Vシネマ全盛期に他とは一線を画したヤクザ映画を作ったのが、鹿島勤監督である。香川照之が主演したヒットシリーズ『静かなるドン』だ。まだ若手俳優だった香川の初期代表作になった。あれを作ったのが鹿島監督なのである。彼は90年代にデビューしてさまざまな映画を作った。東映のメイン番線で児童文学である『ずっこけ3人組』を作っている。あり得ないことがあの時代はあった。東映はなりふり構わずヤケ糞でヒット作を模索し . . . 本文を読む
昨年公開されていた韓国映画。60年代,3本の映画を作り消えてしまった韓国初の女性映画監督の最後の作品『女判事』。残された不完全な映画を修復し、失われた音声を再現して、欠落したフィルムを見つける旅。同じようにもう映画を撮れそうもない現代の女性監督が50年前の映画を再現するために当時を知るさまざまな人たちに会う。彼女もたった3本の映画を作ったまま映画界から消えようとしている。家族のこと、ヒットしない自 . . . 本文を読む
竹中直人68歳のエッセイ集。呆れるくらいに自由で楽しい。だけど、そこには繊細すぎる彼の姿が見え隠れする。エンタティナーである。ただのコメディアンではない。俳優で映画監督。器用になんでもこなすというのは、フリで、ほんとは不器用。凄い気配りの人。そんな彼のすべてがここにはある。
長短取り混ぜて、ここにはさまざまな文章が収録されている。昔話から、芸能界に入ってからのたくさんのスターとの . . . 本文を読む
日本では劇場未公開作品である。配信にはそんな作品が数多くある。そこにはまさかの傑作も密かにある、だろう。だけど見るまでわからない。事前にリサーチしてもネットの評判なんて当てにならない。では国際映画祭で受賞した作品を見るか、というとそれも違う。一定の評価はそれなりの目安にはなるけど、それだけ。
ということで、タイトルとほんの少しのあらすじから自分の嗅覚を頼りに選ぶしかない。だいたい . . . 本文を読む