地味なモノクロ映画だった。Netflixの新作で、配信がスタートしたところ。スペイン映画でノースターで監督も知らない人。このそっけないタイトル。アート映画かと思ったら、内容は吸血鬼の話みたい。なんとなく心惹かれて見始めたけど、延々とナレーションが続いてなかなかストーリーに入り込めない。おぞましいホラーではなく、静かな映画。
だが、本題に入るとこれが実に面白いのだ。これは思いがけな . . . 本文を読む
監督は『ハケンアニメ!』の吉野耕平。まだキャリアも浅い若手監督にこれだけの大作映画を任せるのは冒険だ。このプロデューサーの大英断を支持したい。だいたいこの企画自体がそれだけで大冒険なのだけど。出来上がった映画は期待通りの出来で満足した。いきなりのラストもあれはあれでいい。その先は観客の想像に任せる。2時間以内という上映時間に収めたのもいい。ムダはなく、スリム。だけど、見せるべきところはしっかり見せ . . . 本文を読む
今月の児童書は3冊。イチゴが大好きだからこの本を手に取った。ここには特別なことは何もない。どこにでもいる小3の女の子の日常スケッチだ。彼女にとっての大きな出来事(学芸会、ダンス発表会、学校の屋根裏散歩)もあるが、それも事件やイベント自体はほとんど描かれない。その前のきっかけの部分だけでお話を止めて、次につなぐ。これはなかなかうまいスタイルだ。きっかけさえちゃんと描けたなら、結果はついてくるから、そ . . . 本文を読む
Netflixのオリジナルシリーズ。全6話からなるアニメーション。アニメ版の劇場用映画『ゴジラ』3部作を手掛けた瀬下監督作品なので期待した。
50分前後の6話だからスケールとしては2時間半くらいの映画2本分くらいの長さだが、1話ごとに一応独立するエピソードに仕立て上げられている連続ドラマスタイル。
子どもたちを主人公にした「ひと夏の冒険もの」になっている。なぜ子ども . . . 本文を読む
このわけのわからないタイトルそのままのつかみどころのない小説だ。最初は何を読んでいるやら、とかなり戸惑ってしまったけど、だんだん慣れてくる。そうするとこのまったりとした世界はそれなりに心地よい。ようやくいつもの川上弘美だと安心する。100ページくらいまでかかった。
幼稚園の頃、カリフォルニアで過ごした。その後、東京に戻って50年ほど。もうすぐ60になる3人の再会からの交流が描かれ . . . 本文を読む