロナ禍に入り公演が出来ない日々を経ての今回の公演なのだろう。満を持しての公演だ。気合いが入っている。舞台からは作り手の想いがしっかり伝わってくる。90分を全力で駆け抜けていく。
眠れない男がいる。羊を数えて夜を明かす。30万匹 . . . 本文を読む
7人の女性作家たちによる恋愛小説アンソロジー。タイトルにあるように最初の恋ではなく、二周目の恋。二度目の恋でもない。いつもの作家だけではなく、初めての方もふたりいる。その初めての作家の作品がとてもいいから、またご贔屓が増える。
まず、波木銅の『フェイクファー』がいい。金子由里奈監督の『ぬいぐるみとしやべる人はやさしい』と連動してリンクするような作品。(読んでから調べたら、この作家 . . . 本文を読む
瀬戸内寂聴の最期の愛人だった男の告白。敢えて彼女のことをJと記載することで、ある種のフィクションを加味したことにする。ノンフィクションじゃない。小説だとアピールする。まぁ、あまり気にしないようだけど。作家は(延江浩でなくてもいい)は母袋(語り部であるJの愛人)の話に耳を傾けながら、Jのこれまでの軌跡も追いかける。85歳の彼女と母袋が出会ったのは37歳の頃。それからの数年間が描かれる。
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今回も江頭美智留さんの台本を使う。(今回の演出は倉田操。)前作『ナビゲーション』に続くこの新作は、彼女が関わってきた世界であるTV局のお話。彼女の勝手知ったる世界を舞台にしたコメディだ。ドラマ作りのてんやわんやの舞台裏でのドタバタ騒動を描く群像劇。ワンシチュエーションでラストまで一気に見せるはずのドラマだが、幾分単調に流れていくから、緊張が何度か途切れるのが残念だ。主人公の新人女優上白石萌(梅山恋 . . . 本文を読む
神原さんの9月公演。今年もちゃんと年4回の公演をこなす。予定通りに。今回の秋公演はしっとりした芝居で、まさかの誰も死なない芝居である。しかも時代劇なのに。
幕末の大阪を舞台にした斬り合いもない人情劇。だが、そこには確かにいつも通りの死の匂いがしている。別れ別れになった父と子の再会。同じように別れ別れになった兄と妹の再会が重なっていく。しかも、その両者は別のふたりではなく、同じひとりだ . . . 本文を読む