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映画・演劇のレビュー

『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』

2022-11-26 18:14:31 | 映画

またまたマーベル映画の新作が登場した。初めて黒人が主人公を演じる「ヒーローもの」として大ヒットした『ブラックパンサー』の続編だ。前作は素晴らしい出来だっただけに期待も高まる。マーベルのヒーロー映画は「群像もの」ではなく単体のほうが俄然面白い。特にこの『ブラックパンサー』はただのアクション重視の派手なSFXを駆使した「ヒーローもの」ではなく、ストーリー重視なのがいい。今回もなんと上映時間が2時間41分だ。2020年に主人公を演じたチャドウイック・ボーズマンの死で続編は難しいと思われたのだが、本作は彼の不在を受け入れて(映画もまた実際の彼の死を受けた形で)その後を描く作品になった。

後継者争いを巡る派手なアクションよりも、ワカンダにしかない資源を巡る争いに焦点が絞られる。その利権を巡りアメリカやフランスが争う。そこにやがて海の帝国ネイモアが絡んでくる。このネイモアとかいう海底帝国を出すところがヒーロー映画の限界か。ワカンダの資源が武器利用されることで戦争が起こるという展開での戦争相手をアメリカやロシアというリアルでキナ臭くなる設定を回避した。

ウカンダ国内の争いも含めてお話はなかなか壮大で複雑な展開を見せる。主人公が女性たちというのもいい。今回、ブラックパンサー2代目後継者となるボーズマンの妹や母親が主人公なのだ。女性が圧倒的に強い。アクションも含め盛りだくさんの映画で作品自体は悪くはない。

たださすがにもうヒーロー映画は飽きてきたな、というのが実感だ。もうあの手この手を尽くし切ったのではないか。来月にはDCの新作『ブラックアダム』が公開されるが、食傷気味。敵役が圧倒的に強くて正義のヒーローが束になっても勝てないというような設定(みたい)だが、DCは『ジョーカー』の大ヒット以降最近このパターンばかりだ。評判になった『ヴェノム』の2作目は僕はつまらなかったし。

 

 


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