よくもまぁ、こんな安易なタイトルで映画を作ったものだ。あまりに安っぽい。そして出来上がった映画もまた薄っぺらい映画で、タイトル通り安っぽいからピッタリかもしれないが、なんかそれってエグい。TVの2時間ドラマなら許されるだろうが、これは曲がりなりにも劇場用映画である。いいかげんにして欲しい。よくもまぁこんな映画を作ったものだと呆れる。
監督はあの密かな傑作『アイ・アム・まきもと』の水田伸生。脚本は『64』の久松真一。ふたりのタッグにはかなり期待したから驚きの出来に目を疑う。冒頭のドローンによる空撮によって舞台となる荒川河川域のロケーションを伝え、ここだからこそ起きたドラマだということをしっかり押さえて始まるはずなのに、それが見えてこない。
さらには政治家の汚職の話も薄っぺらのペラペラで、誘拐事件後の犯人探しもお座なり。尾野真千子の無駄遣い。主人公の中島健人の正義感は空回りしていく。娘を誘拐された後、血塗れの白いシャツをずっと着たままの池田エライザって何? いくら動転していても怪我の治療と着替えはするでしょ。
エンドタイトルの後にある国会議員になった中島のシーンは蛇足。